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バっくなっば―2
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」 連載 6
世界的企業の戦略も参考に
世界的な企業の戦略も参考にして
いる。例えば、小売最大手の米ウ
ォルマートは、アーカンソー州の
ベントンビルという街に本社を構
えている。自然環境が豊かなとこ
ろに、取引先の大手メーカー各社
が数百人規模の専任チームを駐在
させている。韓国のサムスンも首
都ソウルから離れた水原市(スウ
ォン)の「サムスンシティ」に関
係者を集め、距離を置くことで議
論を重ねている。
(次回に続く)
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」 連載 5
イノベーションは簡単でない
そこで打ち出しているのが「横の
DX」という考え方だ。具体的には、
小売やメーカーといった業界の枠
を超えて連携し、それぞれの会社
が持つ知識やデータを共有するこ
とで、1社だけでは生み出せなかっ
た新しい価値をつくろうという取。
り組みである。
新たに価値の高いアイデアを生み
出すには深い議論が必要であり、
リアルな場こそ最適となる。そこ
で、企業が集結できるムスブ宮若
を立ち上げた。郊外に施設を設け
たのにも理由がある。永田氏は「
イノベーションは1時間ほどの会
議で生まれるものではなく、徹底
的に考えることが必要だ」と話す。
だからこそ、都心の喧騒(けんそ
う)から離れた場所のほうが集中
しやすいと考え、あえて宮若市に
拠点を構えたのだ。
(次回に続く)
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」 連載 4
縦のDXだけでは対応できない
トライアルHDがこの取り組みを始
めた背景には、流通業界全体への
強い危機感がある。これまでの流
通業界では、メーカーが卸業者を
通じて小売店に商品を届けるのが
一般的で、メーカーと消費者の距
離が遠かった。そのため、販促も
価格を下げて売る」といった方法
に頼りがちだった。しかし、消費
者の買い方が多様になる中で、メ
ーカーと小売店が直接つながり、
店頭での購買データを共有しなが
ら販促を行うことの重要性が高ま
っている。トライアルHD社長の
永田洋幸氏は「流通のあり方を変
えるためには、トライアルだけで
進めていくのは不可能」と語る。
企業が個別に進める「縦のDX」だ
けでは、変化の激しい消費者ニー
ズに応え続けることは難しいとい
う認識だ。
(次回に続く)
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」 連載 3
一般客も利用できる実験店がある
ているカメラと電子棚札が連動す
る「自動値下げ」や、タブレット
端末でバーコードを読み取り、レ
ジに並ばず決済できるスマートシ
ョッピングカート「Skip Cart」、
事前登録でセルフレジにて顔認証
で決済できる「顔認証決済システ
ム」などの最新機器を実装してい
る。実際の消費者の行動データも
集められるため、開発者が店頭で
の反応を直接確認できる仕組みが
整っている。これにより、商品を
試して改善するサイクルをスピー
ディーに回すことができる。
(次回に続く)
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」 連載 2
リテールテックタウン ムスブ宮若
福岡市からクルマで約1時間の山間
部にある街で、トライアルHDは「
リテールテックタウン ムスブ宮若」
(以下、ムスブ宮若)という取り組
みを2021年から行っている。
「むすんで、ひらくまち。」をキャッ
チフレーズに、廃校をリノベーショ
ンし、研究開発や店頭マーケティン
グの拠点となる施設を整備している
ほか、研修イベント「宮若WEEK」
を月に1回実施。宿泊施設も用意し、
企業間で交流できる環境を提供して
いる。大手企業も参加するなど、垣
根を超えて流通業界の課題解決に取
り組んでおり、企業は使用料を支払
えば個室を利用できる。
(次回に続く)
福岡の郊外に有名企業集結 new
仕掛ける「横のDX」新連載 Ⅰ
イノベーションは郊外から生まれる
福岡市と北九州市のほぼ中間に位置
する宮若市(みやわかし)。人口2万
5000人ほどの街に、日本有数のメー
カーやIT企業など約50社が集結する
施設がある。施設を運営するのは、
3月に西友を買収すると発表し、話
題となったトライアルホールディン
グス(HD、福岡市)だ。同社は、最
先端のテクノロジーを駆使しながら
九州を中心にディスカウントストア
を展開しているが、なぜ都心から離
れた山間部に多くの企業が集まる施
設をつくったのか。
カワブチカズキ ITmedia
(今回新連鎖です)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 最終回 15
ライブコマース販路拡大の好機
商品を販売する事業者にとって、
ライブコマースは販路拡大の好機
となる。視聴者に35歳以上の女性
層が多いことから、購買力が相対
