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なきやみてなほ天を占む法師蝉 山口誓子

2018年10月15日 | 俳句
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山口誓子
なきやみてなほ天を占む法師蝉
ツクツクホ-シが鳴き終わった。ぼんやりと眺めていた中天には蝉の音響が未だに空を占めている。行く夏来る秋の狭間で空は澄み雲はいよいよ白い。感傷の中から詩が多産されてゆく。やがて情熱は木の葉の様に枯れて散って行く。うかうかしていると短い命が尽きてしまうぞと法師様が諭しても我がぼんくらには通じない。つくづく惜しいツクヅクオシイ次には哀し哀しのカナカナの時が襲うだろう。:山本健吉「鑑賞俳句歳時記」(1997年4月10日)所載。
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