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飲食居抜きソムリエ  山田 茂  飲食を辞める始めるときのブログ                 

飲食店を希望を持って始めたり順調に多店舗化したり、内装設備に費用がかなり掛かります。その投資を回収できます。

6.サブリース事業 64

2025-09-09 08:47:49 | サブリース事業

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      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載  10
      デジタルツールへの投資も積極的

      Hy-Veeは、デジタルツールへの投資
      も積極的に行っています。オンライ
      ンワクチン予約システムの新機能に
      より、患者は複数のワクチンを 1 回
      の予約で迅速かつ容易に予約できる
      ようになりました。また、処方箋の
      前払い制度を導入し、患者がオンラ
      インまたはHy-Veeアプリを通じて事
      前に薬代金を支払えるようにしまし
      た。これにより、店舗での受け取り
      時間が大幅に短縮されています。
      さらに、新しいテキストメッセージ
      ツールを導入し、処方箋の状況通知
      や定期予防接種の期限通知を自動化。
      薬局スタッフは患者にオンデマンド
      メッセージを送信し、事前承認が必
      要な場合などの通知も可能になりま
      した。これらの取り組みは、服薬ア
      ドヒアランス(患者が治療方針に賛
      同し、積極的に治療を受けること)
      の向上と薬局スタッフの作業負荷軽
      減に貢献しています。
       さまざまな点で魅力的な企業ですが、
      ヘルスケアの優等生でもあるのです。
      (次回に続く)




      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   9
      サポートできる独自の立場に

      また、Hy-Veeは専門薬局サービスにも
      参入し、がんやクローン病などの高額
      医薬品を扱うことで収益性向上を図っ
      ています。2025年には、タフツ大学と
      共同で「Food is Medicine」プログラ
      ムのパイロット事業を開始。薬剤師
      と管理栄養士が連携し、食事療法と
      薬物療法を統合的に提供することで、
      地域の健康改善を目指しています。
       Hy-Vee社長のアーロン・ウィーズ氏
      は「食料品店と薬局を提供する当社
      は、地域社会において、人々の健康増
      進への道のりを支援し、関わり、サポ
      ートできる独自の立場にある」と述べ
      ています。
      (次回に続く)



      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   8

      モバイル薬局での
      災害支援も行うHy-Vee

      米中西部で約570店舗展開するHy-Vee(
      ハイビー)は、従業員所有の協同組合形
      式で運営される人気のスーパーマーケッ
      トチェーンであり、約半数の 275 店舗で
      薬局機能を持ちます。2024年には業界誌
      Drug Store Newsから「Pharmacy Innova
      tor of the Year」を受賞するなど、積極的
      な取り組みを多数行っています。


米中西部で約570店舗展開するHy-Vee(ハイビー)

      同社は、28台のモバイル薬局車両を運
      用しています。これらの車両は職場や
      地域イベントでの予防接種や健康診断
      を実施し、災害時には被災地域の薬局
      機能を代替する役割も果たしています。
      2024年のアイオワ州北西部での洪水災
      害時には、被災した地域薬局の代わり
      にモバイル薬局を派遣し、住民への処
      方薬供給を継続しました。
      (次回に続く)




      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   7

      Walmartの処方箋統合戦略

      本連載でたびたび取り上げる世界最大
      の小売企業Walmart(ウォルマート)
      も調剤に注力している代表的な企業で
      す。同社は全米で処方薬配送サービス
      を展開しています。
      Walmartは食品・日用品と処方箋医薬
      品を「同一注文・同一配送」で提供し
      ていいます。Walmartは顧客の利便性
      を優先し、「病気の子どもに薬とチキ
      ンスープ、加湿器を一緒に届ける」と
      いうユースケースを前面に打ち出して
      います。


Walmartは店舗やアプリの目立つ場所で、食品と処方箋薬の同時配送を
アピール(2025年6月30日、筆者撮影)

      4600店舗の薬局網を活用し、全米世
      帯の86%をカバーできる配送網は、
      同社の大きな強みとなっています。
      (次回に続く)




      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   6

      食品スーパーが調剤に注力する理由
      スーパーマーケットが調剤に注力す
      る1つ目の理由、それは来店頻度の
      優位性
です。

      食品スーパーは週に1~2回程度の来
      店が一般的ですが、ドラッグストア
      は月1~2回程度です。この差は顧客
      との接点機会の差となり、処方箋の
      受け取りついでに食品や日用品を購
      入する「ついで買い」効果が期待で
      きます。
      次に「食と健康の統合という新た
      な価値提案
です。
      健康志向の強い顧客層は高くても質
      の高い食品を購買する傾向が強く、
      ビタミンやサプリメントにもお金を
      かけます。店内に薬局があるという
      ことがサプリメントなどの相談やヘ
      ルスケアイメージ付けにも役立つわ
      けです。
      (次回に続く)




       米食品スーパー「薬局」強化   new
       そのヒント      連載   5
       何故 調剤薬局に積極的なのか

       食品スーパーマーケットとして世界1
       位のKrogerも同様に、2719店舗のう
       ち、2254店舗で調剤薬局を運営して
       おり、RITE AIDの処方箋を移管する
       ことで、食料品を安く買えるクーポ
       ン販促を行っていました。冒頭のRIT
       E AID Harbor Center店の処方箋記録
       移転先であるRalphsもKroger傘下の
       食品スーパーでWalgreen、CVSでも
       RITE AIDの患者移管をアピールする
       掲示物は多数ありましたが、大手食
       品スーパーのような強烈な販促策は
       ありませんでした。
       なぜ食品スーパーマーケットが調剤
       薬局ビジネスに積極的なのでしょう
       か。その背景には、複数の戦略的要
       因が存在します。
       (次回に続く)




       米食品スーパー「薬局」強化   new
       そのヒント      連載   4
       割引競争ではなく
       「地域のヘルスパートナー」

       同社はRITE AID顧客に対して、アプリ
       やサイトを経由した処方箋移管で  15
       ドルの食品割引クーポン( 75ドル以
       上購入時)を提供し、さらに5回の処
       方箋ごとに追加で最大 20 ドル割引を
       実施しています。処方箋医薬品と食品
       を一カ所で受け取れる利便性を前面に
       押し出し、単なる割引競争ではなく
       「地域のヘルスパートナー」としての
       位置付けを明確にし、薬剤師による健
       康相談や予防接種サービスも充実させ
       ています。
        CRMを導入し顧客データを活用してい
       るものの、店舗利用者への周知を含め
       たマーケティングの大部分は物理的に
       行われています。 


Albertsons Crenshaw & Martin Luther King店の店頭掲示
(2025年7月1日、筆者撮影)

      (次回に続く)


      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   3
      食品スーパー調剤部門併設強化      
      処方箋の引受先が、同じく米ドラッグ
      ストア大手であるCVSやWalgreens(企
      業名はWalgreen)の店舗ではなく、食
      品スーパーマーケット企業として世界
      最大であるKroger(クローガー)傘下
      のRalphsの調剤部門であるというのは、
      少なからず驚きでした。
      実は米国の大手スーパーマーケットで
      は、調剤併設店舗が増えています。筆
      者が2025年6月から7月に米国を小売視
      察で訪れた際にも、半数以上の食品ス
      ーパーやスーパーセンターで処方箋を
      受け付けていました。
      RITE AIDの処方箋を最も積極的に獲得
      しようとしていたのは、米第2位の食
      品スーパーであるAlbertsons(アルバ
      ートソンズ)でした。Albertsonsは、
      年商約790億ドル(約11.5兆円)、全米
      で2273店舗を展開し、約76%の1732
      店舗で調剤薬局を運営する巨大企業で
      す。
      (次回に続く)





      米食品スーパー「薬局」強化   new
      そのヒント      連載   2
      店頭に薬受け取り案内掲示あり

      米ドラッグストア大手RITE AIDの  2
      回目の破産に伴う店舗閉鎖について、
      本連載の前々回で書きました。
       この時に、店頭には「Ralphs Pharm
      acyにあなたの処方箋記録はあります。
      (したがって今後はこちらで薬を受け
      取ってください)」という掲示があり
      ました。


RITE AID Harbor Center店の掲示(2025年6月27日、筆者撮影)
                           

                      (次回に続く)


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6.サブリース 63

2025-08-26 08:42:06 | サブリース事業

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      米食品スーパー「薬局」強化  new
      そのヒント     新連載   Ⅰ

      日本であれば、ドラッグストアに併設
      されていることが多い調剤薬局。とこ
      ろが米国では、全く違う光景が広がっ
      ています。
       米国ではいま、食品スーパーに調剤薬
      局を併設する動きが加速しています。
      米ドラッグストア大手RITE AID(ライト
      ・エイド)が破綻し、その処方箋顧客
      獲得に最も積極的だったのは、同業のド
      ラッグストアでなく、Kroger(クローガ
      ー)やAlbertsons(アルバートソンズ)
      といった米大手の食品スーパーマーケ
      ットでした。
       なぜ、食品スーパーマーケットが調剤
       薬局ビジネスに積極的なのか――。そ
      の戦略的背景を探ると、日本の小売業
      にも参考となるビジネスのヒントが見
      えてきます。
      郡司昇 ITmedia
      (今回新連載です)




      広告にめがくらんだ    new
      Amazon     最終回    9
      顧客価値を最大化すること
       


7月11日現在は招待制でAmazon.com自身の販売品を
購入する機会がある。筆者のアマゾンアプリ
(US:Amazon.com設定)より

        デジタル変革の本質は、テクノロジー
        を活用して顧客価値を最大化する
こと
        です。広告プラットフォームとしての
        成功が、ECプラットフォームとしての
        価値を損なうようでは、それは変革で
        はなく退化と言わざるを得ません。
        Amazonがこのジレンマをどう解決し、
        再び「地球上で最もお客様を大切にす
        る企業」へと回帰できるのか。それに
        時間がかかるようであれば、代わりの
        信頼できるプラットフォームに逆転さ
        れることもあるでしょう。
        (今回最終回です)



 

        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載    8
        広告収入はサイドビジネス

        ――と書かれています。ここに広告収
        入を事業目的とすることは書かれてい
        ません。あくまでもサイドビジネスな
        のです。
        リテールメディアは確かにAmazonに
        おける重要な収益源となりました。し
        かし、それが本業の価値を毀損するよ
        うでは本末転倒です。Amazonは今一
        度、自社のミッションを見つめ直す時
        期に来ているのではないでしょうか。
        短期的な広告収入と引き換えに、長期
        的な顧客と任天堂のような優良なブラ
        ンドパートナーの信頼を失うことの代
        償は計り知れません。任天堂との一件
        は、その警鐘と捉えるべきでしょう。
        真の顧客第一主義とは、広告主で
        はなく、購入者の利益を最優先するこ
        と
に他なりません。
         (次回最終回です)




        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載    7
        戻れるか

        Amazonの公式サイトには今も次のよ
        うに書かれています。

     Amazonは4つの理念を指針としていま
     す。お客様を起点にすること、創造へ
     の情熱、優れた運営へのこだわり、
     そして長期的な発想です。Amazonは、
     地球上で最もお客様を大切にする企業、
     そして地球上で最高の雇用主となり、
     地球上で最も安全な職場を提供するこ
     とを目指しています。

        この言葉の後に、それを実現するサ
        ービスとして、

     カスタマーレビュー、1-Click注文、パ
     ーソナライズされたおすすめ商品機能、
     Amazonプライム、フルフィルメント
     by Amazon(FBA)、アマゾン ウェブ
     サービス(AWS)、Kindle ダイレクト
     ・パブリッシング、Kindle、Career
     Choice、Fire タブレット、Fire TV、
     Amazon Echo、Alexa、Just Walk Out
     technology、Amazon Studios、The
     Climate Pledgeなどは、Amazonが先
     駆けて提供している商品やサービス、
     取り組みです。
     (次回に続く)





        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載    6
        購買体験全体が劣化

        Amazonにおける偽物や粗悪品の問題
        は年々深刻化しています。高額な広告
        料を支払えるセラーは、たとえ品質に
        問題があっても簡単には排除されない
        という不信感が広がっています。検索
        結果の上位は広告枠で占められ、顧客
        は本当に良い商品を見つけることが困
        難になっています。レビューの信頼性
        も揺らぎ、購買体験全体が劣化してい
        るのです。
        世界のリテールメディア広告市場の急
        成長をAmazonが牽(けん)引してい
        ることは間違いありません。しかし、
        広告収入という甘い蜜に引き寄せられ、
        ECプラットフォームとしての根幹が揺
        らいでいる現状は、長期的な企業価値
        を毀損する
可能性があります。
        かつてAmazonの成功を支えてきたのは、
        豊富な品ぞろえと信頼できる購買体験
        でした。任天堂のような一流ブランド
        が離反する事態は、この問題の深刻さ
        を物語っています。
        (次回に続く)




        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載    5
        ECプラットフォームとして最も基
        本的な商慣行が疎かになる可能性

        米国のeコマース市場の約40%を支配
        するAmazonは、実際の購買データに
        基づく精緻な広告ターゲティングが可
        能で、これが他のプラットフォームに
        はない強みとなっています。
        しかし、その代償として何を失ってい
        るのでしょうか。
        任天堂の一件が示唆するのは、広告料
        を支払うサードパーティセラーを優遇
        するあまり、品質管理や価格統制とい
        ったECプラットフォームとして最も基
        本的な商慣行が疎かになっている可能
        性です。
        (次回に続く)





        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載   4
        深刻なジレンマももたらす

        なお、日本のリテールメディア広告市
        場は4692億円(2024年。前年比125%
        成長)です。EC事業者が4142億円、店
        舗事業中心の小売業が550億円という
        内訳です。 楽天などの大手ECプラット
        フォームを除くと、まだまだサイドビ
        ジネスとして成立するかどうかも不明
        な規模感です。しかしながら、いずれ
        売上高のなかで一定の無視できない規
        模になる企業においては、Amazonと
        同じジレンマが発生する可能性があり
        ます。利益率の高い広告事業の成長は
        Amazonを潤しました。しかしながら、
        深刻なジレンマももたらしています。
         もともとECプラットフォームとして「
        地球上で最も顧客中心の企業」を標榜
        してきた同社にとって、広告収入への
        依存度が高まることは、その理念との
        深刻な矛盾を生み出しています。
        (次回に続く)




        広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載   3
        リテールメディア広告市場では75.2%

        Amazonがいかにリテールメディア広
        告市場を支配しているかを数字で見て
        みましょう。
        2023年の米国リテールメディア広告市
        場では75.2%という圧倒的なシェアを
        占め、2位のWalmart Connectの10倍の
        規模を誇っています。まさにAmazon一
        強です。
        2025年のリテールメディア広告収入は
        693億ドル(約1兆400億円)に達する見
        込みです。わずか4年前の290億ドルから
        2倍以上に成長したことになります。こ
        の数字は、Amazonにとって広告事業が
        もはや「サイドビジネス」ではなく、
        収益の柱となっていることを示します。
        一方、競合のWalmartの広告事業収入は
        2024年度で約34億ドルにとどまり、そ
        の差は歴然としています。
        (次回に続く)