的に高い層へアプローチできるた
め、新たな顧客を獲得するチャン
スといえる。
また、商品特性をリアルタイムで
伝えられることで、従来のECでは
難しかった商品への納得感を提供
できるほか、説明が必要な商品や
地方の特産品など、これまで対面
販売が主流だった商材にも可能性
が広がる。
TikTok Shopの日本展開も控え、20
25年はライブコマース市場の拡大
が本格化する年になりそうだ。こ
の販売チャネルを戦略的に活用す
ることは、今後の競争優位性を確
保する鍵となるかもしれない。
(今回最終回です)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 14
操作の戸惑いの解決目指す
従来のECサイトにライブ配信機
能を後付けしたプラットフォー
ムでは、在庫管理やチェックア
ウト操作が煩雑になりやすく、
購入者側もデジタルリテラシー
の違いによって、操作に戸惑う
ケースがあった。WABEはこれら
の課題の解決を目指す。
同社は、ライブコマース文化を日本
に根付かせる「インフラ化」を目標
に掲げる。「 ライブコマースは、実
店舗での買い物が難しい人や、ECに
ハードルを感じる人に新たな購買体
験を提供する手段であり、エンタメ
性によって、買い物の楽しさが増す
」(佐々木氏)
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 13
ライブコマースに特化したアプリない
Cellestは4月25日、ライブコマース専
用のECモールアプリ「WABE」をロー
ンチした。「日本にはライブコマース
に特化したアプリはほとんどなかった。
新しいプラットフォームが登場しても
定着せず、撤退を繰り返していた」と
佐々木氏は市場の現状を説明する。
WABEは「見て(Watch)、きいて(Ask)、
買って(Buy)、たのしい(Enjoy)」をコ
ンセプトに、映像配信・決済・顧客管理
を一体化した。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 12
成長分野の課題
アヒルのライブマーケットは、100日
連続で朝配信を行う企画を実施。前月
比で新規顧客数が約5.5倍に増加した。
「朝配信での商品購入は単価も高く、
売上増の大きな要因」と佐々木氏は手
応えを語る。
一方で、成長分野であるからこその
課題もある。特に、業界が新しいこ
とから経験者が少なく、配信者の育
成に時間がかかるという。
また、配信プラットフォームの仕様
変更への対応も挙げられる。SNSの
アルゴリズムや規約変更が頻繁に行
われるため、リスク分散から複数の
プラットフォームを活用する戦略が
求められる。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 11
朝6時のライブ配信開始
また、アフィリエイトやインフルエ
ンサーマーケティングとは違い、ラ
イブコマースでは高いアドリブ力が
求められるという。台本を用意せず、
コメントや質問などのリアルな反応
に対応しながら進行していく点が大
きな特徴だ。事前に編集した完成コ
ンテンツを一方的に発信するのでは
なく、ライブコマースでは視聴者の
反応に応じて、その場で疑問に答え
ることで信頼関係を築き、購買につ
なげることができる。 2024年10月
には朝6時からのライブ配信を開始
し、売上増につなげた。「ぞうねこ
ちゃんねる」は、2万人を超える大
規模配信を複数回実施。平均総視聴
者数は、朝配信前の6581人から、配
信開始後には1万294人へと増加した。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 10
バランスが重要
配信で特に重視するのが、エンター
テインメント性と販売要素のバラン
スだ。セールスに寄りすぎると配信
が単調になり、視聴者が離れていく。
一方で、エンタメに偏ると、楽しい
だけで購買につながりにくい。
同社の取締役で、「ぞうねこちゃんね
る」のライブコマーサーを務める熊
田佳奈氏も「見ている人を巻き込む
工夫をしている」と語る。視聴者が
参加できるクイズやゲーム、配信ス
タッフ同士の掛け合いを取り入れる
ことで、「見ていて楽しい」と「買い
たくなる」を両立させている。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 9
30歳以上は効率よく情報を
また、視聴者の多くは女性で、特に35
歳以上が中心だという。「若い世代はS
NS で自ら情報収集するのに対し、 30
代以上は効率よく情報を得たいと考え
ており、信頼できる説明を求める傾向
がある」(佐々木氏)
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 8
コンバージョン率高い
に至るコンバージョン率が高く、約16
%に達する。通常のECは平均が約1~3
%とされており、それを大きく上回っ
ている。同社の佐々木宏志社長はこの
高い成約率について「配信を通じて、
商品への理解と信頼が深まるため」と
分析する。コスメやアパレルなど、実
