『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
since 2000.3.7

2008年4月25日(金)

2008年04月25日 00時00分01秒 | Weblog
中学の時からずっと持っているものといったら、このコーナーにも時々登場する、辞書類。中学の入学の時に買ってもらったのを、いまでもほぼ毎日使っている。広辞苑もあるし、インターネットの辞書もあるけれど、この中学からの辞書類は、ノートの横にいつもあり、つねにすぐ開ける状態で、ここにある。あるというより、もう、いる、というかいらっしゃる。毎日見ているからわからないけれど、たぶん、だいぶくたびれている。しかし、中を見ると、ギラギラの文が躍っている。アクセント記号や漢字の別の書き方、対語、用例など、面白くて、それが広辞苑だと、あたりまえで、クールに感じ、少々物足りないと思うときさえある。昔、ある歌の詞で、4文字の言葉をいくつか探すのに、全ページめくったことがある。そういうことをするより、思いつき、のほうが良い場合が多い。確かにその時は、時間だけかかって、たいした成果はなかった。共に苦労した感があり、愛着もあるのだろう。そういえば、最近、一番の愛着は、小さい消しゴムだ、と書いた、あの消しゴム、さらに小さくなって、使いづらいのに、まだ使っている。

洋司

2008年4月24日(木)

2008年04月24日 00時00分01秒 | Weblog
ボブ・ディランの研究本、良さそうなのを何冊か読み、中川五郎さん全訳の詩集も読み、自伝も読み、出演映画含めたDVDやビデオ、ライブ映像、押さえどころは押さえ、CDも歌詞の対訳をにらみながら、重要と思われる二十数タイトルを聞き込み、ボブの影響で、ブルースにもだいぶはまったし、ハーモニカも吹いてみた。僕の昨年は、そういう時間が多かった。ここにきて、ボブを扱った映画、「アイム・ノット・ゼア」。ご本人は出ていないけれど、公認。名場面の再現的な映像や、各時代のボブを演じるのが、白人男性はもちろんだけれど、女性だったり、黒人だったりで、非常に面白そう。他にも、アンディー・ウォーホルとイーディー・セジウィックを扱った映画「ファクトリー・ガール」にも、「ボブ・ディラン」が出てくる。ご本人は、その取り上げられかたに、不満があり、公開しないように求めたとか。僕にとっては、非常に良いタイミングで、公開のこれらの映画、見ておきたい。

洋司

2008年4月23日(水)

2008年04月23日 00時00分01秒 | Weblog
古賀森男さんの、「フェビアン/古賀森男オフィシャルホームページ」のダイアリー(http://air.edisc.jp/fab/diary/diary.cgi)に、僕と小峰倫明(りんめい)さん、古賀さんとともに。
小峰さんの、セルビアで知り合ったというアーティストとの三人展。小峰さんはご自身の絵の、紙や絵の具の奥行きや時間について話してくださり、非常に興味深かったのである。空海が唐から持ち帰った、真言密教の曼荼羅を、現在の個人的趣味から、連想したところであった。

洋司

2008年4月22日(火)

2008年04月22日 00時00分01秒 | Weblog
新しい歌を、録音しようとするとき、はやり、紙に書いた歌詞を見ながら歌うのである。パソコンのモニターを見ながらではなく。詞はノートに書いているが、ノートには、だいぶ、書き込みやら、消したり書いたりのあとがあるし、厚手で、持てばある程度重いので、歌うときには、別の白い紙に詞だけ書き写して、それを譜面台にのせたり、手に持ったりして、歌っている。
今日歌ってみた詞は、二月ごろ書いたものだったが、歌ってみると、いまひとつだったので、直すことにした。また、ノート上で、あれこれやりはじめ、新しい紙に、書き写す。清書というわけでもないのだけど、白紙に書き写すのは、どこか気持ちが良い。子供の頃に写経をしたのを、思い出した。吉野・熊野・高野の名宝展で、古くは平安時代の書などを見たものであるが、今、机の上にある歌詞と、それらは、白い紙に字、という以外は、なんの関係もないのに、こちらの個人的な趣味により、繋がっているのであるから、おかしなことである。

洋司

2008年4月21日(月)

2008年04月21日 00時00分01秒 | Weblog
中学の時、卒業して行く先輩が「わかりやすく言うと、駅の券売機などを作る会社に勤めるのだ」と言ったとき、僕は「では、券売機を見るたびに、先輩を思い出します」と言ったのである。中学の時は、電車など、あまり乗ったこともなく、券売機を見る機会も少なかった。今、券売機はタッチパネルで音声も出、紙幣を入れても、もどってくることはめったにない。ものすごく進化している。そして僕は、今も、あまり電車には乗らなくなっているが、券売機を見れば、先輩を思い出すのである。マネージャーと駅にいる機会があって、僕がキップを買おうと、うろうろしていると、マネージャーは、携帯電話を持っている。それで改札を入るのだと。公衆電話は、だいぶ少なくなったけれど、券売機も少なくなる日がくるのかな。いずれにしても、僕は券売機でキップを買い、先輩を思い出すのである。あの時、先輩は、僕が学生服の胸のポケットにさしていた、シャープペンシルを「これを記念にくれ」と言って持っていった。入学の時、学校でもらった僕の名前入りのシャープペンシルである。先輩に持っていかれるのが、嬉しい気がした。まさか、もう、持っておられないだろうけれど。

洋司