         広告にめがくらんだ    new
        Amazon      連載   2
        断絶が存在した

        転売屋であるサードパーティセラー
        が東南アジアなど他地域で安価に仕
        入れた本物の任天堂製品を、物価が
        高い米国のAmazon上で任天堂の希
        望小売価格を無視して販売していた
        ことにあります。メーカーが各市場
        に合わせて緻密に構築したグローバ
        ルな価格戦略を根底から覆し、ブラ
        ンドイメージと正規販売網の利益を
        損なうものです。両社は報道を否定
        していますが、Switch 2がWalmart、
        Target、Best Buyなど米国の主要小
        売店で正式な発売日から抽選や先着
        順で販売される中、Amazonだけが
        1カ月以上も取り残され、7月8日に
        ようやく「招待制」という名の厳格
        な管理下での販売を余儀なくされま
        した。この事実は、両社の間に深刻
        な断絶があったことを雄弁に物語っ
        ています。この一件が浮き彫りにし
        た、Amazonが抱える深刻な構造的
        問題を解説します。
        (次回に続く)



     
        広告にめがくらんだ    new
        Amazon     新連載   Ⅰ
        任天堂Amazonへの供給停止

        2025年6月、任天堂の新型ゲーム機
        「Switch 2」が発売されました。発売
        後わずか4日間で世界販売350万台と
        大人気です。
        しかし、この成功の裏で、世界最大
        のネット通販であるAmazon米国サ
        イトでは、正規の価格でその本体を
        手にすることができませんでした。
        この異例の事態は、単なる品薄や
        流通の混乱では説明がつきません。
        Bloomberg誌の報道によると、任天
        堂は、東南アジアから安価に仕入れ
        た製品を米国で転売するサードパー
        ティセラーをAmazonが野放しにし
        ていることに業を煮やし、同社への
        製品供給を停止したとのことです。
         問題の本質は、単なる高額転売と
        は異なります。
        郡司昇 ITmedia
        (今回新連載です)




       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略  最終回   11
       日本の小売業の最高のお手本

       長期的には、独自IPの開発も重要
       です。MINISOはすでに「PENPEN
       」や「Dundun Chicken」といった
       オリジナルIPを育成しており、将
       来的には100の中国発IPを世界に送
       り出すことを目指しています。IPの
       「利用者」からIPの「創造者」への
       転換を狙っているのでしょう。
       国内市場が縮小しつづける日本の小
       売業にとって、海外進出は大きな課
       題です。MINISOのIP戦略は、言語
       や文化の壁を越えて生活者と感情的
       なつながりを築く手法として、日本
       企業にとって大いに参考になると考
       えます。ローカルな強みを生かしな
       がら、グローバルに通用する感情価
       値を提供できるかどうかが、今後の
       成否を分けることになるのです。
       (今回最終回です)





       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略   連載   10
       IPとの連携による商品開発が注目

       次に、商品カテゴリーの戦略的な組
       み合わせです。
       必需品で集客し、感情訴求商品で収
       益性を高めるという仕組みは、多く
       の業態で応用可能です。また、店舗
       をただの販売場所ではなく、体験と
       発見の場として設計し、ソーシャル
       メディアでの拡散も意識した空間づ
       くりも重要な視点です。
       特に注目すべきは、IPとの連携によ
       る商品開発です。
       MINISOは単なる「ロゴ貼り付け」に
       とどまらず、IPの物語性やキャラクタ
       ーの個性を尊重した見た目が良く、
       楽しく、実用的な商品を開発してい
       ます。日本にも多くの魅力的なIPが
       ありますが、それを日常の雑貨に展
       開することで「楽しさ」を溶け込ま
       せる可能性はまだまだ開拓の余地が
       あります。
       (次回最終回です)




       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略   連載    9
       日本の小売業が学ぶべき要素

       MINISOのIP戦略には、日本の小売業
       が学ぶべき要素が数多くあります。
       まず、ブランドアイデンティティーの
       明確化です。
       自社の強みを再定義し、生活者との
       感情的なつながりを構築できるスト
       ーリーを持つことの重要性です。
       (次回に続く)




       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略   連載    8
       海外の成長が牽引役

       中国国内市場と海外市場の業績を比
       較すると、海外が成長の牽引役であ
       ることが明らかです。2024年度、中
       国本土における収益は前年比10.9%
       増だったのに対し、海外市場の収益
       は41.9%増でした。2021年から2024
       年にかけての海外収益の年平均成長
       率は40%を超えています。
       海外では中国国内よりも平均販売価
       格が高いため、収益性も高くなって
       います。この収益性の高い海外市場
       へのシフトが、グループ全体の利益
       率を押し上げる主要因です。
       国内需要が縮小し、物価が世界的に
       見て安くなっている日本の小売業が
       学ぶべき大きなポイントです。
       (次回に続く)




       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略   連載    7
       「必需品+選択的消費」

                       「興味主導の消費」は「必需品+選
                        択的消費」に分解できます。
                        日用必需品と、IPテーマの「非必需
                        品」を同じ買い物かごに入れること
                        で、顧客単価と全体の収益性を向上
                        させる狙いです。低価格の必需品で
                        集客し、店内で感情に訴えかけるIP
                        商品によって高単価商品をアップセ
                        ルする仕組みです。
                         MINISOの2024年度の収益は前年比
                        22.8%増の約170億人民元(約3400
                        億円。1人民元=20円計算)に達し、
                        粗利益率は過去最高の44.9%を記録
                        しました。CFOはこれをIP戦略と海
                        外市場の好業績によるものだと明言
                        しています。
                         (次回に続く)




       ディズニーともコラボ 中國 new
       雑貨のIP戦略   連載    6
       「興味主導の消費」を提唱

       MINISOの創業者である葉国富氏は
       「興味主導の消費」という概念を提
       唱しており、これが、同社のIP戦略
       の根幹をなしています。未来の消費
       は単なる機能的ニーズを満たすだけ
       でなく、消費者の感情的ニーズや自
       己表現欲求を満たすことによって動
       かされるという考え方です。IPは、
       特にZ世代との「感情的なつながり」
       を築くための強力な媒体となり、商
       品を購入する客を、ブランドと関係
       性を築くユーザーへと転換させるこ
       とを目指しています。現在、MINIS
       Oは、ハリー・ポッターやディズニ
       ー、サンリオ、バービー、ポケモン
       など、150以上の世界的に著名なIP
       と提携しています。IP商品の世界売
       り上げは100億人民元を超え、年間
       1万点以上の新IP商品が発売されて
       います。
       (次回に続く)




       ディズニーともコラボ 中國  new
       雑貨のIP戦略   連載     5
       グローバルポップカルチャに転換

       MINISOの成功の背景には、根本的な
       ブランドアイデンティティーの大転
       換があります。創業当初は日本人デ
       ザイナーとの共同設立という位置付
       けで「日本のデザイナーブランド」
       を前面に押し出していましたが、20
       22年8月には「誤ったブランドポジ
       ショニング」について公式に謝罪し、
       自社を「誇り高き中国ブランド」で
       あると宣言しました。この転換は、「
       国籍」というアイデンティティーから、
       ディズニーやサンリオといった国境を
       越えて普遍的に理解されるグローバル
       なポップカルチャーに置き換えるとい
       う戦略転換でした。2023年に正式発表
       された「世界をリードするIPデザイン
       リテールグループになる」という新た
       な目標は、過去の論争を乗り越えて新
       しいブランド物語を構築することに成
       功したのです。
       (次回に続く)




       ディズニーともコラボ 中國  new
       雑貨のIP戦略   連載     4
       コンテンツ活用する取り組みの最高峰

       この店舗を見て、1カ月ほどのポップア
       ップショップをディズニーが納得する
       クオリティーで出店できるMINISOの力
       に驚きました。店舗をコンテンツ活用
       する取り組みの最高峰だと思います。
       映画の公開に合わせることは、ディズ
       ニーにとっても宣伝効果が大きく、MI
       NISOにとっては最もSNSで話題になり
       やすいタイミングということで絶妙な
       マーケティングです。


MINISOのポップアップストア「Stitch Fluffy Pop-up」

       (次回に続く)


       ディズニーともコラボ 中國  new
       雑貨のIP戦略   連載     3
       SNS映えを狙ったMINISOの戦略

       筆者が訪れたシンガポール最大のショ
       ッピングセンター「VivoCity」では、
       ディズニー映画『リロ&スティッチ』
       に登場するキャラクター「スティッチ
       」をテーマにしたMINISOのポップア
       ップストア「Stitch Fluffy Pop-up」が
       開催されていました。映画の公開時期
       に合わせた展開で、約1カ月限定とい
       う短期出店ながら、店舗全体が“フォ
       トスポット”としてデザインされてお
       り、SNS映えを狙ったMINISOの戦略
       が端的に表れていました。

V

      VivoCityのMINISO店舗ではディズニー
      映画『リロ&スティッチ』の公開に合
      わせたポップアップストアが開かれて
      いた

      (次回に続く)


      ディズニーともコラボ 中國  new
      雑貨のIP戦略   連載     2
      相乗効果が鍵

      MINISOは収益の90%がオフライン店
      舗から生まれるため、店舗をソーシ
      ャルメディアでのエンゲージメント
      を生むランドマークとして設計する
      ことが重要だと認識しています。
      店舗での体験はブランドロイヤルテ
      ィーを高める一方で、ソーシャルメ
      ディアでのエンゲージメントはブラ
      ンド認知度と来店客数を増加させま
      す。オフラインとオンラインのチャ
      ネルを組み合わせることによる相乗
      効果が、ここで鍵となるのです。
      この戦略を実現するため、さまざま
      な店舗フォーマットを導入していま
      す。これには、没入型でシナリオに
      基づいたIP(※)コレクションスト
      ア「MINISO LAND」や、Z世代をタ
      ーゲットにした「MINISO FRIENDS」
      などが含まれます。
      (次回に続く)
      ※印IP:知的財産




      ディズニーともコラボ 中國  new
      雑貨のIP戦略  新連載     Ⅰ
      「MINISO」(メイソウ)から学ぶ

      以前も本連載で取り上げた、中国発の
      雑貨チェーン「MINISO」(メイソウ)
      が、世界各地で急速に存在感を高めて
      います。
      日本のユニクロに似た看板と、無印良
      品とDAISOを組み合わせたような店舗
      や商品デザインからスタートしたMIN
      ISO。現在はブランドアイデンティティ
      ーを大きく変化させ、グローバルに受
      け入れられる戦略で、Z世代を始めとし
      た多くの人々の心をつかんだ。
       MINISOは、6月に筆者が視察に行った
      シンガポールでも、さまざまなショッ
      ピングセンターや空港にテナントとし
      て出店していました。
       MINISOを見ていると、店舗そのものを
      「コンテンツ」であり、マーケティング
      資産だと捉える巧みな戦略が浮かび上
      がってきます。MINISOの戦略から、日
      本の小売業はどのようなことが学び取
       れるのか、解説していきます。


中国発雑貨の戦略から日本の小売りは何を学べるのか。MINISO
チャンギ空港店(2025年6月6日、筆者撮影、以下同)

      郡司昇 ITmedia
      (今回新連載です)


      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に  最終回 16
      余裕のあるうちに次の勝負

      「私たちは次々にシリーズ商品を
      投入し、面で売っています。決し
      て雪塩さんどだけで勝負している
      わけではありません。ただ、雪塩
      さんどという主力商品があるおか
      げで、裾野が広がっているのは確
      かです。そこを逃さず、2番手、3
      番手を投入しています」
       この戦略を、西里社長は相撲に例
      える。土俵際まで行った時に初め
      て頑張るのではなく、まだ余裕が
      ある段階で次の勝負を仕掛け、複
      数の主力商品を育てることが重要
      だというのだ。その多角的な戦略
      が奏功し、2025年3月期の売上高
      は51億7000万円、営業利益率は3
      4.5%という、同社初の驚異的な数
      字を達成する見込みだ。上述した
      ように、2024年には社名もパラダ
      イスプランから宮古島の雪塩へと
      変更し、新たなステージに向けて
      歩みを進めている。
      (今回最終回です)



      
      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に   連載 15
      一本足打法からの脱却

      菓子事業にかじを切った際に西里
      社長が意識したのは、「一本足打
      法」からの脱却だった。沖縄の菓
      子メーカーの中には、1つのヒッ
      ト商品に依存する企業が少なくな
      い。しかし、西里社長はそれを危
      険視している。
       「ちんすこうや紅いもタルトは人
      気ですが、それぞれの会社は一本
      足打法で、その次の商品がありま
      せん。そうした状況を、他山の石
      として見ていました」
       その考え方から、雪塩さんどに続
      くシリーズ商品として「雪塩ふぃ
      なん」(フィナンシェ)や「雪塩ぱ
      りん」(ゴーフレット)などを手掛
      け、2025年夏にはこれまで限定販
      売だった「雪塩らんぐ」(ラングド
      シャ)もレギュラー化していくと
      いう。さらに「雪塩ザクザク」と
      名付けたポテトスナックも、新た
      に発売したばかりだ。
      (次回最終回です)




      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に   連載 14
      ブランドの視認性と認知度高める

      もう1つは、2024年に那覇の中心
      街である国際通りを、雪塩ブルー
      に染める施策だ。
      「国際通りを雪塩ブルーでジャック
      するべく、商品を買っていない方
      にも紙袋を配るようにしました。
      そういった仕掛けや仕込みが、か
      なり効いていると思います。今で
      も飛行機に乗る時は、何人が袋を
      持っているのか数えてしまいます」
      こうしたビジュアル戦略は、紙袋
      という観光客にとっての実用的な
      価値と、広告効果という2つの側面
      で成功を収めている。デザイナー
      のアイデアと西里社長の決断力が、
      ブランドの視認性と認知度を高め
      ることに貢献しているのだ。
      (次回に続く)




      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に   連載 13
      「雪塩さんどDEダンス」の企画

      「紙袋も、売り場の展開も、商品
      開発も、すべてブルーの色調で統
      一しています。それにより、お客
      さまには同じシリーズのお菓子と
      して認知していただいています」
      雪塩さんどでは、これまで実施し
      てこなかった革新的なマーケティ
      ング戦略も展開した。その1つが、
      動画でのプロモーションだ。
      「ただCMを作るのではなく、CM
      に合わせて踊ってみたらおもしろ
      いだろうと思い、『雪塩さんどDE
      ダンス』という参加型の企画も実
      施しました。このように、販売促
      進のために、かなり新しいことに
      取り組みました」と話す。
      (次回に続く)



      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に   連載 12
      強烈な「雪塩ブルー」が相乗効果

      雪塩さんどの成功には、ブランディ
      ング戦略も大きく貢献している。特
      徴的なのは、「雪塩ブルー」と呼ば
      れる鮮やかな青のパッケージデザイ
      ンだ。今でこそ定着したものの、デ
      ザイナーから最初にデザイン案が上
      がってきた時は、西里社長も腰を抜
      かしたという。 「青は食べ物がおい
      しそうに見えない色なので、お菓子
      のイメージと結び付きづらいんです」
        そのため、最初は社内でも「鮮やか
      すぎるのでは」と賛否両論があった
      という。しかし、この目を引くブル
      ーのパッケージを前面に押し出した
      ブランディングが、シリーズ商品全
      体の相乗効果を生み出した。
      (次回に続く)




