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さくらさくら桜のほかは見てをらず 金子桜花

2017年04月01日 | 俳句
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金子桜花
さくらさくら桜のほかは見てをらず
天空が妖しいほどに桜色。小生さくらを見ると心が狂う。さくらを見ると涙が出る。さくらの下は人人人でみな一様に桜を愛でている。人声も姦しく鵯も姦しいがそんな騒音は全く耳には届かない。余分なものを見ずただただ桜に狂っている。そんな桜が今列島を縦断中である。日常を逸脱し桜に酔うのは日本人の特権だと思う。:俳誌「百鳥」(2016年6月号)所載