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夢の淵どよもしゐたる梅雨出水:藤本安騎生​

2020年06月16日 | 俳句
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夢の淵どよもしゐたる梅雨出水:藤本安騎生
夢の中で川音がろうろうと響いている。梅雨の水量が辺りにはみ出しながら流れてゆく。どよもす(響もす)とは声や音をひびかせること。天の運行を前に人間はただ立ちつくすのみ。梅雨が恵みの雨となる事もあり災害をもたらす事もある。この分では都会の水甕は安泰だろう。うるはしき大和の山々よ暴れません様に。雨音を枕に聞きつつ夢の世界へと陥ってゆく。<荒梅雨やてるてる坊主の泣きっ面:やの字>。:角川書店「合本俳句歳時記(2019年3月28日)」所載。
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