      「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
      料から菓子事業に   連載 11

      国際通り本店の開店で人気爆発

      しかし、「良い商品なので、コロナが
      明ければ売れるだろう」と信じた。
      そして、コロナ禍を乗り切ったタイ
      ミングで、販売戦略を変えていった。
       「引き合いが増えてきたので、卸売り
      を始めました。2022年は、ドン・キ
      ホーテのような、大量に仕入れて専
      用コーナーを作ってくれる店舗で限
      定的に販売していましたが、2023年
      から本格的に販路を広げていきまし
      た」また、コロナ禍で塩の専門店を
      いくつか閉じるとともに、一部を業
      態転換した。その1つが2023年10月
      に開業した「雪塩さんど 国際通り本
      店」だ。この専門ショップの開設が、
      雪塩さんどの人気爆発のきっかけと
      なった。現在は宮古空港や石垣島に
      も雪塩さんどのショップを設けてい
      る。
      (次回に続く)




       「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
       料から菓子事業に   連載 10
       大勝負に 新型コロナで赤字に

       そして2020年、大きな勝負に出よ
       うとした矢先に、新型コロナウイ
       ルスの感染拡大が起きた。


「雪塩ちんすこう」

     「商品の売れ行きは好調だったので、
     2020年の夏に勝負をかけようとした
     んです。ただ、ここで一気に攻めよ
     うと思った時に、コロナが……。大
     量の在庫を余らせて、大変な思いを
     しました」ECなどでさばこうとした
     ものの、限度があった。会社の業績
     も赤字に転落した。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載 9
     発売後、じわじわと人気を集める

     わじわと人気を集めていった。当
     時は直営店のみでの販売だったが、
     気が付くとリピーターが増えてい
     た。その頃の様子を、西里社長は
     こう語る。
     「発売直後は目立ちませんでしたが、
     感触は良かったんです。そして、あ
     る時からぐんぐん伸びました。特に
     プロモーションしたわけでもないの
     に、リピート買いが好調でした」西
     里社長は、雪塩さんどの売れ方が、
     2005年に発売したヒット商品「雪塩
     ちんすこう」と似ていると感じてい
     た。順調な滑り出しとなった雪塩さ
     んどは、発売から約1年後には強い
     手応えを感じるまでに成長していた。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載 8
     食べなければわからない

     雪塩さんどの開発には半年以上の
     歳月をかけ、毎週のように試食。
     具材を入れてみたり、食感を変え
     てみたり、味を変えてみたりと、
     工夫を重ねた。最終的なジャッジ
     をするのは、西里社長自身だった。
     「ゴーサインを出すには、当然食
     べないとダメ。セブン-イレブン
     の鈴木(敏文元会長兼CEO)さん
     の話ではないですが、やはり食べ
     なければ分からない。最終判断は、
     他人に任せてはいけないと思って
     います」
     この哲学と徹底が、雪塩さんどを
     はじめとする同社のヒット商品を
     支えている。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載 7
     余韻を塩で切るイメージ

     では、雪塩サンドはどのような着想
     から生まれたのだろうか。
     サンドというアイデア自体は、以前
     から菓子事業で協業していた寿製菓
     (鳥取県米子市)からの提案だった。
     しかし、味に関しては、西里社長の
     こだわりが強く反映された。
     「私たちが作る菓子には“理想の味”が
     あります。ボリュームがあり、濃厚
     かつリッチな味わいを持たせつつも、
     後味はすっきりと切れのいい感じに。
     一般的にリッチな味というのはすご
     く余韻が残るのですが、それを塩で
     切るイメージです」
     そうした理想型があり、そこから逆
     算して味を組み立てていったという。
     「『売れるためには、こういう味でな
     ければならない』というイメージが、
     私たちにはある。その味に近くなる
     と、売れるんです」と力を込める。
     (次回に続く)





     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載 6
     菓子事業の目玉として開発

     「お菓子なら万国共通で、おいしけ
     れば売れる。キャッチーなパッケ
     ージで販売し、味が本当に納得いく
     ものだったらいけるはず」
     こうして同社は、菓子メーカーとし
     ての新たな一面を強化する方向へと
     かじを切ったのである。
     もともと菓子も製造・販売していた
     ものの、主力はあくまでも調味料と
     しての雪塩だった。その中で、菓子
     事業をブラッシュアップし、その目
     玉として開発したのが、雪塩さんど
     だった。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載 5
     言葉がいらない商品・サービス

     実は、雪塩さんどが誕生した背景
     にあったのは、こうした既存ビジ
     ネスの行き詰まり感だった。西里
     社長は、「時代の変化とともに、
     自宅で料理する人が減りました。
     また、塩の専門店というのは、塩
     の魅力を言語化してお客さまに伝
     え、興味を持ってもらうというプ
     ロセスが必要なため、日本人によ
     る、日本人のための、日本のサー
     ビスだったのです」と、当時の状
     況を振り返る。
     日本における塩のマーケット縮小
     に加えて、海外からの観光客の増
     加が新たな課題として浮かび上が
     ってきた。
     「せっかく塩の楽しさ、おもしろ
     さを言語化して体系化していった
     のに、言葉が通じない、食文化が
     違う、そもそも興味を持ってない
     というお客さんが増えていきまし
     た」
     試行錯誤の末、西里社長が行き着
     いた答えが、「言葉がいらない商
     品・サービス」開発の必要性だっ
     た。
     (次回に続く)

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6.サブリース事業 62

2025-07-02 08:44:13 | サブリース事業

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     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載  4
     モンドセレクションでも最高金賞

     この独自の製品は、世界で最も多い
     種類(18種類)のミネラル成分があ
     る塩として、ギネス世界記録に認定
     された。その後、調味料としての高
     い品質が評価され、モンドセレクシ
     ョンでも最高金賞を受賞した。まろ
     やかな味わいと雪のような細かい粒
     子が特徴で、素材のうまみを引き出
     す塩として愛用者を増やしていった。


「雪塩」は会社名にもなった

     雪塩の魅力を広く伝えるため、同社
     は2004年に塩の専門店「塩屋(まー
     すやー)」をオープン。国内外から集
     めた750種類以上の塩を取り扱い、独
     自の「ソルトソムリエ」制度も設け、
     塩の魅力を伝えるというビジネスモ
     デルを構築した。宮古島には「雪塩
     ミュージアム」を製塩所に併設し、
     製造工程の見学や関連商品の販売を
     行っている。調味料メーカーとして
     確固たる地位を築き上げてきた。そ
     して2024年10月、創業30周年を機に
     現在の社名に変更したのである。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載  3
     粉雪のような塩

     宮古島の雪塩は、1994年7月にパラ
     ダイスプランとして創業。「みやこ
     パラダイス」という蝶々園を運営す
     るなど、観光関連事業でスタートし、
     2000年8月に製塩事業を立ち上げた。
     この時に生まれたのが「雪塩」だ。
     雪塩は、宮古島の地下にある海水を
     原料に作られる。サンゴ礁が隆起し
     てできた琉球石灰岩の地層を通して
     自然ろ過された地下海水をくみ上げ、
     特殊な製法で瞬時に水分を蒸発させ
     て製造する。この製法により、通常
     は取り除かれるマグネシウムなどの
     ニガリ分までを含んだ、ミネラル豊
     富な塩が生まれる。製塩機からサラ
     サラと落ちてくる塩の様子が、まる
     で粉雪のようだったことから雪塩と
     名付けられた。
     (次回に続く)




     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に   連載  2
     大ヒット年間販売額20億円

     製造・販売元は、宮古島の雪塩(沖
     縄県宮古島市)。調味料の「雪塩」で
     知られる企業である。2018年に発売
     された雪塩さんどは、コロナ禍を経
     て、近年売り上げが急速に伸びてい
     る。現在の年間販売額は約20億円と、
     ここ1年ほどで倍増。押しも押されも
     せぬ同社の看板商品となっている。
     今回は、この大ヒット商品を生み出
     した同社の西里長治社長をインタビ
     ュー。ブランド戦略と商品開発の舞
     台裏に迫った。
     (次回に続く)



     「雪塩」サンド大ヒット 調味 new
     料から菓子事業に 新連載  Ⅰ

     2024年の観光客数は966万8800人(
     前年比17%増)と、コロナ禍前の水
     準までほぼ戻ってきた沖縄県。近年、
     その沖縄のお土産事情に変化が起き
     ている。
     長らく「ちんすこう」や「紅いもタ
     ルト」が沖縄土産の定番だったが、
     それに取って代わるかのように、い
     つの間にか高い知名度を獲得したの
     が、「雪塩さんど」だ。コーンフレー
     クを練り込んだミルク風味のエアチ
     ョコをクッキーではさんだ、“甘じょ
     っぱさ”がクセになるお菓子である。
     鮮やかなブルーの紙袋を持つ観光客
     の姿は、今や沖縄ではすっかりおな
     じみの光景となった。


宮古島の雪塩による大ヒット商品「雪塩さんど」(筆者撮影、以下同)

         伏見学 ITmedia
                         (今回新連載です)



       小売りの未来は接客なし  new
       が当たり前に   最終回  6
       丸ごとロボット店舗

       それでは、この先どうなっていく
       のでしょうか。
       当然、ロボットがピックする商品
       を決めるためには、注文や在庫な
       どに関するシステムとの連動が必
       要になります。さらに未来を見据
       えると、注文されたものだけでは
       なく、過去の履歴などにもとづい
       て注文されそうなものを先読みし、
       事前に発送の準備をすることもで
       きるようになるかもしれません。
       また、注文状況によって棚の管理
       場所なども自動的に調整されるよ
       うになってくるでしょう。
       ここまで来ると、多くのシステム
       やロボット同士が連携し、店舗自
       体が情報化されたひとつのロボッ
       トシステムのように振る舞う「ま
       るごとロボット店舗」というよう
       な存在になります。高度な予測と
       配送の最適化により、注文する前
       に、欲しいものが手元にある、そ
       んなシーンが当たり前になるかも
       しれません。
       (今回最終回です)




       
       小売りの未来は接客なし  new
       が当たり前に   連載   5
       日本でもトライが始めっている


ロボットによる商品ピッキング(出典:KDDI)

     もちろん、日本でもトライは始まって
     います。KDDIは2022年に無人店舗の運
     営にロボットを導入し、実験を進めて
     います。この無人店舗では、デリバリ
     ーアプリから注文が入ると、ロボット
     が商品のピッキングから袋詰めまでを
     完全自動化で実施しています。バック
     ヤードを含めて50平米という小型のス
     ペースで、デリバリーとテークアウト
     の両方に対応できるようになっていま
     す。このようなテクノロジーの発展に
     より、省人化・コスト削減だけではな
     く、最短10分で商品を受け取れるなど
     ユーザー側にもメリットの大きいサー
     ビスも増えてきています。
     (次回に続く)




      小売りの未来は接客なし  new
      が当たり前に   連載   4
      米国など諸外国が先行

      どのタイプのトレンドでも、移動ロ
      ボットやピッキングロボットは欠か
      すことができません。注文に応じて、
      ロボットが倉庫内を自動で移動し、
      商品の棚から必要なアイテムを取り
      出し、梱包し、配送や受け渡しの準
      備をおこないます。これにより、従
      業員が手作業で商品を探す時間が大
      幅に削減され、受け取りの待ち時間
      が短縮されます。
      新しい小売トレンドにロボットを用
      いた取り組みはすでに続々と始まっ
      ています。小売におけるこのような
      取り組みは、米国などの諸外国のほ
      うが先行している印象です。ザラは
      2018年にBOPISを実現するための自
      動倉庫を導入し、アマゾンはダーク
      ストアを、ウォルマートはMFCをロ
      ボットも使いながら構築しているの
      です。
      (次回に続く)




       小売りの未来は接客なし  new
       が当たり前に   連載   3
       ダークストア

       ダークストアは、一般の顧客が直
       接訪れることができない、オンラ
       イン注文専用の倉庫型店舗のこと
       を指します。この店舗はオンライ
       ン販売の効率化を目的とし、在庫
       管理と配送の迅速化を実現してい
       ます。もちろん、ここでもロボッ
       ト技術が欠かせません。
       ダークストアは米国などの車社会
       との相性がよいと言われています
       が、より小さな地域で運用される
       のが、マイクロフルフィルメント
       センター(MFC)です。MFCは、
       都市部やショッピングモール内に
       設置される「小規模」な倉庫のこ
       とで、オンライン注文の迅速な処
       理を目的としています。これによ
       り、消費者への配送時間が大幅に
       短縮され、即日配送や翌日配送が
       可能になります。
       (次回に続く)




       小売りの未来は接客なし  new
       が当たり前に   連載   2
       消費者の利便性と店舗の運営効率

       みなさんのなかにもスターバック
       スやマクドナルドでモバイルオー
       ダーというかたちで体験したこと
       がある方も多いのではないでしょ
       うか。このトレンドは、消費者に
       とっての利便性と店舗側の運営効
       率を同時に向上させるものです。
       BOPISは米国を中心に家具小売の
       イケアなどから始まり、最近では
       小売のウォルマートなど食品へと
       普及し、消費者にとっても送料が
       掛からないというメリットもあり、
       2024年には米国の小売店舗の90%
       がBOPISを活用しているとも言わ
       れています。それに伴い、店舗内
       で効率的に商品をピックアップす
       るためのロボットシステムが導入
       されています。
       (次回に続く)




       小売りの未来は接客なし  new
       が当たり前に  新連載   Ⅰ
       小売業界 大変革中

       現代の小売業界は、テクノロジーの
       進化とともに大きな変革を遂げてい
       ます。そのなかでロボットのさらな
       る活用にも関係する3つのトレンド
       が「BOPIS」「ダークストア」「マイ
       クロフィルメントセンター」です。
       これらの新しい小売形態で、ロボッ
       ト技術はどのように活用されていく
       のでしょうか。
       BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)
       とは、その名の通り、消費者がオン
       ラインで商品を購入し、実店舗で商   
       品を受け取るサービスのことです。


飲食店でモバイルオーダーの導入が増えてきた(画像はイメージです。
出典:ゲッティイメージズ)

      安藤健 ITmedia
      (今回新連載です)

      イオンを凌駕ドラッグ  new
      ストア郊外覇者に 最終回 11
      新たな小売業を形成

      皮肉なことに、地方でイオンの存在
      感を上回ったドラッグストアの成功
      が、新たな形でイオンの地域におけ
      る影響力を一層強化することになる
      だろう。総合スーパーから小商圏型
      のドラッグストアへと、小売業の主
      役は変化してきた。そして今、ドラ
      ッグストアの成功を取り込む形で、
      イオンはより強固な地域小売グルー
      プとして進化を遂げている。総合ス
      ーパー、ドラッグストア、小型食品
      スーパーなどはそれぞれの利点を生
      かし、地域のニーズにきめ細かく対
      応する新たな小売業態を形成しつつ
      ある。
      (今回最終回です)




