政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

マッチ・ポンプの前原誠司、結局尻ぬぐいは小沢派に?

2010-09-21 07:25:32 | 小沢一郎

八ッ場ダム、日航再建、普天間(沖縄担当相)、どれもこれもかき回しただけで逃げ出した前原誠司国交相。

海保巡視船衝突の中国漁船、検査妨害で船長逮捕 (YOMIURI ONLINE 2010年9月8日)

事故発生からの経過を整理すると、

9月7日 午前10時55分頃 中国漁船が海上保安庁の巡視船「みずき」と衝突・逃走
9月7日 午後1時前に停船
9月8日 未明に船長を逮捕
9月9日 船長を送検
9月19日 拘置延長

中国側の反発は当然予測できたところである。

中国企業1万人旅行中止 尖閣衝突 (沖縄タイムス 2010年9月20日)
中国が日本との閣僚級交流を停止、船長拘置延長に対抗措置 (ロイター 2010年 09月 20日)

もちろん、東シナ海のガス田開発もやり玉に挙がっている。
その後も対日抗議の動きは強まるばかりである。

ところで海上保安庁は国交省の外局である。
直接の最高責任者は国土交通大臣の前原誠司である。
事件勃発は、民主党代表選たけなわの9月7日。
中国船船長の逮捕そして送検は前原の了解なしに行われたとは考えられない。

この時期にこの海上保安庁の強硬姿勢は、国民の間に反・中国感情を盛り上げる意図がなかったとは言い切れまい。
勿論、親・中国と思われている小沢一郎の脚を引っ張る効果もある。
どちらが主であるかは分からないが……。

9月14日、思いがけなく党首選で菅直人が勝利。
前原は玉突き人事で外務大臣に昇格。
中国の猛抗議の矢面に立つことになってしまった。

自分で火を付けたものの、前原にこの難問を解決する能力はない。

党首選勝利で舞い上がっている菅直人は閣僚人事で徹底的にに小沢派を排除している。
しかしアホな菅直人も、対中国外交が厄介なことになりつつあることにようやく気がついたのだろう。
またもや小細工を施した。
菅内閣は今日、副大臣・政務官人事を発表する予定らしい。
内定人事が伝わっている。

総務・鈴木氏、国交・三井氏=小沢グループに配慮-副大臣人事 (jiji.com 2010/09/21)
国土交通省副大臣 三井辨雄(小沢支持)
外務副大臣 松本剛明(小沢支持)、伴野豊(小沢支持)

何のことはない。前原の尻ぬぐいではないか。
うまくすれば小沢の中国パイプが使えるかも知れない。
だめなら彼らに責任を押しつける。

バカでもなければ一蹴する人事案である。
まあ、目の前に人参をぶら下げられて断れるかどうか、政治家としての器量の見せ所なのだが……。

前原?
心は既にアメリカへ飛んで行っている。

米国務副長官「前原外相を歓迎」 (YOMIURI ONLINE 2010年9月18日)

アメリカは歓迎している。
アメリカにとっては歓迎すべき外務大臣らしい。
相手に喜ばれることは外交担当者としての無能の証明である。
アメリカに気に入って貰うことが出世の近道、と考えている外務官僚。
アメリカ大事の外務大臣。
結末は見えている。

前原外相、普天間移設「時間かける」 沖縄側と対話優先 (asahi.com 2010年9月19日)

前原氏は番組で、鳩山前政権による普天間問題への対応が沖縄県民の失望を招いたことを認め、「沖縄の皆さん方には心からおわびをしなくてはいけない」「沖縄の理解なくして日米合意の履行はありえない」と強調した。

 一方、沖縄県名護市辺野古を移設先とする日米合意については「名護市の皆さん方には新たな基地建設ということで負担をお願いすることになる」と語り、別の移設先に変更するつもりはないとの考えを示した。

 前原氏は21日から訪米し、23日にクリントン米国務長官との日米外相会談に臨む予定。今後の日米関係のあり方について前原氏は、「日米関係がぐらぐらしているかというと、私の感覚ではそう思っていない。確かに普天間問題で少しさざ波は立ったが、しっかりとこれから(日米合意を)履行していく」と語った。(山尾有紀恵)


前原が説得すべきは沖縄県民ではない。
アメリカを説得してこい。

「少しさざ波が立った」で片付けられては沖縄県民は立つ瀬があるまい。






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