キキ便り

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日経「なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観」の記事を読んで

2011-07-28 07:35:37 | 映画・本・テレビなどを語る

定期的に送られてくる日経ビジネスオンラインの中で、次の記事が目に留まる・・・

タイトルは、

なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観ー

男性社会の自覚なき“刃”が女性を働きにくくする

このような書き出し。。

 

 「結婚したいですか?」
 「彼氏はいますか?」
 「将来、子供は欲しいですか?」

 会社で聞いたら、即問題視されそうな質問を、戸惑うことなく口にするテレビ番組のリポーターやキャスターたち。

 「金メダル取って、もてるようになりましたか?」という質問を、柔道家の塚田真希さんやレスリングの吉田沙保里選手にしたVTRを流し、スタジオで笑う人々。

 いったい何なのだろうか。不愉快な気分になった。そう、女子サッカーのワールドカップで初優勝を果たし日本中に勇気と元気をくれた、なでしこジャパンのメンバーが帰国後、テレビ出演した時のことである。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110726/221679/ 無料会員になると全文読むことができます) 

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私もアメリカとの決勝戦をはらはらしながら視聴し、なでしこを応援していたファンの一人。試合前から、CNNニュースなどで、なでしこの選手の多くは、プロとして生計をたてている選手ではなく、練習場にシャワーもなく、仕事後、電車にのって練習に通うというような苦労話を聞いていたので、応援にも熱が入る。

優勝した時には、信じられない気持ちだった。3月11日以来、日本で繰り返される暗いニュースの中で、希望を見出してくれる光だった。

この日経ビジネスオンラインの記事の中では、アメリカの選手へのマスコミの対応と比べながら、日本に根強く残る伝統的性役割観を浮き彫りにしている。

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しかし、この記事を読んで思い出したのは、最近義理母よりもらった手紙。非常に思いやりのある人で、休暇中嫁3人それぞれに手紙を出すことにしたらしい。

その内容は、要約すると、いかに私が自分の孫の成長に重要な役割を果たしているのか、母親の役割は非常に大切なのでこれからもぜひがんばって欲しいとエールを送ってくれているのだが、反面寂しいような気持ちが残る。

彼女にとっては、女性のアイデンティはまず「妻であること」「母親であること」で、そのようなフレームワークが仕事を持つ私には、時々重く感じることがある。

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私のダイバーシティクラスを受講しているシアトル近郊に住むアメリカ人学生が、課題ペーパーの中で自分の結婚指輪や住んでいる家を見て〔お金持ちの家らしい)、「あなたのご主人、どんな仕事をしているの?」とよく聞かれるのが悲しい、と書いていた。裕福な生活=夫の仕事面での成功、という図式が私たちの中に無意識にあるらしい。

そういえば私も、夫と一緒にいる時には、いつも夫はどんな仕事をしているのと人に聞かれているが、私にそのような質問がくることは少ない〔上下スーツを着ていれば別だけど)。マイノリティの妻であることも関係しているのかもしれない。

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アメリカでさえもこのような無自覚な伝統的性役割観が根強く残っているのだから、日本の女性たちはさらに苦労しているのだろうと同情する。

今回のなでしこのプレーで見せたレジリアンス、結婚云々を聞いている場合ではなく、この彼女たちの精神から日本人は多く学ぶべきだと心から思う。

コメント (2)
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