      イオンを凌駕ドラッグ  new
      ストア郊外覇者に  連載 10
      再編の動きが加速

      将来的な競争激化への懸念が高ま
      っているなか、ドラッグストア業
      界では再編の動きが加速している。
      その中心的な役割を果たしている
      のがイオンだ。2024年2月、イオ
      ンの子会社で業界首位のウエルシ
      アHDと、イオンが13.59%を保有
      する2位のツルハHDが経営統合を
      発表した。イオンはさらにツルハ
      株を追加取得し、グループ会社化
      する方針で、この統合により売上
      高2兆円超の巨大ドラッグストア
      グループが誕生する。この再編は
      単なる業界再編にとどまらない。
      小商圏で成立するドラッグストア
      の経営ノウハウと、イオンの多様
      な小売業態の運営力が融合するこ
      とで、より強固な地域密着型の小
      売グループが誕生する可能性を示
      唆している。
      (次回最終回です)




      イオンを凌駕ドラッグ  new
      ストア郊外覇者に  連載 9
      医療機関の周辺での立地に照準

      駒木伸比古氏の論文「愛知県にお
      けるドラッグストアの立地分析 
      チェーンにおける商圏特性の違い
      に注目して」(『経営総合科学』 1
      04)によると、愛知県の主要チェ
      ーンの店舗は、最低でも80%以上
      が医療施設から徒歩圏内(500メ
      ートル以内)に立地しているとい
      う。これは、各社が高齢化社会に
      おける地域医療拠点としての役割
      を意識した戦略を取っていること
      を示している。その結果、過当競
      争が指摘されるなかでも、業界は
      成長を続けている。特に調剤部門
      では、2015年度の7158億円から2
      023年度には1兆4025億円と、約2
      倍の成長を実現している。
      (次回に続く)




      イオンを凌駕ドラッグ  new
      ストア郊外覇者に  連載 8
      沿線2Kmに4店目開店

      一見、この状況は過当競争を引き
      起こしているように見える。例え
      ば、中日新聞 2023 年11月20日付
      電子版では、人口2万人に満たな
      い石川県羽咋(はくい)市の市道
      沿線約2キロメートルに4店舗目と
      なるドラッグストアの出店が決ま
      ったことを報じている。取材を通
      じて、新規参入するコスモス薬品
      は「商圏人口1万人でも成り立つ」
      と判断し、クスリのアオキは「生
      鮮食料品と処方せんで差別化でき
      る」、ゲンキーも「よい商品を提
      供することに変わりない」という
      コメントを掲載している。実際、
      過当競争に見えても、各社は収益
      を見込んでいる。
       (次回に続く)




      イオンを凌駕ドラッグ  new
      ストア郊外覇者に  連載 7

      近接出店戦略

      この流れのなかで、各チェーンは「総
      合業態」の店舗出店を加速させており、
      同一地域内に複数の店舗を集中的に出
      店する「近接出店戦略」を採用してい
      る。その多くは大型店だ。日本チェー
      ンドラッグストア協会の調査によると、
      2023年度の全国総店舗数2万3041店舗
      のうち、150坪以上300坪未満の大型店
      が全体の42.9%を占めている。この結果、
      かつての大型イオンに代わり、地方の
      風景にはドラッグストアが乱立するよ
      うになった。


調剤薬局を併設し、地域のヘルスケア拠点としての役割も。
写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

       (次回に続く)

       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に  連載 6
       食品も取り扱う総合業態へ進化

       2012年、クスリのアオキが一部店舗
       で生鮮食品の販売を開始した後、各
       社は青果や精肉、さらには鮮魚まで
       取り扱う店舗を展開している。2022
       年 3  月時点では、ドラッグストア上
       場企業 12  社中9社が生鮮食品を取り
       扱っている。
          さらに、一部の企業は地域のスーパ
        ーマーケットを買収し、食品販売の
       ノウハウを取得したり、生鮮食品をフ
       ルラインで取り扱う大型店舗を出店し
       たりするなど、「医薬品・化粧品の専
       門店
」から「食品も取り扱う総合業
       態
」への進化を遂げている。この業態
       転換により、特に地方ではドラッグス
       トアが日常の買い物の中心的な存在と
       なりつつある。
       (次回に続く)



       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に  連載 5
       注目は生鮮食品への参入

       重冨貴子氏の論文「ドラッグスト
       ア業態の動向と商品構成の変化、
       および、企業戦略の方向性―ドラ
       ッグストア業態の展望と課題―」
       (『流通情報』No.556)によると、
       2020年の売上構成比では、医薬品
       ・化粧品関連カテゴリーが市場規
       模の約半分(49.0%)を占めてお
       り、2012年以降は食品・酒カテゴ
       リーの構成比も増加し、2020年に
       は約3割(27.8%)に達している。
       食品分野への進出は、ドラッグス
       トア業態そのものを大きく変えつ
       つある。特に注目すべきは、従来
       スーパーマーケットの専門分野と
       されていた生鮮食品への参入だ。
       (次回に続く)


       
       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に  連載 4
       医薬品・化粧品で収益確保

       食品の粗利率は15.1%と、「コン
       ビニの半分以下」で、場合によ
       っては原価ギリギリや赤字覚悟
       で販売することもある。この戦
       略は一見非効率的に思えるが、
       実際には緻密な計算に基づいて
       いる。なぜなら、店舗に引き寄
       せた顧客に対して、医薬品や化
       粧品などの高利益率商品を提供
       することで、全体としての収益
       を確保
しているからだ。市販薬
       の場合、大手チェーンでは販売
       価格の60~70%が店舗の取り分
       となっている。また、化粧品の
       原価率は20%未満であり、非常
       に高い利益率を誇る。この収益
       構造によって、ドラッグストア
       は食品や日用品を安価で提供し
       ながらも、全体として高い収益
       性を実現している。
       (次回に続く)




       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に  連載  3
       「低原価率商品」「高利益率商品

       では、ドラッグストアはどのよう
       なビジネスモデルで急成長を遂げ
       たのか。一見すると、ドラッグス
       トアは薬や化粧品を専門に扱う小
       売店のように思える。しかし、そ
       れは過去の概念にすぎない。日野
       眞克氏の『ドラッグストア拡大史
       』(イースト新書 2021年)では、
       ドラッグストアの進化について次
       のように述べられている。
       日本でもっとも遅れて登場し、平
       成時代の後期に大成長した「総合
       業態」であるその成長を支えるの
       は、巧妙な収益構造だ。この構造
       は「低原価率商品」「高利益率商
       品
」――の組み合わせによって成
       り立っている。具体的には、日用
       品や食品を非常に低い利益率で提
       供することで、顧客を店舗に引き
       寄せている。
       (次回に続く)




       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に  連載  2
       イオンとドラッグ全体売上拮抗

       ドラッグストアは、郊外の幹線道
       路沿いや住宅街の入り口など、自
       動車でのアクセスが容易な場所に
       集中して出店する傾向がある。駐
       車場の完備率も極めて高い。その
       結果、近隣住民だけでなく、車で
       数キロ圏内からの来店客も取り込
       める。さらに、地方では公共交通
       の衰退が進み、高齢者や免許返納
       者の移動手段が限られている。こ
       うした状況に対応するため、多く
       のドラッグストアが調剤薬局を併
       設し、地域のヘルスケア拠点とし
       ての役割も果たすようになった。
       処方薬の受け取りに加え、食品や
       日用品の購入がワンストップで可
       能となり、「日常の移動距離を最
       小限に抑えたい」と考える消費者
       にとって、ますます欠かせない存
       在となっている。その影響力は、
       数字にも表れている。イオンの全
       国店舗数が1万7887カ所であるの
       に対し、ドラッグストアは381社
       2万3041店舗(日本チェーンドラ
       ッグストア協会、2023年度調査)
       にまで拡大。売上高では、イオン
       が9兆5535億円であるのに対し、
       ドラッグストア業界全体で9兆20
       22億円と、ほぼ肩を並べる規模に
       成長している。
        (次回に続く)



  
       イオンを凌駕ドラッグ  new
       ストア郊外覇者に 新連載  Ⅰ
       ドラッグストア存在感がある

       地方の風景と聞くと、多くの人が
       イオンを思い浮かべるだろう。し
       かし、実際に地方を巡ると、その
       イメージが誤りであることに気付
       く。現在、地方で最も存在感を放
       っているのは、乱立する「ドラッ
       グストア」だ。この変化は、地方
       のモビリティ環境の変遷と密接に
       関係している。かつて地方の買い
       物の中心は、駅前商店街や大型シ
       ョッピングモールだった。しかし、
       モータリゼーションの進展により、
       自家用車での移動が一般化し、広
       い駐車場を備えた郊外型店舗が支
       持されるようになった。その流れ
       のなかで、スーパーマーケットや
       ホームセンターと並び、ドラッグ
       ストアが新たな商業の主役として
        台頭した。
       昼間たかし Merkmal
        (今回新連載です)




       ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                      最終回      14
       まちへの愛着や再訪の循環へ

       ただ「泊まる」だけでは終わらな
       い。エスコンフィールド HOKKAI
       DOホテル 北広島駅前は、DXによ
       って業務の最適化を図るだけでな
       く、観光・ビジネス・地域住民の
       交流が自然に生まれる都市空間と
       して、宿泊体験そのものを拡張し
       ようとしている。
       AIを活用した宿泊需要予測による
       レベニュー・マネジメントの高度
       化や人員配置の最適化など、ホテ
       ル運営の中枢を担うsuitebookは、
       単なる効率化ではなく、地域と人
       がつながる余白を生み出すための
       インフラだ。今回のJR北広島駅前
       の再開発の事例は、「まち」と「
       ひと」の関係性を深く構築する複
       合施設の在り方を提示している。
       地域への滞在が人の流れを生み、
       まちへの愛着や再訪の循環を生み
       出していく。その連鎖が、新たな
       まちの価値を創出していくのだ。
       (今回最終回です)




       ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                            連載      13
       地域活性化の可能性に期待

       北海道には、野球やサッカー、バス
       ケットボール、バレーボール、ゴル
       フ、ウインタースポーツなど年間を
       通して楽しめるコンテンツがあるこ
       とにも触れて杉谷氏は「北広島市を
       拠点に、札幌市にも行くことができ
       て、新千歳空港からも近い。そうし
       た地域の特性を生かしながら、あら
       ゆるスポーツとSQUEEZEさんの取り
       組みを掛け合わせて、さまざまな可
       能性が広がっていくと思います」と、
       地域活性化の可能性に期待を寄せて
       いる。


撮影:佐藤 匡倫

      (次回最終回です)


      ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                            連載  12
      人とのつながり”と“未来への挑戦

      地域との橋渡し役として、SQUEEZE
      の取り組みに加わっているのが、元
      北海道日本ハムファイターズの選手
      でZENSHIN CONNECT代表の杉谷拳
      士氏だ。SQUEEZEのアンバサダーと
      して活動する杉谷氏は、自身が率い
      るZENSHIN CONNECTとのパートナ
      ーシップを通じて、スポーツと宿泊、
      そして地域をつなぐ共創の推進力と
      なっている。杉谷氏は「地域や北海
      道のみなさんと一緒になって、地域
      の子どもたちに北海道をより一層好
      きになってもえるようなイベントや
      トークショーなどを企画できればと
      思っています。選手の時に、人との
      つながりに支えられてここまで来る
      ことができました。その“人とのつな
      がり”と“未来への挑戦”をキーワード
      に、子どもたちと一緒に未来へつな
      げていくことが、僕の使命なのかな
      と思っています」と自身の思いを語
      る。
      (次回に続く)




      ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                            連載  11
      複合性が北広島市の魅力に

      同施設の2階の「キタヒロ・フードホー
      ル横丁」や3階の「テラスアベニュー」
      などの共用空間は、地域連携の舞台と
      しても活用が期待されている。地域に
      根ざし、地域と共につくる商業施設と
      ホテル。その複合的な魅力が、北広島
      市の新たな顔となりつつある。


出典:日本エスコン プレスリリース

      (次回に続く)



      ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                            連載  10
      お客さまの声をもとに改善を重ねる

       「オープニング・セレモニーでは、
      地元の中学生や高校生の吹奏楽部に
      演奏してもらいました。今後も発表
      会やミニコンサートなど、地元の学
      生さんたちにどんどん使ってもらい
      たいと思っています。ホテルは開業
      された時点で完成された施設とは捉
      えておらず、お客さまの声をもとに
      改善を重ね、満足いただける施設に
      成長させていきたいです」(加藤氏)
      「地元の行政の方々との連携は非常
      に密に取らせていただいています。
      また、地元のお店にテナントとして
      入っていただいたり、地域の商店の
      方とイベントを一緒に企画したりす
      るなど、地域住民、行政、事業者の
      三者で地域を盛り上げていくことが
      重要だと考えています」(加藤氏)
      (次回に続く)




       ホテル経営にAIは不可欠  new
                                                             連載  9
       13階建施設、地域コミュニティ・
       町の活性化への貢献目指す

       エスコンフィールドHOKKAIDOホテ
       北広島駅前は、日本エスコンが手掛
       ける複合交流拠点施設の中核を担う
       施設として、地域と共に成長してい
       くことを目指している。ホテルが入
       る13階建ての施設は、4階以上がホ
       テル、1~3階には地域密着型ショッ
       ピングセンター「tonarie(トナリエ
        )北広島」が展開されており、JR北
       広島駅と歩行者デッキで直結。道産
       の食材を楽しめる飲食店や、北海道
       日本ハムファイターズと連動した空
       間演出が施されるなど、地域住民か
       ら観光客まで幅広い層に親しまれる
       施設となっている。 「トナリエ」ブ
       ランドは、“まちに寄り添いながら、
       まちと発展していく。いつもあなた
       の暮らしのとなりへ。”というコンセ
       プトのもと、全国で展開されており、
       今回が11施設目となる。日本エスコ
       ングループがこれまでに培ってきた
       商業施設の開発・運営ノウハウを生
       かし、地域のコミュニティづくりや、
       まちの活性化への貢献を目指してい
       る。
       (次回に続く)




       ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    8
       この場所で開業する意義

       舘林氏は「訪れる人々がボールパークだ
       けでなく、まち全体、特に駅前にも足を
       運ぶようにすることが大切だと考えてい
       ます。ビジネスからファミリーまで幅広
       い層が利用できるホテルが駅前にあるこ
       とで、滞在時間や日数が延び、道内外の
       人々が地域と深く関わる機会が生まれま
       す。ゲスト、観光客、地元の方々が飲食
       や宿泊を通じて交流する場となることで、
       まちに賑わいが生まれ、訪れた人がこの
       まちに愛着を持ち、再訪や移住につなが
       る。それこそが、この場所で開業する意
       義だと考えています」と語る。


出典:SQUEEZE

        (次回に続く)
 
        
        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    7
        特別な滞在体験ができる演出

        特別な滞在体験ができる演出として、
        同ホテルの11階には、北海道日本ハム
        ファイターズの世界観を体感できる「
        ファイターズフロア」が設けられてい
        る。チームカラーをモチーフにした客
        室のほか、サイン入りユニフォームや
        球団の歴史を振り返る写真ギャラリー、
        限定アートが廊下に展示されており、
        野球ファンにとっても特別な時間を過
        ごせるようになっている。さらに、ホ
        テル内には貸し切りサウナやコワーキ
        ングスペース、会議室、エスコンフィ
        ールドHOKKAIDOの球場や周囲の山々
        を一望できる屋上など宿泊者のニーズ
        に応える設備が整えられている。
        (次回に続く)




        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    6
        地域とのつながりを生み出す場

