表彰台の脇への道(5)

ボントラガー･リボルトスーパーＸ。かつて経験した事の無い軽さのチューブレスレディタイヤ。その後、幾度となく空気を高圧まで入れ、外周にスーパージュースが偏らないようにタイヤを手で傾けて回したりし続けた。毎晩毎晩。しかし１時間と持たずエアはタイヤから抜けてしまった。耳を澄ますとシューという小さな音がするのに気付いたのは半月も経った頃だろうか。エア漏れはビート部か、液体を入れた事によるエアバルブのワックスとの相性（ワコーズ白）だと思い込んでいた。慌ててエアを入れて残り湯の残った風呂にタイヤを沈めた。絶句！！！タイヤ全体から細かい泡が万遍なく湧き出している！？熱帯魚などで使うエアストーンからの細かい泡と変わり無い状況だった。エアの漏れていない場所が無いほど酷い。これじゃいくら空気入れても保持することなんて不可能。ショップに相談するもタイヤを売った前例が無く（それほどマイナー？）メーカーに問い合わせてくれたが明確な回答は得られなかった。スーパージュースの投入量が少なかったのかと思い切ってビートの一部を落として追加注入。かなりの量になったと思う。それからまた毎晩エアを入れ、縦に斜めに回し続け乗れる時は後輪に嵌めて走るも一晩持たず。思い切ってメーカーに問い合わせた所、あちらも困った様子が伺えた。ただシマノみたいに新品チェーンが突然コマ固着でトラブルリタイヤした件についてまるで私が悪いように一方的に製品は悪くないと脅すような表現をし、うやむやに無回答で馬鹿にするような態度ではない。この時は固着したコマをシマノに送って調査してもらったがソレすら戻ってきてない、未だに。これが後のシマノへの不信感を一気に高めた。話を戻そう。ボントラガーの担当が言うには、カタログはミスプリしてますが（単位が違う）、最初に一気に80ml入れましたかとの事でした。結果的にそれ以上入れた事になってると思うが途中で足した事が原因だろうと言う。思い切って一度中のスーパージュースを全部出し、タイヤをリムから外して陰干しすることにした。リムの内面には緑がかったドロドロが付着して固まってる箇所もあったが、なんとタイヤの表面には浸透はおろかサーっと流れて新品の時の画像とほぼ同じ状態になってしまいました。「全然粒子が密閉していない…」。ここまで胃が痛くなる思いを半月以上。時間は刻一刻と過ぎていく。