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Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 最終回 14
おはようございます
やっぱり「おはようございます!」
だろう、と五十鈴さんは考えました。
でも、これだけではお客さまに「面
白そう」と思わせることはできない
かもしれません。そこで「!」の部
分をロゴやイラストに置き換えてみ
ることにしました。しかしプロのす
ばらしいイラストでは「手づくり」
感や誠意が、お客さまに伝わりづら
いのではないだろうか。そう考えた
五十鈴さんは「超ナチュラルオーガ
ニック食パン」の似顔絵を息子に描
かせて、それをロゴのように用いる
ことにしました。息子は、なんとも
味わいのある、ほほえましいイラス
トを描いてくれました。
(今回最終回です)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 13
バスケットも考えておく
という3つのフレームを考えました。こ
れを考えておけば、店内のPOPやチラシ、
あるいはWebページを作成する際に、お
客さまに対し、一貫したアプローチをと
ることができます。
バスケットも考えておきましょう。バス
ケットの役割とは「コミュニケーション
をとる準備ができていますよ」と相手に
意思表示することでした。 「超ナチュラ
ルオーガニック食パン」なら、お客さま
にどんなバスケットを広げるでしょうか?
バスケット
相手を好きになり、コミュニケーションを交わし
たいと願い、そして何か役に立てることはないか、
役に立ちたいなあと考え、まず自分から胸襟を開
けることを「バスケットを差し出す」といいます。
バスケットとはカゴのこと。まず自分が空のバス
ケットを相手に差し出して「受け入れる用意があ
りますよ」と意思表示するのです。
本書冒頭で私は「はじめまして」と述べました。
目指したい自己紹介では「こんにちは」が皮切り
の言葉でした。これがバスケットです。
(次回最終回です)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 12
58秒間の「超ナチュラルオーガニ
ック食パン」紹介
食べたお客さまはみなさん、おい
しいというより感動ですね、と言
ってくださいます。最初は息子を
喜ばせたい一心で始めたパンづく
りですが、多くの仲間と家族の協
力に支えられて、ついにこの味へ
と、たどりつくことができました。
一番味わっていただきたいのは、
仕事、家庭生活、プライベート……
全部がんばったみなさんです。だ
けど、がんばれなかったみなさん
にも、日曜の朝だけは、こころも
体もほっとしてほしい。そんな思
いで素材を選び、生地を練り、窯
の炎を見つめました。
店主のまごころはもちろん、小麦
や酵母、バターや砂糖の生産農家
のみなさんの誠心誠意がこの一斤
に込められています。誰も、どこ
でも経験したことのない、とって
おきのパンです。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 11
3つのフレームワークで自己紹介
最後に、五十鈴さんは3つのフレ
ームに落とし込むことにしまし
た。自己紹介の3つのフレームは
「5秒間の自己紹介」「18秒間の自
己紹介」「58秒間の自己紹介」で
した。
5秒間の「超ナチュラルオーガニ
ック食パン」紹介
日曜の、とっておきの朝に食べて
ほしい。そんな思いを込めて、私
たちは、このパンを作りました。
18秒間の「超ナチュラルオーガ
ニック食パン」紹介
仕事。家庭生活。プライベート。
いろいろあったひと月をよく乗り
きりましたね。そんながんばった
みなさんに、日曜の朝だけはほっ
としてほしい。そんな思いで作っ
たパンです。店主のまごころはも
ちろん、小麦や酵母、バターや砂
糖の生産農家のみなさんの誠心誠
意が、ふっくらと焼き上がってい
ます。誰も経験したことのない、
とっておきです。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 10
次に考えたのは雰囲気づくり
これまでは、オーガニックパン
に対する自分自身の熱い思いを
前面に打ち出し、食の安全安心
に対する意識の向上を啓蒙する
ような張り紙を壁一面に貼って
いました。ナショナルブランド
のパンをこきおろすような文面
のチラシまでありました。
しかし、作成した円グラフから
考えてみると、批判や啓蒙では
なく、楽しみや喜びといった点
を強調した雰囲気をパンに漂わ
せることが必要だと考えました。
そこで商品名や包装から始まり、
店内の内装についても再検討し
てみることにしました。再検討
にあたっては、自分だけで考え
るのではなく、夫や息子、同業
の仲間、生産農家から、意見を
聞いたり、サポートを求めたり、
その分野にくわしい人物を紹介
してもらうように心掛けました。
というのは、自分一人で決めて
いくと、どうしても従来のこだ
わりが前に出てしまうと考えた
からです。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 9