        スポーツがまちの魅力を高める中核
        となっている北広島市において、交
        流と滞在の拠点として新たに誕生し
        たのが「エスコンフィールドHOKK
        AIDOホテル 北広島駅前」だ。同ホ
        テルは、スポーツ観戦や観光はもち
        ろん、ビジネスや教育、イベントな    
        ど多様な目的で訪れる人々に、  “滞
        在”を通じて地域とのつながりを生
        み出す場づくりに取り組んでいる。
        ホテルの運営を手掛けるのは、テク
        ノロジーとリアルオペレーションの
        両面から観光DXを支援するSQUEEZ
        E。同ホテルでは、北海道初となる
        交通系ICカードをルームキーとして
        利用できるSuicaスマートロック
        やセルフチェックイン・チェックア
        ウトが可能であることに加え、前述
        したsuitebookを導入している。
        (次回に続く)




        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    5
        より柔軟で持続可能な経営モデルへ

        さらに自社システムが担うAI活用の
        意義について「しっかりとしたフォ
        ーキャスト(業績目標管理)ができ
        れば、適切な人員配置や価格調整が
        可能となります。これはまさにレベ
        ニュー・マネジメントの領域であり、
        suitebookはその中核を担っています。
        宿泊予約は24時間動いている一方、
        収益や価格調整の担当者は、24時間
        は対応できません。人では対応でき
        ない時間にもAIが自動調整してくれ
        ることで、収益性の向上にもつなが
        ります」と話す。ホテル運営におけ
        るオペレーションの自動化と最適化
        が進むことで、サービス品質の向上
        と収益構造の強化が現場で着実に実
        現されつつある。SQUEEZEが目指す
        DXの姿は、単なる効率化にとどまら
        ず、テクノロジーを起点にホテル運
        営全体の質を高め、より柔軟で持続
        可能な経営モデルへと発展している。
        (次回に続く)



        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    4
        ホテル業界AIの伸びしろある

        suitebookは、従来型のシステムの枠
        を超え、宿泊者の利用状況から運営
        コストを計算しながら、価格設定や
        業務運営を変動させ、収益を最大化
        させるレベニュー・マネジメントか
        らフロント業務、人員配置まで、AI
        を活用して一元的に運用できるシス
        テムだ。舘林CEOは「ホテル運営は、
        基本的に需要予報から始まります。
        滞在人数や日数によって運営体制も
        変わってくるからです。飲食業や小
        売業では、例えば、雨の日には客足
        が減るといった需要予測が、AIによ
        ってかなりの精度で活用されていま
        す。ただホテル業界には、まだその
        領域に伸びしろがあると思っていま
        す」と語る。
        (次回に続く)


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6.サブリース事業 61

2025-05-19 08:43:40 | サブリース事業

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        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    3
        “宿泊”の概念を再構築

        一方、杉谷氏は「選手時代に多くの
        方々に支えられた経験から、人との
        つながりの大切さと未来への挑戦を
        キーワードに地域と子どもたちとと
        もに新たな価値をつくっていきたい
        」と述べた。
        舘林氏・加藤氏・杉谷氏の単独イン
        タビューを通じて、テクノロジーと
        共創の力で“宿泊”の概念を再構築し
        ようとする取り組みと、地域と連動
        して価値を創出する新たなまちづく
        りについて探る。
        (次回に続く)




        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                             連載    2
        AIを活用した一元管理

        自社開発のクラウド型宿泊管理システ
        ム「suitebook」は、ホテルの利用状
        況により、価格やサービスを変動させ、
        収益を最大化させるレベニュー・マネ
        ジメントからフロント業務、人員配置
        の最適化まで、AIを活用した一元管理
        ホテル開業に向けたプロジェクトでは、
        都市再開発を推進する日本エスコンや、
        北海道日本ハムファイターズの元選手
        で、ZENSHIN CONNECT(札幌市)代
        表の杉谷拳士氏も参画している。
           地域・行政・企業が一体となった共創
        を目指す中で、日本エスコン上席執行
        役員の加藤嘉朗氏は「ホテルは開業さ
        れた時点で完成された施設とは捉えて
        おらず、お客さまの声をもとに改善を
        重ね、満足いただける施設に成長させ
        ていきたい」と語る。
        (次回に続)




        ホテル経営にAIは不可欠   new
                                                            新連載    Ⅰ
        泊まる場所から価値を見出す拠点に

        宿泊施設は、泊まる場所から、地域と
        人をつなぎ、まちの価値を創出する拠
        点へと進化している──。
        スポーツを軸にした新しいまちづくり
        が進む地域として注目されているのが、
        北海道日本ハムファイターズの本拠地
        「エスコンフィールドHOKKAIDO」が
        あることで知られる北海道北広島市だ。
        3月、JR北広島駅前に「エスコンフィー
        ルドHOKKAIDOホテル 北広島駅前
」が
        開業した。駅直結という好立地で、単
        なる宿泊施設にとどまらず、観光・ビ
        ジネス・地域交流を融合させた新たな
        地域拠点としての期待が高まっている。
         ホテル運営を担うのは、宿泊業界のD
        Xを先導する株式会社SQUEEZE(北海
        道北広島市)。代表取締役CEOの舘林
        真一氏は、「北広島市が、スタジアムな
        どのスポーツ施設のハード面の整備と、
        それを活用した地域交流・観光・運営
        体制といった“仕組み”の両面から、ス
        ポーツを軸にしたまちづくりを進めて
        います。当社は、特にその“仕組み”づ
        くり、つまり運営のデジタル化を担っ
        ています」と語る。
        佐藤匡倫 ITmedia
        (今夏に新連載です)




        Ⅰ斤3000円の食パン   new
        を売る方法    最終回  14
        おはようございます

        やっぱり「おはようございます!」
        だろう、と五十鈴さんは考えました。
        でも、これだけではお客さまに「面
        白そう」と思わせることはできない
        かもしれません。そこで「!」の部
        分をロゴやイラストに置き換えてみ
        ることにしました。しかしプロのす
        ばらしいイラストでは「手づくり」
        感や誠意が、お客さまに伝わりづら
        いのではないだろうか。そう考えた
        五十鈴さんは「超ナチュラルオーガ
        ニック食パン」の似顔絵を息子に描
        かせて、それをロゴのように用いる
        ことにしました。息子は、なんとも
        味わいのある、ほほえましいイラス
        トを描いてくれました。
        (今回最終回です)




        Ⅰ斤3000円の食パン   new
        を売る方法     連載 13
        バスケットも考えておく

        という3つのフレームを考えました。こ
        れを考えておけば、店内のPOPやチラシ、
        あるいはWebページを作成する際に、お
        客さまに対し、一貫したアプローチをと
        ることができます。
         バスケットも考えておきましょう。バス
        ケットの役割とは「コミュニケーション
        をとる準備ができていますよ」と相手に
        意思表示することでした。 「超ナチュラ
        ルオーガニック食パン」なら、お客さま
        にどんなバスケットを広げるでしょうか?

       バスケット

        相手を好きになり、コミュニケーションを交わし
          たいと願い、そして何か役に立てることはないか、
          役に立ちたいなあと考え、まず自分から胸襟を開
          けることを「バスケットを差し出す」といいます。
          バスケットとはカゴのこと。まず自分が空のバス
          ケットを相手に差し出して「受け入れる用意があ
          りますよ」と意思表示するのです。
          本書冒頭で私は「はじめまして」と述べました。
          目指したい自己紹介では「こんにちは」が皮切り
          の言葉でした。これがバスケットです。

        (次回最終回です)


        Ⅰ斤3000円の食パン   new
        を売る方法     連載 12

        58秒間の「超ナチュラルオーガニ
        ック食パン」紹介

        食べたお客さまはみなさん、おい
        しいというより感動ですね、と言
        ってくださいます。最初は息子を    
        喜ばせたい一心で始めたパンづく
        りですが、多くの仲間と家族の協
        力に支えられて、ついにこの味へ
        と、たどりつくことができました。
        一番味わっていただきたいのは、
        仕事、家庭生活、プライベート……
        全部がんばったみなさんです。だ
        けど、がんばれなかったみなさん
        にも、日曜の朝だけは、こころも
        体もほっとしてほしい。そんな思
        いで素材を選び、生地を練り、窯
        の炎を見つめました。
        店主のまごころはもちろん、小麦
        や酵母、バターや砂糖の生産農家
        のみなさんの誠心誠意がこの一斤
        に込められています。誰も、どこ
        でも経験したことのない、とって
        おきのパンです。
        (次回に続く)




       Ⅰ斤3000円の食パン   new
       を売る方法     連載 11

       3つのフレームワークで自己紹介

       最後に、五十鈴さんは3つのフレ
       ームに落とし込むことにしまし
       た。自己紹介の3つのフレームは
       「5秒間の自己紹介」「18秒間の自
       己紹介」「58秒間の自己紹介」で
       した。

       5秒間の「超ナチュラルオーガニ
       ック食パン」紹介

       日曜の、とっておきの朝に食べて
       ほしい。そんな思いを込めて、私
       たちは、このパンを作りました。

       18秒間の「超ナチュラルオーガ
       ニック食パン」紹介

       仕事。家庭生活。プライベート。
       いろいろあったひと月をよく乗り
       きりましたね。そんながんばった
       みなさんに、日曜の朝だけはほっ
       としてほしい。そんな思いで作っ
       たパンです。店主のまごころはも
       ちろん、小麦や酵母、バターや砂
       糖の生産農家のみなさんの誠心誠
       意が、ふっくらと焼き上がってい
       ます。誰も経験したことのない、
       とっておきです。
       (次回に続く)





       Ⅰ斤3000円の食パン   new
       を売る方法     連載 10

       次に考えたのは雰囲気づくり
       
       これまでは、オーガニックパン
       に対する自分自身の熱い思いを
       前面に打ち出し、食の安全安心
       に対する意識の向上を啓蒙する
       ような張り紙を壁一面に貼って
       いました。ナショナルブランド
       のパンをこきおろすような文面
       のチラシまでありました。
        しかし、作成した円グラフから
       考えてみると、批判や啓蒙では
       なく、楽しみや喜びといった点
       を強調した雰囲気をパンに漂わ
       せることが必要だと考えました。
        そこで商品名や包装から始まり、
       店内の内装についても再検討し
       てみることにしました。再検討
       にあたっては、自分だけで考え
       るのではなく、夫や息子、同業
       の仲間、生産農家から、意見を
       聞いたり、サポートを求めたり、
       その分野にくわしい人物を紹介
       してもらうように心掛けました。
       というのは、自分一人で決めて
       いくと、どうしても従来のこだ
       わりが前に出てしまうと考えた
       からです。
       (次回に続く)




       Ⅰ斤3000円の食パン   new
       を売る方法     連載  9
       2つのアウトプット

       例えば、五十鈴さんは同級生が
       言った「ゆったりした日曜の朝
       に食べたい味だわ」という一言
       を思い出しました。そういえば
       と、五十鈴さんは再調査をした
       際に、月に一度、日曜の朝に特
       売日を設けているパン屋があり
       、近隣の人たちが楽しみにして
       いるという証言があったはずで
       す。彼女はここから、2つのアウ
       トプットがひらめきました。
        1つは「超ナチュラルオーガニ
       ック食パン」のキャッチコピー
       です。「日曜の朝にだけ食べてほ
       しいとっておきのパン」なんて
       いいかもしれません。
        もう1つは特売日の設定です。パ
       ンは焼き立てが一番おいしいはず
       です。そこで「超ナチュラルオー
       ガニック食パン」の発売日を月に
       一度、日曜の朝だけに限定しては
       どうだろうかと考えたのです。家
       に持ち帰ってすぐに食べてもらえ
       ば、お客さまにこのパンのおいし
       さを120%受け止めてもらえるの
       ではないだろうか。そして、日曜
       の朝が楽しみになれば、「ドキド
       キ」も満たすことができる。さら
       に月に一度なら、値段が高くても
       納得してもらえるのではないか、
       と五十鈴さんは思いました。
       (次回に続く)



       Ⅰ斤3000円の食パン   new
       を売る方法     連載  8
       アイスブレイクを考える

       通常なら、さらに理屈を考えたり、
       戦略を練ったりするかもしれませ
       ん。しかし、ここまでの作業で、
       理屈やストーリーは十分に練られ
       ています。そこで次は、お客さま
       との距離を縮めるアイスブレイク
       をまず考えてみましょう。
       アイスブレイクは「こんにちは」
       「はじめまして」のようなもので
       した。では、商品が発する「こ
       んにちは」「はじめまして」はど
       んなものか? ちょっとむずか
       しそうですね   
       ここで大切なのは直感です。ス
       テップ1で集めたさまざまな情
       報やステップ2で組み立てた理
       屈の中から、ふと目にとまった
       変わった出来事、面白い発想に
       注目してみてください。
       (次回に続く)


     
       Ⅰ斤3000円の食パン    new
       を売る方法     連載   7

       それでは、円グラフにしていきまし
       ょう。

       この円グラフが、 「超ナチュラルオ
       ーガニック食パン」を売り出すため
       の基本的な考え方となります。広告
       宣伝はもとより、値付けや販売方法
       も、この考え方をもとに発想してい
       くようにしましょう。ここから「相
       手(お客さま)に面白そうと思わせ
       る四大要素」である「論理」「スト
       ーリー 」「ドキドキ」「信頼」を満た
       すような手段を考えていきましょう。
       (次回に続く)




       Ⅰ斤3000円の食パン    new
       を売る方法     連載   6
       自己紹介トレーニング

       さて、ここでもう一度、自己紹介ト
       レーニングを思い出してください。
       自己紹介トレーニングでは、アウト
       プットの目的を(相手/お客さまに
       )理解させ、納得させ、行動させる
       ──ことだと紹介しました。そのた
       めには、何が言いたいのかぱっと分
       かるように、主張を4つの部分に分
       けることが大切だと述べました。こ
       こでも、あの時のやり方を応用して
       みましょう。

       導入
       一般的には、名前や仕事、年齢や
       住んでいる場所など、相手があな
       たを理解するために基礎となるデ
       ータを述べます。

       テーマ
        お客さまに対して主張したいこと
        を述べます。

         アピール
              商品の長所、自慢したいことを述
             べます。

       まとめ
        全体をまとめるのではなく、 「
       テーマ」や「アピール」でとくに
       念押ししたいポイントを述べます。
       (次回に続く)




          Ⅰ斤3000円の食パン    new
       を売る方法     連載   5
       伝わること とお客さまの立場

       でも売り上げは芳しくありません。
       周囲からは高い値段設定が敬遠さ
       れたのだと言われます。でも私は
       このパンには、それだけの金額を
       払う価値があると自負しています。
       この価値をお客さまに伝えたい。
       何だかこれは、私の使命のような
       気がしていたのです。
       しかし振り返ってみると、私の思
       いが強すぎて押しつけがましくな
       っていたのですね。お客さまがパ
       ン屋に求めているのは、えらそう
       な理屈じゃなく、息子が「おいし
       いね」と笑ってくれたような「食
       を楽しむ体験」だったのだと思い
       ます。
       だから私は、「超ナチュラルオー
       ガニック食パン」を「お客さまに
       食を通じて、貴重な体験をしても
       らうためのパン」だと考えるよう
       にしました。お客さまの立場で考
       えると、そう考えるほうが、私の
       思いが伝わる気がしたからです。
        五十鈴さんの思いがはち切れそう
       です。しかし最初と異なるのは、
       自分のこだわりだけでなく、「伝
       わること」と「お客さまの立場」
       を考えるようになった点です。
       格段の進歩が見られます。
         さて次はアウトプットです。
       (次回に続く)