演できるものはライブコマースとの相
性が良く、逆にサービスなどの無形商
品は簡単ではないという。しかし、あ
るフィットネスサービスの配信では、
1時間で200人の入会を獲得したことか
ら、成約率の高さがうかがえる。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 7
1回の配信で実店舗1カ月分の販売数
ねる」は、主にアパレル・コスメ・雑
貨・食品などを扱っている。2024年9
月~2025年2月期の数字を見ると、配
信1回当たりの平均視聴者数は1万300
0人に達した。また2024年10月には、
月商が1億円を突破。1回の配信で実店
舗1カ月分の販売数を超えることもあ
るそうだ。もう1つの主力チャンネル
「アヒルのライブマーケット」も、L~
3Lサイズのアパレルを専門的に販売す
るなど、体型に悩みを持つ顧客層から
支持を集め、月商3000万円を突破して
いる。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 6
ライブコマース拡大
大手企業が参入する中、大阪に拠点
を置きライブコマース事業を拡大さ
せている会社がある。ライブコマー
ス配信者(いわゆるライブコマーサ
ー)のプロデュースやマネジメント
を展開するCellest社(セレスト)だ。
2024年4月の売り上げは4000万円ほ
どだったが、この4月には2億円を突
破するなど、成長を続けているよう
だ。2017年に参入した同社は、商品
知識や配信に関するノウハウを蓄積
してきた。専用スタジオを設けるこ
とで配信の品質向上を図るほか、視
聴データの分析にも力を入れており、
それらが成約率の高さにつながって
いるようだ。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 5
「商品を直接試せない」問題を解消
スの視聴者数の拡大に伴いEC事業
の売り上げが伸びている。「ニトリ
LIVE」で、季節に合った商品紹介や、
配信中のクーポン発行、アンケート
などを実施。ライブ配信で収録した
動画をECサイトにも掲載することで、
売り上げ拡大につなげている。
2024年(4~12月)には視聴者数が
642万人を突破したほか、EC化率は
前年同期比1.1ポイント増加し、通
販事業の売上高は同12.8%増となっ
た。
大手企業が相次いでライブコマース
を展開する背景として、消費者との
コミュニケーション強化が挙げられ
る。自社ブランドの価値を直接伝え
られる場として、ライブ配信を活用
することで、従来の広告とは異なり、
商品やサービスの魅力をより深く、
双方向で伝えられる強みがある。
また、ECの課題とされてきた「商品
を直接試せない」問題を解消する手
段として、ライブコマースの重要性
が認識されている。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 4
EC売上前年比10%の824億円
近年では、大手企業も参入し、2020
年12月にはユニクロが「UNIQLO LIV
E STATION」を開始した。店舗スタッ
フが商品の解説や着こなし提案を行
いながら、視聴者と双方向コミュニ
ケーションを図るスタイルが定着し、
2024年には年間の視聴者数が2500万
人を超えた。2024年9月~2025年2月
期連結業績によると、国内ユニクロ
事業におけるEC売上高は前年同期比
10.9%増の824億円に上り、ライブ配
信の盛り上がりがうかがえる。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 3
大手企業も「ライブコマース」へ
日本のライブコマースの始まりは20
17年頃からだ。メルカリ(メルカリ
チャンネル)などがサービスを開始
し、2019年には楽天(Rakuten LIVE)
も続いた。
各企業がプラットフォームを相次ぎ
リリースする流れとなったが、ライ
ブコマースが黎明期だったことから、
メルカリは2年ほどでサービスを終了
するなど、他社も含めて撤退を余儀
なくされたサービスが多かった。楽
天は2021年4月にRakuten LIVEを終了
し、同年11月からは「楽天市場ショ
ッピングチャンネル」に形を変えて、
サービスを展開している。
転機となったのは2020年。コロナ禍
の外出自粛をきっかけに、多くの企
業が新たな販売チャネルとして導入
し、アパレルや化粧品業界を中心に
普及が進んだ。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 連載 2
双方向性と利便性で支持集める
商品に対する疑問をリアルタイム
で解消できる「双方向性」と、そ
の場ですぐに購入できる「利便性
」で、支持を集めている。アリバ
バ(中国)が発表したレポートに
よると、中国では2021年時点でラ
イブコマース市場が約33兆円に達
したという。中国と比較すると規
模はまだ小さいものの、日本も市
場が着実に拡大しており、NTTコ
ムリサーチの調査によると、2023
年時点で3000億円弱と推定されて
いる。成長の背景として、5Gの普
及で高画質動画を気軽に視聴でき
