キキ便り

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アメリカでの歯医者さがし

2012-10-10 13:40:40 | アメリカ便り

医療費の高いアメリカでは、歯科治療にも神経を使う。

5月に歯の定期健診で虫歯が1本、見つかり、治療の見積もりは約1300ドル。保険を適応した後にこの金額で、実費だとその2倍はかかる。

診断を説明してくれた黒人の女医さんは、

「新しいクラウン(かぶせもの)が必要だし、この深さだと神経も抜かなきゃね」

X線の写真と私の歯をさっと見ただけの診断。

あまりもの早い説明と高い治療額に「日本に里帰りするから」という理由で治療を保留にしてもらう。

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幸い、歯の痛みは全くなかったので、5月よりどこか安く良心的な歯医者さんはないかと回りに聞きまわった。

回りがお勧めしてくれる歯医者さんは、私の保険が適応できないところばかりで、夫は

「メキシコで治療しようか」と半分本気で持ちかけた。夫の親戚の何人か、メキシコまで治療に行って成功だったらしい。

歯科保険を持たない近所の友人Ginaは、ヒスパニック系の人たちがよく訪れる安価な歯医者さんを紹介してくれる。「ちょっとスラム街みたいなところだけど、私も夫も何回か行って大丈夫だったわよ。待ち時間がとっても長いけどね」

そもそも私の歯科保険でカバーする歯科医院は、大きなクリニックに5、6人の歯医者さんが働いているようなところばかりだ。レビューを読んでもイマイチぱっとこない。私が5月に検診に行ったクリニックには、「かぶせものをしてもらったけど、すぐ取れた」などのクレイムがレビューに書かれている。レビューを鵜呑みにするわけにはいかないが、大金をどぶに捨てるような真似はしたくない。

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半日かけて、歯科保険のカバーするクリニックを順番に近場から調べて、ネットでレビューを読み、自宅から高速で20分くらいのところにプエルトリコからの移民の歯医者さんを見つける。歯医者としては40年近くの経験、奥様と娘3人の家族経営らしい。このクリニックについてのレビューはネットにまったく見つからなかったが、思い切って予約を入れる。

受付では、スペイン語とバイリンガルの若い女性が丁寧に対応してくれる。娘さんだろうか。待合室にはメキシコ系のカップル、二人だけ。人数の少なさにびっくりしたが、私が帰りがけには子どもたちで溢れていたので、タイミングだったのだろうか。

クリスチャンの家族なのか、待合室には聖句やキリスト教の飾りが目立つ。もちろんクリスチャンだから良心的というわけではないが、クリスチャンの私にとってはほっとする。

この歯医者さんは物腰の柔らかい人で、スペイン語のアクセントを交えながら丁寧に話してくれる。すぐ診断を下すのではなく、一つひとつ、歯を軽くたたいたり、空気を送ったりして反応をみながら治療方針を決めていくところが好感がもてる。

結局詰め物だけで処置できるということで、治療の総額は保険適応後、46ドル。治療には、麻酔をかけたりしたが、それでもこの金額だということは良心的に治療してくださったのだろうと思う。1300ドルとは大きな違い。将来クラウン(かぶせもの)が必要になってもこの歯医者さんなら安心できそう。

 

 

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