 




       Ⅰ斤3000円の食パン    new
       を売る方法     連載   4   

       五十鈴さんは念のため、これを文章
       化してみることにしました。文章を
       つづるのが得意ではないという人は、
       無理に実践する必要はありません。

       私がパンづくりを始めたきっかけは、
       息子の病気です。息子はスポーツ好
       きの食いしん坊で、もちろんパンも
       大好きでした。でも病気をきっかけ
       にスポーツを止め、元気もなくなっ
       てきたのです。成績も落ちる一方だ
       し、食も細くなってしまいました。
       そんな息子を励まそうと、私と夫は
       おいしい食べ物を探し歩きます。そ
       して最後に行き着いたのが自分で焼
       いた手づくりパンだったのです。息
       子が『おいしいね』と言って、パン
       をわしづかみにして食べてくれた時
       の感動は忘れられません。
         このパンをきっかけに息子は元気を
       取り戻しました。私も体にいいパン、
       心を元気にするパンを焼くことを生
       きがいに感じるようになりました。
       そのうちパンづくりの仲間たちや、
       材料を提供してくれる農家さんたち
       の影響で、オーガニックパンにのめ
       り込み、お店を開きました。そして、
       もっとみんなにパンのすばらしさを
       知ってほしい、健康について考え、
       安心安全な食生活を送ってほしいと
       いう思いを込めて、究極の食パン
       「超ナチュラルオーガニック食パン
       」を完成させました。
       (次回に続く)




      Ⅰ斤3000円の食パン     new
      を売る方法     連載    3   
      食を楽しむを伝えるこを再認識

      しかし元はと言えば、パンづくりは、パ
      ン好きの息子を喜ばせるために始めたこ
      とでした。まさに「食を楽しむ」です。
      安心や安全は「食を楽しむ」ことの要素
      の1つにすぎないはずでした。五十鈴さ
      んは、オーガニックパンの勉強にのめり
      込むうちに、それを忘れてしまっていた
      ことに気付きました。そしてギャップは
      ここにあるのではないかと思いました。
      つまり課題は、「『超ナチュラルオーガニ
      ック食パン』が『食を楽しむ』ものであ
      ることを、お客さまに伝える」ではない
      かと、五十鈴さんは結論づけました。


写真はイメージ、ゲッティイメージズより

     (次回に続く)


     Ⅰ斤3000円の食パン     new
     を売る方法     連載   2

 

    「仮説」を立て、ニーズと現実の
      ギャップを見つける

      次は課題の発見です。この仮説と「超
      ナチュラルオーガニック食パン」のリ
      ソースのギャップを見つけるのです。
      「超ナチュラルオーガニック食パン」
      はおいしさという点ではお客さまの楽
      しみを満足させることができていると
      考えました。息子にも同級生にも評判
      だったからです。そのうえ、安心安全
      もクリアしています。五十鈴さんは自
      信がありました。その自信ゆえ、まじ
      めなパンづくりのアピールに専念し、
      包装や商品説明には気を配りませんで
      した。それどころか、他社の商品を非
      難するチラシを作成して「超ナチュラ
      ルオーガニック食パン」に同封するな
      ども実施していました。支持するお客
      さまもいましたが「食を楽しむ」から
      は程遠い状態でした。
      (次回に続く)




      Ⅰ斤3000円の食パン     new
      を売る方法    新連載   Ⅰ

      一年前にパン屋を開業した日野五十鈴
      さんは「超ナチュラルオーガニック食
      パン」を一斤3000円で売り出しました。
      折からの高級食パンブームに乗ろうと
      いう目論見(もくろみ)です。でも売
      れゆきが芳しくありません。売り上げ
      を向上させるために、五十鈴さんは「
      お客さまのニーズ」「超ナチュラルオー
      ガニック食パンのリソース」を言語化
      してきました。
       まずは仮説の設定です。五十鈴さんは
       「超ナチュラルオーガニック食パン」
      の隠れたニーズ「もっと食を楽しみた
      い」に注目しました。そこで「『超ナチ
      ュラルオーガニック食パン』が、お客
      さまの健康以外の楽しみにもつながれ
      ば、売り上げは伸びる」と仮説を立て
      ました。
      日野眞明 ITmedia
                      (今回新連載です)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  最終回    9
      国内シェア50%海外市場の開拓がカギ

      キユーピーはマヨネーズの国内シェア
      で約50%を占めている。同社が今後も
      発展するためには、海外市場の開拓が
      カギだ。海外展開となると、その国独
      自の食文化があり嗜好も国によって異
      なる。新しいブランディングによって、
      さまざまな食の風味がある海外の顧客
      を獲得できるかどうか。卵黄を生かし
      たキユーピー マヨネーズの味を、それ
      ぞれの国といかに調整できるかが今後
      のポイントとなってくる。

      (今回最終回です)

      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載    8
      多様化の中若い世代を取り込む
      マヨネーズの主な原料は、卵、植
      物性油、酢で、シンプルな成分か
      ら作られている。その中で高宮社
      長は「モノづくりの心を忘れずに
      」、新しい分野にも挑戦しようとし
      ている。確かにマヨネーズを使う
      メニューは、単にサラダだけでな
      く、お好み焼きや大ヒットとなっ
      たコンビニおにぎりへの利用など、
      多様化が急速に進んでいる。今後
      は若い層をいかに取り込んでいく
      かが重要だ。
      (次回最終回です)


      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載    7
      失敗を恐れず常に挑戦

      国内で進む人手不足については「IT
      やテクノロジーの活用は絶対に必要
      だ」と話す。「人がやる仕事と、ITや
      ロボットに任せる仕事を使い分けら
      れるようになると、(仕事の内容が)
      大幅に変わる可能性がある。まだま
      だこれからだが、積極的に進めてい
      きたい」経営信条については「人は
      誉められて伸びる。私が研究所にい
      たころに、当時の社長に『これいい
      ね』と本気で開発していた商品を誉
      めてもらい、それ以来、仕事にやる
      気が出た経験がある。なので、社員
      に対しては、常に誉めるように心掛
      けている」と述べた。マネジメント
      については「失敗を恐れずに挑戦し
      て、具体的に動くこと」をモットー
      にしているという。
      (次回最終回です)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載    6
      製品開発に磨きをかける

      マヨネーズはカロリーが高いため、
      糖尿病などカロリーが気になる人
      にとっては多くを摂取できない。
      このため、キユーピーではカロリ
      ーを従来の半分にしたマヨネーズ
      の「ハーフ」を販売してきた。20
      11年には、カロリーを75%カット
      した「ライト」を発売。2017年に
      は80%カットした「ライト」も売
      り出している。使用する植物油の
      粒をこれまでの半分に細かくし、
      少ない量でもコクを感じやすくす
      るなど改良を加えたという。高宮
      社長は「それぞれの消費者に対応
      したものを出している」と話す。
      引き続き製品開発に磨きをかける
      決意を示した。
      (次回に続く)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載    5
      マヨネーズ国内海外30年に半々に

      鶏卵については、鳥インフルが広
      がり始めた2023年ごろから調達ル
      ートの分散化に取り組んでいる。
      鶏卵加工商品のうち冷凍品の在庫
      を増やすなどして、供給を維持で
      きる体制も整えているという。キ
      ユーピーの海外生産について高宮
      社長は「現在7カ国で生産してい
      るが、それぞれの国で需要が伸び
      て、マヨネーズを作り切れない状
      態になっています。このため、今
      年はタイ、インドネシア、米国の
      3カ所で一斉に新しい工場を稼働
      させる」と話す。生産体制を拡充
      する構えだ。市販用市場を統括す
      る濱崎伸也常務によれば「現在、
      キユーピーグループでは海外の売
      り上げは 2 割ほど。マヨネーズだ
      けでみると国内が600億円、海外
      が500億円と年々海外が増えてき
      ている。2030年代の半ばには国
      内と海外の割合が半々になって
      くるのではないかと予想してい
      る」という。
      (次回に続く)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載    4
      知恵を出し安定的な調達を目指す

      メッセージの使い方については、ネ
      ットを中心としたデジタル動画広告
      などで使っていく計画で、14カ国で
      順次流していくという。
      (2)の社会課題への取り組みについ
      ては、子どもの居場所づくり活動を
      している団体への助成、学校菜園や
      学校給食など子どもの笑顔づくりに
      かかわる活動も継続して支援してい
      く考えを示した。キユーピー マヨネ
      ーズを安定的に生産販売するために、
      より良い原材料の調達に努めてきた。
      高宮社長は「地球温暖化の影響もあ
      って植物油など原料の確保が難しく
      なってきている。卵についても鳥イ
      ンフルエンザの拡大により厳しい情
      勢になってきており、今後は知恵を
      出しながら安定的な調達を目指して
      いきたい」と話す。
      (次回に続く)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載   3
      世界統一「KEWPIE IT.」

      キユーピー マヨネーズ発売100周
      年に合わせ、同社が掲げたスロー
      ガンは「still in progr始めとした製
      品の改良を続けてきた。これから
      の100年に向けての課題として高宮
      社長は
      (1)日本だけでなく世界の食卓に
       必要な調味料として、食と健康
       に貢献する、
      (2)さまざまな社会課題に取り組
       んでいく――の2点を挙げた。

      「卵黄タイプのキユーピー マヨネー
      ズは、世界の調味料とベストマッチ
      が可能になった。世界でも親しみや
      すい調味料を目指すため、この春か
      ら世界統一ブランディングを実施す
      る」と話す。そのブランディングの
      メッセージは「KEWPIE IT.」に決め
      た。キユーピー マヨネーズをかけ
      ることで出会える新しい食体験を表
      現したものだ。この統一ブランディ
      ングの下で、アジアや欧米市場に積
      極的にマヨネーズを中心に売り込ん
      でいきたい方針だ。
      (次回に続く)




      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」  連載   2
      各国の様々な料理と相性がいい

      その上で「キユーピー マヨネーズは
      日本の料理だけでなく、各国のさま
      ざまな料理との相性が良く、名脇役
      として認められてきている」と話す。
      高宮社長に今後の展望をインタビュ
      ーした。


高宮満(たかみや・みつる)1987年に東京水産大学(現、東京海
洋大学)院修了後、同年にキユーピーに入社。2012年に研究開発
本部長、15年にマーケティング本部長などを経て、19年に上席執
行役員、22年2月から社長。東京都出身。63歳
       (次回に続く)



      キューピーが「海外展開を new
      加速した真意」 新連載   Ⅰ

      キユーピーが、海外展開を加速さ
      せる。2月28日に東京・六本木で
      開いたキユーピー マヨネーズ100
      周年の記念イベントで、高宮満社
      長(高は、はしごだか)は「これ
      までの100年はモノづくりの心を
      大事にしてきた。今後はマヨネー
      ズの活躍の場を日本からグローバ
      ルに広げていきたい」と意気込み
      を見せた。2024年11月時点で、7
      9の国と地域にキユーピー マヨネ
      ーズを届けていて、11カ国に販売
      拠点を持つ。高宮社長は「生産拠
      点も7カ国に広げていて、この生
      産販売の動きを加速化させたい」
      と述べ、海外展開を積極的に進め
      る方針を表明。その理由として「
      世界的な日本食ブームとインバウ
      ンドの増加」を挙げた。
      中西 享 ITmedia
      (今回新連載です)




      インドで日本小売業が成功 new
      する条件    最終回   12
      MINISOから学ぶ点は大きい

      また、SKUを絞り込むことで管理
      やコストを最適化しながら、定期
      的に新商品を投入して集客力を高
      めることができます。日本の小売
      業がインド市場をはじめとする海
      外で成功するためには、厳格な外
      資規制の中でのフランチャイズモ
      デル活用や商品ローカライズの徹
      底など、複数の要素を組み合わせ
      た戦略が欠かせません。国内市場
      が縮小しつづける日本の小売業に
      とって、海外進出は大きな課題で
      す。MINISOの海外進出にも適応し
      やすいビジネスモデルから日本企
      業が学ぶ点は大きいと考えます。
      (今回最終回です)




      インドで日本小売業が成功 new
      する条件     連載   11
      MINISO手法規制柔軟展開可能か

      また、現地パートナーはインド特
      有の流通インフラや商慣習を熟知
      しており、店舗開発や商品のロー
      カライズにおいて大きなアドバン
      テージを発揮します。こうしたMI
      NISOの手法は、日本の製造小売企
      業が従来から持つ「低コストと高
      効率の追求」という強みにも通じ
      るものがありますが、それを海外
      規制下でも柔軟に展開できるかど
      うかが成否を分けます。MINISOの
      ように、店舗の運営リスクや在庫
      リスクの配分を工夫すれば、投資
      負担を抑えつつ短期間で多店舗展
      開することが可能になります。
      (次回最終回です)




      インドで日本小売業が成功 new
      する条件     連載   10
      FCモデルで規制リスク軽減

      このフランチャイズモデルは、現地
      企業が店舗運営の当事者となるため、
      インド政府から見ても外資企業では
      なくローカル企業としての活動が評
      価されやすく、規制リスクを軽減で
      きる利点があります。とりわけ厳し 
      い外資出資比率や投資要件が課され
      る場合でも、実質的には本部が在庫
      や商品政策を統括しながら、運営面
      では現地パートナーが主導する形を
      とることで、外資規制を回避・緩和
      しやすくなるわけです。
      (次回に続く)




      インドで日本小売業が成功 new
      する条件     連載   9
      MINISO(メイソウ)から学ぶ

      前回のコラムで述べたとおり、現在
      世界中に出店を進めている中国発の
      生活雑貨チェーンMINISO(メイソ
      ウ)は「フランチャイズモデルの進
      化形」ともいえる投資パートナーシ
      ップモデルを活用し、在庫リスクを
      本部が負担することで、各地域の現
      地法人パートナーが店舗運営に専念
      できる体制を築いています。
       さらにSKU(商品管理単位)を約30
      00点に限定することでサプライチェ
      ーンの効率を高め、常に新商品を投
      入してリピーターを呼び込むサイク
      ルを確立してきました。これは輸入
      規制の厳しいインドであっても高速
      に出店を続けられる背景の一つです。


MINISOは「フランチャイズモデルの進化形」ともいえる投資
パートナーシップモデルを活用し出店を加速させている(20
24年10月インド Vega City Mallにて筆者撮影)

     (次回に続く)


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6.サブリース事業 61

2025-03-31 08:42:11 | サブリース事業

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              ックナんばー2

     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載   8
     インドでの生産比率は現状1%程度

     大創産業(DAISO)は「国内市場の
     飽和や少子高齢化」を受け、海外出
     店を次の成長戦略の柱と位置付けて
     います。日本で100円の商品を、イ
     ンドでは99ルピー(約180円)から
     販売するなど、現地通貨や購買力に
     合わせた価格戦略を採用しています。
     一方で、インドでの生産比率は現状
     1%程度にとどまり、多くの商品は
     依然として中国での調達に依存して
     います。しかし、インドでの生産拡
     大を模索することで輸入規制・関税
     の影響を低減し、店舗網の拡大を下
     支えしようとしています。
     (次回に続く)