るようになったことや、SNS文化
の浸透でネット購買への抵抗感が
薄れたことが挙げられる。
(次回に続く)
ユニクロもニトリも new
しゃべって売る 新連載 Ⅰ
2025年が日本の「ライブコマース元
年」になるかもしれない――。
コロナ禍をきっかけに市場規模は増
加傾向にあり、6月にはTikTokを運営
するバイトダンス(中国)が「TikTo
k Shop」を日本でも開始する予定だ。
月商2億円を超えるライブコマース事
業者も登場しており、EC業界に新た
な活気が生まれつつある。
ライブコマースとは、ライブ配信と
EC(オンライン販売)を組み合わせ
たもので、動画で商品やサービスを
紹介し、視聴者とコミュニケーショ
ンを取りながら購買を促す販売手法
だ。
カワブチカヅキ ITmedia
(今回新連載です)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 最終回 11
無人化と古着の本質的価値の両立
STRAGE ZEROとNOTIMEは、まだ
発展途上の取り組みではあるもの
の、それぞれのアプローチでこれ
らの課題に対応しています。STRA
GE ZEROは高度なセキュリティシ
ステムによる安心感の醸成、NOT
IMEは有人・無人のハイブリッド
運営による最適なバランスの追求
という形で、無人化と古着店の本
質的価値の両立を図っています。
無人化は単なるコスト削減や効率
化だけでなく、顧客体験の向上、
新たな価値創造、そして持続可能
なビジネスモデルの構築につなげ
ることが重要です。
(今回最終回です)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 10
新たなビジネスモデルの可能性
さらに、24時間営業などの柔軟な
営業形態を実現できるため、より
多くの顧客にリーチすることが可
能になります。加えて、デジタル
入店システムを通じて得られる顧
客データを活用することで、より
最適化されたサービス提供も促進
できるでしょう。こうした利点が、
古着ビジネスの本質的な価値と組
み合わさることで、新たなビジネ
スモデルの可能性が広がっている
のです。もちろん、課題も存在し
ます。例えば、顔認証やLINE登録
などのデジタル入店システムに対
する心理的ハードルやプライバシ
ーへの懸念、無人環境における商
品の安全性確保、従来の古着店が
持つ「人との出会い」という価値
の喪失などです。
(次回最終回です)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 9
古着ビジネスの価値を高める
このような古着ビジネスと無人化
には、一見すると相反する要素が
ありそうですが、実は高い親和性
があります。なぜなら、無人化に
よって得られるコスト削減と時間
的自由度の向上は、さまざまな形
で古着ビジネスの価値を高める可
能性を秘めているからです。まず、
レジ作業人件費の削減によって、
より多くのリソースを商品選定に
投入できるため、キュレーション
価値が強化されます。また、スタ
ッフの目を気にせず、ゆっくりと
商品を吟味できる環境を提供する
ことで、顧客体験も向上します。
品ぞろえによっては、専門知識の
あるスタッフにアドバイスを得た
いという要望があります。それを
かなえるためには、NOTIMEのよ
うなハイブリッド形態が有望かも
しれません。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 8
価値あるものを見抜く能力
古着店のビジネスモデルの核心は、
優れた目利き力に基づく仕入れに
あります。店主たちは海外からの
大量輸入品、国内の古着卸売業者、
生活者からの買取りなど、さまざ
まなルートから商品を確保します。
一見すると何の変哲もない古着の
中から価値あるものを見抜く能力
は、このビジネスの最も重要な資
産となっています。さらに近年重
要性を増しているのが、サステナ
ビリティ価値です。SHEINに代表さ
れる「ウルトラファストファッシ
ョン」は、毎日数千点もの新商品
を投入する、大量生産・大量消費
を前提としたビジネスモデルです。
それらが急成長するのと対照的に、
環境負荷の少ない消費選択肢として
古着への関心が高まっています。一
着の服を長く大切に着る文化は、限
りある地球資源への配慮と共鳴して
います。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 7
有人と無人の「ハイブリッド営業」
さらに興味深いのは、完全無人では
なく、有人と無人の「ハイブリッド
営業」を行っている点です。午前12
時から午後8時までは有人営業、午
後8時から翌午前12時までは無人営
業という形で24時間稼働を実現して
います。これにより、通常の営業時
間外でも古着を探せる新たな買い物
体験を提供しています。筆者が午前
11時過ぎに訪店した際には無人時間
帯でしたが、作業をしている店員の
方がいて、運良く無人の購買体験と
有人アドバイスの双方を体験できま
した。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 6
