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春愁や猫は老いても従はず 吉竹純

2017年04月26日 | 俳句
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吉竹 純
春愁や猫は老いても従はず
よく犬派か猫派かと言うが私には猫の時代と犬の時代があった。犬のポンチは今も心に生きている。改めて振り返るに他にもいろいろ飼ってきた。鶏、兎、金魚や目高、四十雀などなど。さて猫時代、猫は外出勝ちで言う事もあまり聞かなかった気がする。その癖甘える事が得意で猫なで声にはコロリと騙された。当時は蚤採りが大変であったが冬の日向ぼこには最適の作業であった。いくら叱っても言う事を聞かず襖や柱を引っ搔いて傷だらけにした。あの独善的な生き方を真似たかったが出来なかった。親に従い師に従い妻に従う。俺の独善は夢の中だけ。:読売新聞「読売俳壇」(2017年4月11日)所載。