     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載   7
     DAISO複数ブランドで厳しい規制

     インドの規制では「単一ブランド」
     とみなされるためには、販売する商
     品が単一ブランドに限定されていて、
     商品のブランド名は国際的に使用し
     ている同一ブランド名であり、製造
     工程で付与することといった基準を
     満たす必要があります。しかしDAIS
     Oの場合、100円ショップの業態上、
     いわゆる複数ブランドの商品を多数
     取りそろえる形態です。結果として、
     インド規制上は「複数ブランド小売」
     に区分され、外資出資比率や最低投
     資額など、より厳しいハードルを越
     えなければならなくなります。
     (次回に続く)



     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載   6
     規制制限の対応例

     一方で、複数ブランドの商品を扱
     う小売業の参入については、外資
     出資比率が51%までに制限されて
     いるうえに、インドへの高額なイ
     ンフラ投資の義務に加えて、調達
     や出店にも厳しい要件が課せられ
     ています。このように規制が厳格
     な複数ブランド小売では、米Wal
     mart(ウォルマート)が現地の有
     力企業と合弁会社を設立してまず
     は卸売業として参入したように、
     さまざまな迂回策がとられる例も
     見られます。DAISOは日本国内で
     展開する際と同様、店舗で扱う商
     品のカテゴリーが幅広く、独自ブ
     ランドだけでなく有名メーカー品
     などの他社ブランドも含めた多様
     な商品を販売しています。
     (次回に続く)




     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載   5
     サイズのローカライズ

     宗教的理由で菜食主義者の多いイ
     ンドですが、タンパク質の摂取が
     少なく糖質・脂質が多い食事であ
     るため、実際に筋肉が少なく下腹
     の出ている人を経済発展が目覚ま
     しい都市部では多く見かけます。
     サイズのラインアップという点で
     もローカライズがされているわけ
     です。一方、RFIDを活用したセル
     フレジなどの基本的な仕組みは国
     を問わずに共通です。アプリやEC
     サイトなどオンラインで注文して
     店舗で受け取るBOPISサービスも
     日本同様に利用することができま
     す。オンライン決済と店舗セルフ
     レジのいずれもUPIが主要な決済
     手段となっています。
     (次回に続く)



     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載    4
     ユニクロインドオリジナル商品多い

     筆者は2024年10月にインドへ視察に
     赴きましたが、実際にユニクロの店
     舗に行ってみると、インドオリジナ
     ルの商品が多く目に留まりました。
     規制への対応と同時に、現地の気候
     に合わせたレーヨン生地の開襟シャ
     ツなどニーズに合わせた商品開発が
     されている印象でした。また、イン
     ド人の平均身長は日本人よりやや低
     いのですが、XXLサイズまで店頭在
     庫があったことが印象的でした。実
     は、インドの女性肥満率は1990年の
     1.2%から2022年には9.8%に、男性
     は0.5%から5.4%に増加しています。
     なお、日本の成人肥満率は先進国で
     最も低く約4.5%です。
     (次回に続く)




     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載    3
     ユニクロ、黒字化達成

     外資の出資比率が51%を超える場合に
     は製品調達額の30%をインド国内から
     調達することが義務づけられていまし
     たが、2019年8月に10%まで引き下げ
     られました。インドでの生産品の20%
     を国外に輸出するという条件はありま
     すが、このタイミングでユニクロは、
     単一ブランド小売のインド進出が拡大
     し、順調に業績を拡大してすでに黒字
     化を達成しています。


ユニクロは単一ブランド小売のインド進出が拡大し、すでに
黒字化を達成している(2024年10月 インド・デリー、
Nexus Select CityWalkにて筆者撮影)

     (次回に続く)

     インドで日本小売業が成功 new
     する条件     連載    2
     外資規制とは

     インドの外資規制は、主に「単一ブ
     ランド小売」(Single Brand Retail)
     と「複数ブランド小売」(Multi Br
     and Retail)――という2つの区分に
     分けられ、それぞれ投資比率や調達
     義務、インフラ投資要件などが異な
     る形で定められています。単一ブラ
     ンド小売に該当する場合は、国際的
     に使用しているブランド名と同一で
     あることが条件となり、外資出資比
     率100%が認められる仕組みが特徴
     です。具体的にはIKEAやH&M、ユ
     ニクロなどが該当します。
     (次回に続く)





      インドで日本小売業が成功 new
      する条件    新連載    1
      外資規制が厳しいインド

      インドは人口14億人を超える世界一
      の巨大市場として、多くの海外企業
      が進出を狙う魅力的な国です。一方
      で、国内産業保護や雇用創出を目的
      とした外資規制が厳しく、参入のハ
      ードルが高いことでも知られていま
      す。インドのように規制が厳しい海
      外市場において、日本の小売業が成
      功する上で参考になるのが、前回の
      コラムで紹介した中国発の生活雑貨
      チェーンMINISO(メイソウ)のビ
      ジネスモデルです。MINISOは現在、
      インドや米国など世界中で店舗出店
      を加速させています。
      郡司昇 ITmedia
      (今回新連載です)




       AI人材投資 売上3000億円    new
       SHIFT 社長  最終回   13
      決断が3000億円企業へ早期実現か

      これらにより、SHIFT3000では、昨
      年達成したSHIFT1000と比較して、
      売上総比率を32.5%から38.0%に、
      営業利益率を10.0%から22.0%へ向
      上、一方の販売管理比率を22.5%か
      ら16.0%へ減少させることを見込む。
      丹下社長は、「AIと人は共存共栄。
      人を増やすよりもAIによってできる
      ことを増やすことによって、人間の
      能力をより拡張しよう思っている」
      と話す。そして、社内AIエンジニア
      の数を現在の約50人から500人へと
      増強する。これによって企業のAIネ
      イティブ化を進める方針だ。人材投
      資をAI人材にシフトしていくことで、
      成長を最大化していく。この思い切
      った丹下社長の決断が、3000億円企
      業の早期実現につながるのかどうか、
      注目だろう。
      (今回最終回です)




       AI人材投資 売上3000億円    new
       SHIFT 社長   連載   12
      「効果を上げ採用数倍増」テーマ

      「効果を上げ採用数倍増」のテーマ
      では、採用プロセスにAIを組み込み
      効率化するほか、AIによって個人に
      寄り添い、人材の流入と定着を最大
      化させる。これによって、同じ人事
      件数で採用を2500人規模から5000人
      規模に倍増し、退職率も9.0%から7.
      0%に減少させる。SHIFTの業務の一
      環である、人材紹介や人事コンサル
      の領域における知見の顧客への提供
      事業も進める。「効率を上げ運用業
      務減、戦略業務増」では、定常系業
      務の徹底的効率化による戦略重視と、
      AIによって言語の壁を乗り越える海
      外アプローチ強化を狙う。これによ
      り、社内の単純な管理業務などをAI
      に転化し、その分の人材を戦略部門
      へと充てる。監査コストの半減や海
      外アプローチの強化も進める。
      (次回最終回です)


      
      AI人材投資 売上3000億円    new
      SHIFT 社長   連載   11
      質の向上・提案件数・見積件数増へ

      「顧客ニーズへのマッチング精度ア
      ップ」では、アポ取りから提案、見
      積もりの自動化のほか、サービスと
      顧客課題のマッチングもAIエージェ
      ントが実行する。これにより提案精
      度の向上や、1人あたり提案件数、
      見積件数の倍増を目標とした。ロイ
      ヤルカスタマーの顧客単価も、月
      1158万円から2000万円への42万円
      アップを見込む。「1人あたりの案
      件数拡大」では、従業員の教育や
      付加価値の向上や、AI徹底活用に
      よる生産性と案件対応力の向上が
      実現できるとしている。これによ
      りコンサル1人あたり複数案件の同
      時遂行や、連結エンジニア単価が月
      86万円から110万円に増え、従業員
      の教育速度の向上も期待している。
      (次回に続く)




      AI人材投資 売上3000億円    new
      SHIFT 社長   連載   10
      AIエージェントの活用の4つ

      同社ではAIエージェントの活用により
     「顧客ニーズへのマッチング精度アップ」
     「1人あたりの案件数拡大」「効果を上げ
      採用数倍増」「効率を上げ運用業務減、
      戦略業務増」の4つを想定している。


AI関連の技術開発の取り組み

      (次回に続く)


      AI人材投資 売上3000億円   new
      SHIFT 社長   連載   9
      AIエージェントの構築を徹底

      SHIFTは、2026年度から2027年
      度の短期計画を「SHIFT2000」、
      2028年度から2030年度の中期計
      画を「SHIFT3000」と掲げてい
      る。この2000と3000の数字が表
      しているのは年間売上高(億円)
      だ。2024年度までの目標として
      標榜していた「SHIFT1000」、売
      上高1000億円はすでに達成した。
      2030年度までに3000億円の売り
      上げを達成するにあたって特に
      重視している指標が、販売管理
      比率と営業利益率だ。特にSHIFT
      3000に向けては、AIエージェン
      トの構築を徹底して進め、積極
      的に活用していくことで、実現
      していく方針だという。
      (次回に続く)




      AI人材投資 売上3000億円   new
      SHIFT 社長   連載   8
      採用も自動的に構造化して出力

      このAIエージェントと言うべきAIの
      「革命」によって、SHIFTは営業・
      人事部門を中心に活用を進めていく
      構えだ。例えば採用においても、応
      募者の書類は、職務経歴書だけでな
      く、履歴書もフォーマットが画一的
      ではない。そのため、人事が標準化
      し数値化していく上では、人事が事
      前に決めた評価軸に構造化する必要
      がある。この作業は、前もって細か
      く評価基準を取り決めていたとして
      も、個々人の主観がどうしても入っ
      てしまう。そのため画一的なものに
      なりにくいという問題点があった。
      ところが、同社が2週間あまりで開
      発した、AIを活用した人事における
      分析ツールを使えば、応募者の職務
      経歴書や履歴書のデータをAIに渡す
      だけで、事前に決めた人事評価軸に
      よって自動的に構造化して出力して
      くれる。これこそが、AIエージェン
      ト時代を見据えた生成AI活用といえ
      るだろう。
      (次回に続く)




      AI人材投資 売上3000億円   new
      SHIFT 社長   連載   7

      営業・人事の業務に“革命”

      これまでの生成AIは、漫画や小説な
      どの創作物の生成や、法律や医療な
      ど、既に構造化されている専門分野
      で強みを発揮してきた。しかし最近
      の生成AIの進化によって、それ以外
      の人事や営業といった業務への活用
      も現実的になったのだ。「例えば僕
      ら役員陣が求職者へのスカウトメー
      ルを直接書けるのなら当然、精度が
      高いものを作れます。しかし当社に
      いる400人の人事が個別でスカウト
      メールを書いた場合、この精度には
      ばらつきが出てしまいます。そこで
      400人の知識を集めて、標準化する
      必要があるわけですが、400人のノ
      ウハウの体系化はとても大変です。
      しかしこれが今後は、生成AIによっ
      て自動化できてしまう。これがAIの
      『革命』です」(丹下社長)
      (次回に続く)




      AI人材投資 売上3000億円   new
      SHIFT 社長   連載   6
      標準化も投げ入れるだけ
      これが『AI革命』

      「自分が20代の頃、コンサルタントと
      して大手製造業の標準化を担当してき
      ました。標準化によって、職人さんの
      技術や材質など、組織の力を最大化し
      ようとしていました。これにはチーム
      となって標準化していくわけですが、
      その会社の社長が変わってしまうと、
      しばしば標準化のチームも変わってし
      まいます。これによって、標準化チー
      ムの形骸化が起こり、標準書を作れな
      かった経験をさんざんしました」
      (丹下社長)
      しかし生成AIの進化によって、この作
      業を自動でやってくれるようになった
      のだ。「LLMが標準化を自動化したこ
      とによって、標準化チームに指示を出
      して、現場からこういう数字を集めろ、
      などと言わなくてよくなったのです。
      要求仕様書が構造化されていなくても、
      生成AIを活用したツールに投げ入れて
      いくだけで、あとは自動的に構造化し
      てくれる。これが『AI革命』なんです」
      (丹下社長)


SHIFTはAIエージェントへの開発を高度化

     (次回に続く)


     AI人材投資 売上3000億円   new
     SHIFT 社長   連載   5
     01の性能が非常に高い

     「o1の性能が非常に良いというこ
     とに年末年始に気付き、今後のAI
     エージェントに向けて、活用を徹
     底的に進めることを決断しました。
     僕自身は懐疑的だった部分があり
     つつも、社としてはAIに対する研
     究開発投資を、数年間かけて進め
     てきました。この1~2週間だけで
     も、業務活用が期待できる成果が
     出ています」(丹下社長)特に際
     立った要因が、生成AIによる構造
     化能力の向上だ。例えばハードや
     ソフトにしても、製品開発をする
     際には「標準化」という工程が欠
     かせない。
     (次回に続く)




     AI人材投資 売上3000億円   new
     SHIFT 社長   連載   4
     24年末LLMリリースされる

     AIの積極活用を見据えて、営業・
     人事の採用をストップした。一見、
     事業の拡大方針と相反するように
     見える。しかし、この背景には、
     ここ数カ月以内の生成AIの急速な
     進展があると丹下社長は明かす。
     「僕自身、事業会社を営んでおり
     『夢を売っても仕方がない』との
     考えで、AIに対しては懐疑的な部
     分もありました。AIは魔法の道具
     ではなく、実際に使えるものにな
     らなければダメだと思っていたか
     らです」(丹下社長)しかし202
     4年末からの動きで、潮目が変わ
     った。米OpenAI社から9月、大規
     模言語モデル(LLM)である「O
     penAI o1」がリリースされたのだ。
     (次回に続く)





     AI人材投資 売上3000億円   new
     SHIFT 社長   連載   3
     大きな変革、2つ

     この3カ月間、SHIFTが進める大き
     な変革が2つある。1つは、佐々木
     道夫副社長が、取締役会長に就任
     した点だ。佐々木氏は1982年リー
     ド電気(現:キーエンス)に入社
     し、同社の営業戦略の立案などに
     携わってきた。2000年には、キー
     エンスの社長にも就任している。
     キーエンスの営業手法は、各メデ
     ィアや書籍でも数多く取り上げら
     れるほど、高度に体系化している
     のが特徴だ。佐々木氏を会長職に
     昇格させることで、トップ営業か
     らボトム営業まで幅広く顧客に対
     面できる変革を進めていく方針だ
     という。
     (次回に続く)




     AI人材投資 売上3000億円   new
     SHIFT 社長   連載   2
     25年度売り上げ目標 1300億円

     SHIFTの2025年度第1四半期の売
     上高は301億円で、20.3%の伸び
     率だった。今年度の売上目標と
     して1300億円を掲げていて、進
     捗率は23.2%という高い水準に
     なっている。売上総利益率では
     33.2%と、過去の第 1 四半期の
     実績で過去最高値を出した。小
     林取締役は「第1四半期は例年、
     採用にかなりのコストをかける
     時期なので、これは高い数字。
     非常に良い結果が出たのではな
     いか」と振り返る。




