やんまの気まぐれ・一句拝借!

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待つてゐてくれる人あり夏野行く 赤猫

2017年05月28日 | 俳句
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赤猫
待つてゐてくれる人あり夏野行く
恋人だろうか。友人かも知れない。自分の手を待っている病める人かも知れない。暑い夏の野は気持ち次第で遠くにもなり近くにもなる。家康では無いが人生は重荷を負うて坂道を上るが如きなのかも知れぬ。看取る人と看取られる人と選択の余地なく運命は訪れる。覚悟が出来ても出来ていなくとも現実は訪れ日常を形成する。唇に唄を心に太陽をと言い聞かせ一刻一刻を踏みしめる夏野ではある。待っている人が居て自分の居場所がある、これで良し。:俳句喫茶店「つぶやく堂」(2017年5月20日)所載。:やんま記