信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

生坂農業未来創りプロジェクト会議視察研修二日目&上生坂上空からの風景

2021年11月05日 | 生坂村の取組

 5日(金)は朝から気持ち良い青空が広がり、昼間はカラッと過ごしやすい体感でした。

 視察研修2日目は、朝8時に宿泊先を出発し、原村の株式会社アトリエデフ八ヶ岳営業所に伺い、大井社長さんと環境事業チームリーダーの植松さん達に視察のご対応をしていただきました。

 

 説明会場に行くまでの間に、社長室など仕事場、かまどや薪釜のキッチン、昼食は社員の皆さんでお料理をして、外で食べているなどの説明をしていただきました。

 

 

 説明会場では、私からご対応の御礼のことばと当村の農業の取組や検討中の環境の取組案などについてお話をさせていただき、大井社長さんからスライドを使われて説明をしていただきました。

 

 株式会社アトリエデフは、サーキュラー・エコノミーやSDGsの登録企業であり、国産の木材や土壁などの自然素材を使い、大工の手刻みや左官の塗り壁、太陽光発電や薪、竹、生ごみ堆肥、雨水を利用するなど、自然エネルギーの循環までを実現する家を建築されていて、今はお客様に15ヶ月ほど待っていただいているとのことでした。

 

 我々が説明を受けた「循環の家 八ヶ岳」は、暖房は薪ストーブ、お湯などの熱源は薪・竹兼用ボイラー、電気は太陽光発電と蓄電池、トイレの排水や外水道は地下の雨水タンクなど、自然の恵みの再生可能エネルギーを活用したモデルハウスで、2階にLDKと浴室があり、大きな窓から眺める八ヶ岳の景色に感動しました。

 

 アトリエデフ八ヶ岳の皆さんは、家づくりに関わる仕事をしながら、日常的に畑作業を行い、かまどでご飯を炊き、薪割りや保存食作りを行っていて、循環の家を訪れた方と一緒にまかないご飯を食べ、味噌造り、野菜作り、蕎麦の収穫などのイベントも開催していて、その取組によって、アトリエデフが家づくりに掲げる思いを感じてもらいたいとのことでした。

 

 放置竹林問題にも取り組まれて、竹チップや竹炭をつくり、土壌改良材として活用し、化学肥料を使わない作物づくりを推奨しています。竹炭は、土壌へまくことで、二酸化炭素の固定に繋がり、地球温暖化対策にもなり、もちろん、微生物の棲家になり、栄養のある土作りにも繋がるとのことでした。

 

 循環の家の後は、その竹を炭にする「竹炭焼き」を視察に行き、枯竹と青竹がバランスよく燃えていました。そこには竹をチッパーで粉砕した竹チップもあり、畑の土壌改良として使っていて、竹チップともみ殻を撒いた畑も視察し、大豆、野沢菜、白菜など数多く栽培されていました。消毒をしていなくてあまり虫に食われていなくて感心しました。

 

 

 最後に、大井社長さんが15年前から整備をしています、原村エコラの森の森林整備の模様を視察しました。鬱蒼としていた森を間伐して、今では夏のイベントに2日間で子ども達が延べ400名ほど参加する素晴らしい森になり、間伐材は薪にしたり、枝はチップにして有効活動をされていました。

 

 今、国では「カーボンニュートラルの実現」、県では「ゼロカーボン戦略」と銘打っていますが大変難しい取組であります。しかし、アトリエデフの皆さんが取り組んでいる暮らしや環境活動、放置竹林問題などは、「未来の子ども達のために」つながる幅広い活動だと感銘しました。

 

 大変お忙しい中、大井社長さんはじめアトリエデフの皆さんには、親切丁寧にご説明いただき感謝申し上げます。当村も地球温暖化対策を講じていかなければと考えていますので、今回の視察を今後取り組もうとしている事業の参考にしたいと思いました。

 

 午後は、たてしな自由農園に行き、山本社長さんからお話を伺いました。

 避暑地として名高い信州・蓼科高原と八ヶ岳山麓は、全国有数の高原野菜の産地でもあり、「たてしな自由農園」は、この地で生産者が手塩にかけて育てた旬の美味しい野菜や果物が豊富に揃う農産物直売所です。

 

 山本社長さんは、昭和38年に丸光デパートに就職され、2年後に諏訪に転勤し20年ほど食品を扱ってきて、21年前に退職され「たてしな自由農園」を奥さんと一緒に始めたとのことでした。

 

 1号店は40坪あまりのお店で、出荷者45名でスタートし、市場で値が付かない農産物を販売したり、この地域はAコープが繁盛していてその近くでコバンザメ商法により大きくなり、この原村店は、標高1,130mで直売所10億円ほどの売り上げは、標高では日本一とのことで、原村店の売り上げの内、別荘のオーナーが35~40%、観光客が20~30%、地元の方が35%くらいとのことでした。

 

 ここは農地を大切にする地域で、高原野菜と稲作・花卉生産が盛んですが、一年で5ヶ月間しか農産物が栽培できず、飯田などから野菜や果物を仕入れていて、持続化させる営業のために、農家からの仕入れは買い取りにすれば良かったとのことと、30年ほどで商売は廃れてしまうので、施設を進化させるために、当施設の横側の約5,000坪に複合的な施設を建設する予定とのことでした。

 

 直売所のキーワードは、品揃えと価格であり、地元産の農産物の出荷期間が限られているので、農産加工品の売り上げが寄与していて、農産物約8億円、加工品約8億円、その他約2億円とのことで、今まで施設の設備などは、行政の補助金等はなく整備されてきたとのことでした。

 

 

 原村店と帰りにはまだ規模の大きい茅野店により、店舗を視察しましたが、その大きさと品揃えの多さなどに驚きました。スーパーに売ってない珍しい商品をお土産に買って帰路につきました。

 

 

 山本社長さんに詳しく説明をいただき感謝申し上げますとともに、素晴らしい施設と運営内容などを視察でき、大変勉強になる視察研修となりました。

 

 

 二日間で5個所の視察をさせていただき、予定通り生坂農業未来創りプロジェクト会議の有意義な視察研修の全行程が終了しました。皆さん、大変お疲れ様でした。

 

▽ 毎朝恒例の写真は、一泊二日の視察研修でしたので、3日の午後に撮影した上生坂上空からの風景です。

 

上生坂上空からの風景

 

 その他生坂村では、保育園で祖父母参観(以上児)、小学校で身体測定・視力検査(高学年)・ALT、2班の皆さんの元気塾などが行われました。