     AI人材投資 売上3000億円   new
     SHIFT 社長  新連載   1
     AIエンジニア50~500人に

     ソフトウェアの品質保証を軸にさ
     まざまなDX事業を展開するSHIFT
     は、2025年8月までにAIエンジニ
     アを現在の約50人から500人に増
     強する計画を掲げた。背景には、
     生成AIやAIエージェントの普及が
     進むIT業界の流れと、企業の競争
     力を左右する「AIネイティブ化」
     の波がある。同社が1月14日に開
     催した「経営・取り組み方針説明
     会」でも、小林元也取締役が「AI
     の徹底活用、AIエージェント化を
     進めて、さらなるビジネス進化を
     目指す。SIerの中でもAIネイティ
     ブな企業として注目され、実績を
     出す企業にしていきたい」と話し
     た。同社は「SHIFT3000」という、
     2030年度までに3000億円の売上高
     を達成する中期戦略も掲げている。
     同社はいかにしてAIエージェント
     を活用し、SHIFT3000につなげて
     いくのか。経営・取り組み方針説
     明会で、創業者の丹下大社長が自
     ら語った、その狙いと具体策とは
     ……。
     川蔦太郎 ITmedia
                  (今回新連載です)




      EC隆盛の今 実店舗復活 new
             最終回   19

      Z・アルファ世代実店舗が好き

      この世代はセルフチェックアウ
      ト技術やブランドアプリなど、
      デジタル要素に期待を抱いてい
      るものの、店舗に行くことに大
      きな関心を示している。また、
      彼らの購買力は今後さらに増加
      する見込みだ。「Z世代やアルフ
      ァ世代は店舗訪問が非常に多い
      世代です」とペダーセン氏は述
      べた。「これらの世代に基づい
      た店舗でのショッピングの増加
      傾向は、今後数年間続くと思い
      ます。Z世代やアルファ世代が
      ミレニアル世代よりも店舗を好
      むことは明らかだからです。こ
      のトレンドはさらに広がるでし
      ょう」
      (今回最終回です)




      EC隆盛の今 実店舗復活 new
              連載   18

      消費者活動の多様な組合せ必須

      「これらは実際には『消費者交流
      センター』と呼ぶべきもので、消
      費者活動の多様な組み合わせが必
      要です」とブラウン氏は述べた。
      これは、街中のショッピングエリ
      アがさまざまなニーズに応える形
      と似ている。「ショッピングだけ
      でなく、エンターテインメント、
      飲食、地域の社交場が一体となっ
      た場所であるべきです」ブラウン
      氏によると、こうしたトレンドは
      すでに米国各地のモールで見られ
      るという。さらに、若い世代の関
      心に基づけば、店舗でのショッピ
      ングは今後も成長を続ける可能性
      がある。PwCの調査では、全世代
      の中でZ世代が最も店舗で新しい
      ギフトを探す傾向が強く、その割
      合は60%に上った。
      (次回最終回です)



      EC隆盛の今 実店舗復活 new
              連載   17

      より創造的な方法で引き付ける

      このようなニーズに応えるため、
      一部の小売業者は工夫を凝らし
      ている。例えば、Macy's(メイ
      シーズ)は今年、ヘラルドスク
      エアの旗艦店でホリデーマーケ
      ットを開催し、通常のホリデー
      ウィンドウディスプレイや「サ
      ンタランド」体験と並行して展
      開している。また、Target(タ
      ーゲット)は「ワンダーランド
      」イベントを開催し、ショッピ
      ングが可能なブランド体験を提
      供している。ホリデーシーズン
      に単なる買い物以上の体験を提
      供すること――例えば外食など
      ――は、活気あるショッピング
      センターを維持する上で重要だ。
      ブラウン氏やペダーセン氏によ
      れば、通常のサンタとの交流や
      セールに加え、限定ブランドの
      発売やロイヤル顧客向けの夜間
      イベントなど、より創造的な方
      法で人々を引きつけることが考
      えられるという。
      (次回に続く)




      EC隆盛の今 実店舗復活 new
              連載   16

   「人々はこの時期、単純に店舗に
   行くのが好きなのです。それが季
   節感を高めてくれるのです
」(ケ
   リー・ペダーセン/PwC米国小売
   部門リーダー)
   他者への支出は自分自身への支出
   よりも人を幸せにする、とハピネ
   スリサーチインスティテュートの
   CEO、マイク・ワイキング氏は昨
   年Retail Diveに語った。「この時
   期、人々は単純に店舗に行くのが
   好きです。それが気分を盛り上げ
   てくれるのです。例えば、ホット
   チョコレートやフードスタンドの
   何かを楽しむ。そういう特別な何
   かがあるんです」とペダーセン氏
   は述べた。
   (次回に続く)




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              連載   15

      好意的に感じさせる効果
      さらに、心理的な理由もある。ホリ
      デーシーズンのショッピングは、楽
      しさを伴うことが多い。クリスマス
      のような冬のイベントや、それに付
      随する少し贅沢な支出は、最も暗い
      時期に自分を元気づける手段になり
      得る。店舗はウィンドウを装飾し、
      季節感あふれる音楽を流し、松やペ
      パーミントの香りを漂わせる。これ
      らは、パンプキンスパイスの香りが
      郷愁を呼び起こし、楽しい記憶を思
      い出させるのと同じように、適切な
      感覚的刺激がホリデーシーズンの買
      い物客に店舗をより好意的に感じさ
      せる効果がある。
      (次回に続く)


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              連載   14

      実店舗の体験、オンラインにない

      PwCの調査によれば、ベビーブーマー
      世代を除く全ての世代が、ギフトを見
      つける主な方法として実店舗を訪れる
      ことを挙げた。ベビーブーマーにとっ
      ては、友人や家族との会話が最も重要、
      で、実店舗はそれに次いで2番目であ
      った。これらの方法(いずれも対面で
      の体験)は、3番目に多かったオンラ
      インマーケットプレイスを大きく上回
      る結果となった。「時には、単に店舗
      の混雑を見て『おや、ちょっと見に行
      かなきゃ』と思うこともありますよね
      」とブラウン氏は語る。「レジの行列
      が長いのは避けたいものですが、それ
      が逆に『何かが起きている』と感じさ
      せるのです。このような感覚は、オン
      ラインでは体験できません」
      (次回に続く)




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              連載   13

      特に低価格業者がこの点で成功している

      特に低価格戦略をとる業者がこの点で成功
      していると指摘した。「店舗で発見できる
      ものの追求やユニークさ、サプライズ感が
      魅力です。なぜなら、もし自分が正確に何
      を探しているかを知っているのであれば、
      それはオンラインで簡単に見つけられるか
      らです」


写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

     多くの購入はオンラインで行われるか
     もしれないが、どんなギフトを贈るか
     を探し出す段階では、全ての世代の買
     い物客が実店舗に大きく依存している。
     (次回に続く) 




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              連載   12

     「人々は単純に店舗に行くのが好き」

     ホリデーシーズンが他の時期と異なる
     のは何か? その本質は、ギフトを贈
     るという行為
にある。秋の重要な時期
     にショッピングストリートやモールを
     訪れる顧客たちの目的は、自分自身の
     ためではなく(少なくとも主にそうで
     はなく)、他者のためのギフト探しで
     ある。これにより「発見のためのショ
     ッピング
」が重要となり、その点で店
     舗は大きな強みを持つ。「このシーズ
     ンで成功するのは、ユニークで差別化
     された商品と、消費者に『得をした』
     『特別なディールを手に入れた』と思
     わせる体験を提供することです」とブ
     ラウン氏は語る。
     (次回に続く)




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              連載   11

     楽しさを模倣するのは難しい

     小売業者は、ウェブサイトをより魅
     力的にするために、祝祭ムードを演
     出するバナーを表示したり、店舗で
     行われているのと同様のプロモーシ
     ョン、例えば購入特典として無料ギ
     フトを提供することもできる。しか
     し、ペダーセン氏は、小売業者が実
     際のショッピング体験の楽しさを模
     倣するのは難しいと認めている。
     本物のVRヘッドセットを装着して店
     舗内を歩き回るような体験が実現し
     ない限り、それを再現するのはかな
     り難しい」(ペダーセン氏)特にホ
     リデーシーズンには、消費者はその
     ような体験を求めている。
     (次回に続く)




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               連載   10

      オンラインの利点は

      とはいえ、オンラインにも利点は
      ある。ブラウン氏によれば、オン
      ラインは「目的型ショッピング」、
      つまり顧客が既に何を購入したい
      かを明確にしている場合に特に適
      しているという。また、シーズン
      中には、ECが顧客に対してより強
      い影響力を持つ時期もある。ボス
      トン・コンサルティング・グルー
      プの報告によれば、ソーシャルメ
      ディア、D2C、そしてTemuやShe
      inのような新興マーケットプレイ
      スは、シーズンの初期段階でより
      成功している。この時期、消費者
      は理想的なギフトを見つけるため
      の時間に余裕があり、価格や配送
      時間に関するストレスも少ないた
      めである。
      (次回に続く)


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               連載   9

      スク―リンの制約

      このような取り組みは、「アルゴリ
      ズムが適切で、探していたものが正
      確に提示される場合に効果を発揮す
      る」とブラウン氏は述べている。
       例えば、「自分が以前から探してい
      たものに基づいて提案される場合で
      す」と彼は続ける。しかし同時に、
      「オンラインショッピングにはスク
      リーンの制約があり、10インチ×12
      インチ程度の画面では見られる情報
      が限られている」という課題も指摘。
      実店舗では「視界が一気に広がる」
      と語った。
      (次回に続く)




      EC隆盛の今 実店舗復活 new
               連載   8
      キュレーションガイドを導入

      例えば、Etsy(エッツィー)は今
      年1月にAIによるギフト推薦サー
      ビスを導入し、Amazon(アマゾ
      ン)は最近、AIショッピングガイ
      ドやバーチャルホリデーショップ
      を開設して顧客を引き付けている。
      Pinterest(ピンタレスト)は11月
      にパーソナライズされたギフトフ
      ィードをプラットフォーム上で公
      開するとともに、著名人や出版社
      がキュレーションしたギフトガイ
      ドのシリーズを発表した。また、
      Fiverr(ファイバー)の今年初め
      の調査によると、特にZ世代の14
      %が、ギフト探しに生成AI検索を
      利用する計画があることが分かっ
      た。
      (次回に続く)




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               連載   7
      ECもAIの革新的方法で対抗

      消費者の関心は、異なる買い物
      環境にも広がっている。ペダー
      セン氏によれば、このシーズン
      中にはハイストリート(主要商
      業地区)でのショッピングへの
      傾向が見られる一方で、伝統的
      なショッピングモールでも来店
      客数が再び増加しているという。
      これは、コロナ禍に多くの人々
      が郊外へ移り住んだことが影響
      していると考えられる。しかし、
      ECの小売業者やソーシャルメデ
      ィアプラットフォームも、流行
      のAIを活用し、顧客にアプロー
      チする革新的な方法を見出して
      いる。
      (次回に続く)



      EC隆盛の今 実店舗復活 new
               連載   6
      それでも10年前より大きく後退

      また、ブラックフライデーも珍し
      く人気が上昇し、この記念日で買
      い物を予定していると答えた人が
      3%増加した。この記念日は主に
      店舗で行われるイベントであり、
      2018年以来初めてこの指標が増加
      したことになる。しかし、それで
      も22%の買い物客にとどまってお
      り、10年前にブラックフライデー
      での買い物を予定していた59%と
      いう割合からは大きく減少してい
      る。今年、店舗の来店客数が増加
      する可能性がある他の要因も存在
      する。ホリデーシーズンが例年よ
      り短く、選挙の影響で消費者が購
      入を後回しにしていることが相ま
      って、シーズンが進むにつれて配
      送時間の信頼性が低下し、店舗に
      足を運ぶ人が増える可能性が高い。
      (次回に続く)




       EC隆盛の今 実店舗復活 new
               連載   5
       店舗で購入者今年増加に転じる

       過去10年間で、店舗とECにおけ
       るホリデーショッピングの嗜好
       は、実質的に逆転した。PwCの
       調査によれば、2015年に店舗で
       ホリデーギフトを購入する予定
       だった買い物客の59%が、今年
       は推定45%にまで減少した。一
       方で、オンラインで購入する予
       定だった人の割合は、2015年の
       41%から55%に増加している。
       これは、ECへの明確な傾向を示
       しているが、コロナ禍という特
       別な状況下でオンラインショッ
       ピングが61%に達した2020年に
       は及ばない。それどころか、Pw
       Cの今年の調査では、店舗で買
       い物を予定している人の割合が
       2021年以降初めて増加に転じた。
       (次回に続く)




       EC隆盛の今 実店舗復活 new
               連載   4
       物理的な世界で行われる活動

       特にホリデーシーズンには、AI
       による推奨サービスやパーソナ
       ライズされたWebサイトでは提
       供できない「店舗での買い物な
       らではの何か
」が存在する。「
       『ショッピング』という言葉が
       示すものは、やはり物理的な世
       界で行われる活動です。実際に
       行って、見て、触れて、感じ、
       交流しながら最終的に何を買う
       かを決めるプロセスがそこにあ
       るからです」とブラウン氏は述
       べた。「購入は後で店舗で行う
       か、オンラインで行うかもしれ
       ません。しかし、『ショッピン
       グ』と実際の『購入』には明確
       な違いがあると思います。そし
       て、多くの人々が店舗を訪れ、
       その体験を楽しむためにショッ
       ピングを行っているというのは、
       依然として顕著です」
       (次回に続く)





       EC隆盛の今 実店舗復活  new
               連載   3
       EC購入増加でも実店舗は健全

       また、この現象には、ダイレクト
       ・トゥ・コンシューマー(D2C)
       ブランドのような若い企業が短期
       間のリース契約やポップアップ形
       式の店舗を求めていることも一因
       であるとペダーセン氏は付け加え
       た。つまり、オンライン購入が増
       加している世界においても、実店
       舗小売業は依然として健全
である。
       実際、Experian(エクスペリアン)
       の調査によれば、2022年から2023
       年にかけてのホリデーシーズンで、
       店舗での買い物は比較的安定して
       おり、10~12月の間に行われた販
       売の約3分の2が店舗で行われてい
       た。また、調査対象者の約半数が
       今年も店舗を訪れる予定であると
       回答している。
       (次回に続く)



       EC隆盛の今 実店舗復活  new
               連載   2
       新しい購買層のニーズが表面化

       「来店客の性質や目的が異なっ
       ている」とペダーセン氏は述べ
       ており、来店客数の増加にもか
       かわらず、購入転換率は低下し
       ていると指摘している。「これ
       は、単に購入するためではなく、
       別の目的で店舗を訪れる人々が
       増えていることを示しているの
       です。例えば、返品のために店
       舗に足を運んだり、ただ見て回
       るために訪れる人が増えている
       のです」(ペダーセン氏)経営
       コンサルティング会社Kearney(
       カーニー)のパートナーで米国
       地域の小売リーダーであるマイ
       ケル・ブラウン氏によれば、シ
       ョッピングモールや商店街での
       店舗入れ替えの水準も、新しい
       世代が自身の好みを示している
       証拠となり得るという。同氏は
       これを良い兆候だと捉えており、
       新しい購買層のニーズが表面化
       していることを意味すると述べ
       ている。
       (次回に続く)

              

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