古着の聖地・下北に新たな古着屋誕生
そんな古着の聖地・下北沢に、2025年
4月、新たな古着店が誕生しました。N
ebraskaとAVENDが共同で開業した「N
OTIME 下北沢店」です。
NOTIMEの特徴は、STRAGE ZEROと
は異なるアプローチで無人化を実現
している点にあります。入店システ
ムとして顔認証ではなく、LINE公式
アカウントを友だち追加し、QRコー
ドをスキャンすることで入店できる
仕組みを採用しています。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 5
下北駅の地下化の再開発
古着文化の中心地といわれるのは、
東京都世田谷区の下北沢です。小
田急線と京王井の頭線が交差する
この街は、古くから若者文化の発
信地として知られてきました。そ
の中でも特に目を引くのが、驚異
的な密集度を誇る古着店の存在で
す。元々100店舗あった下北沢の
古着店はコロナ禍後の2023年に約
180 店舗に増えたそうです。実際
に下北沢の街を歩いてみると数メ
ートルから十数メートルに1 軒は
古着屋という様相で、何店舗も続
いている光景も珍しくありません
これだけ増えたのは、「開かずの
踏切」解消を目的にした駅の地
下化がきっかけでの再開発で、事
業者である小田急電鉄、世田谷区、
そして地域住民が「シモキタらし
さ」(演劇、音楽、古着店などが
混在する雑多な魅力)を生かした
街づくりを目指し、徹底的な対話
を重ねた結果ともいえます。結果
として、それらを目的に若者だけ
でなく、中高年や海外からのイン
バウンド客も来るようになってい
ます。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 4
呼び出し不要
の自動AIカメラシステムが採用
後日、初のフランチャイズ店舗で
ある青葉台店(横浜市)に行きま
した。ここで興味深いのは、店舗
によってシステムに進化が見られ
る点です。ウイングベイ小樽の店
舗では、未登録の場合は遠隔で人
を呼び出して会員登録をする必要
がありました。一方、横浜の青葉
台店や小樽の2号店などの比較的
小規模な店舗では、よりスムーズ
な入店を可能にする呼び出し不要
の自動AIカメラシステムが採用さ
れています。葉台店は2025 年2月
に開店し、小樽発のビジネスモデ
ルの全国展開における試金石とな
っています。私が 4月に訪問した
際、店舗は通りから一本入ったと
ころに位置しており、知らないと
見つけるのが少し難しいロケーシ
ョンでした。しかし、一度到着す
れば、最新の自動AIカメラシステ
ムにより、呼び出し不要でスムー
ズに入店できました。この洗練さ
れたシステムは、都市型店舗にお
ける利用のハードルを下げること
に貢献していると感じました。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 3
顔認証で入店・退店
ら始まります。ウイングベイの店舗
は完全会員制であり、最初にモニタ
ーを通じて遠隔地のスタッフを呼び
出し、その場で顔登録を行いました。
顔登録を行うと入店用ドアの鍵が開
く仕組みで、退店時と次回以降の入
店は顔認証でドアの鍵を開けること
ができます。実際に買い物をしてみ
ると、店員に声をかけられることが
ないので、商品だけを見ることに徐
々に集中していきました。80坪に約
4000点の商品があるので、見て回る
うちにかなりの時間が経っていまし
た。商品の金額タグは1100円から 1
万1000円までの10種類あり、セルフ
会計の際にタグを切ってボックスに
入れる仕組みです。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 連載 2
顔認証を必須とする無人古着店
STORAGE ZEROの最大の特徴は、入
退店に顔認証を必須とする無人古着
店という点です。通常の無人店舗で
見られるアプリ登録やパスワード入
力の手間を省き、「顔」そのものが
鍵となるスムーズな入退店システム
を採用しています。このシステム導
入の背景には単なる効率化以上の思
想があります。無人化によって運営
コストを抑え、多彩な品ぞろえと、
スタッフの目を気にせず自由に商品
を選べる空間を提供すること。そし
て、その自由さを支えるのが顔認証
による高度なセキュリティです。
実際、開店以来1年以上にわたり万
引き被害は報告されていないとのこ
とです。「セキュリティが安心感を
生む」という考え方が、このビジネ
スモデルの根幹となっています。
(次回に続く)
無人×古着ビジネス new
新たな可能性 新連載 Ⅰ
北海道の完全無人古着店
北海道小樽市のショッピングセンター
であるウイングベイを視察していた際
に、ショッピングモール2階の一角に
「STORAGE ZERO」という看板を掲げた
古着店を見つけました。一見すると普
通の古着店に見えましたが、入口付近
に設置された顔認証システムが目を引
きました。店内にはスタッフの姿がな
く、完全無人の古着店だったのです。
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