2つのアウトプット
例えば、五十鈴さんは同級生が
言った「ゆったりした日曜の朝
に食べたい味だわ」という一言
を思い出しました。そういえば
と、五十鈴さんは再調査をした
際に、月に一度、日曜の朝に特
売日を設けているパン屋があり
、近隣の人たちが楽しみにして
いるという証言があったはずで
す。彼女はここから、2つのアウ
トプットがひらめきました。
1つは「超ナチュラルオーガニ
ック食パン」のキャッチコピー
です。「日曜の朝にだけ食べてほ
しいとっておきのパン」なんて
いいかもしれません。
もう1つは特売日の設定です。パ
ンは焼き立てが一番おいしいはず
です。そこで「超ナチュラルオー
ガニック食パン」の発売日を月に
一度、日曜の朝だけに限定しては
どうだろうかと考えたのです。家
に持ち帰ってすぐに食べてもらえ
ば、お客さまにこのパンのおいし
さを120%受け止めてもらえるの
ではないだろうか。そして、日曜
の朝が楽しみになれば、「ドキド
キ」も満たすことができる。さら
に月に一度なら、値段が高くても
納得してもらえるのではないか、
と五十鈴さんは思いました。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 8
アイスブレイクを考える
通常なら、さらに理屈を考えたり、
戦略を練ったりするかもしれませ
ん。しかし、ここまでの作業で、
理屈やストーリーは十分に練られ
ています。そこで次は、お客さま
との距離を縮めるアイスブレイク
をまず考えてみましょう。
アイスブレイクは「こんにちは」
「はじめまして」のようなもので
した。では、商品が発する「こ
んにちは」「はじめまして」はど
んなものか? ちょっとむずか
しそうですね
ここで大切なのは直感です。ス
テップ1で集めたさまざまな情
報やステップ2で組み立てた理
屈の中から、ふと目にとまった
変わった出来事、面白い発想に
注目してみてください。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 7
それでは、円グラフにしていきまし
ょう。
この円グラフが、 「超ナチュラルオ
ーガニック食パン」を売り出すため
の基本的な考え方となります。広告
宣伝はもとより、値付けや販売方法
も、この考え方をもとに発想してい
くようにしましょう。ここから「相
手(お客さま)に面白そうと思わせ
る四大要素」である「論理」「スト
ーリー 」「ドキドキ」「信頼」を満た
すような手段を考えていきましょう。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 6
自己紹介トレーニング
さて、ここでもう一度、自己紹介ト
レーニングを思い出してください。
自己紹介トレーニングでは、アウト
プットの目的を(相手/お客さまに
)理解させ、納得させ、行動させる
──ことだと紹介しました。そのた
めには、何が言いたいのかぱっと分
かるように、主張を4つの部分に分
けることが大切だと述べました。こ
こでも、あの時のやり方を応用して
みましょう。
導入
一般的には、名前や仕事、年齢や
住んでいる場所など、相手があな
たを理解するために基礎となるデ
ータを述べます。
テーマ
お客さまに対して主張したいこと
を述べます。
アピール
商品の長所、自慢したいことを述
べます。
まとめ
全体をまとめるのではなく、 「
テーマ」や「アピール」でとくに
念押ししたいポイントを述べます。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 5
伝わること とお客さまの立場
でも売り上げは芳しくありません。
周囲からは高い値段設定が敬遠さ
れたのだと言われます。でも私は
このパンには、それだけの金額を
払う価値があると自負しています。
この価値をお客さまに伝えたい。
何だかこれは、私の使命のような
気がしていたのです。
しかし振り返ってみると、私の思
いが強すぎて押しつけがましくな
っていたのですね。お客さまがパ
ン屋に求めているのは、えらそう
な理屈じゃなく、息子が「おいし
いね」と笑ってくれたような「食
を楽しむ体験」だったのだと思い
ます。
だから私は、「超ナチュラルオー
ガニック食パン」を「お客さまに
食を通じて、貴重な体験をしても
らうためのパン」だと考えるよう
にしました。お客さまの立場で考
えると、そう考えるほうが、私の
思いが伝わる気がしたからです。
五十鈴さんの思いがはち切れそう
です。しかし最初と異なるのは、
自分のこだわりだけでなく、「伝
わること」と「お客さまの立場」
を考えるようになった点です。
格段の進歩が見られます。
さて次はアウトプットです。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 4
五十鈴さんは念のため、これを文章
化してみることにしました。文章を
つづるのが得意ではないという人は、
無理に実践する必要はありません。
私がパンづくりを始めたきっかけは、
息子の病気です。息子はスポーツ好
きの食いしん坊で、もちろんパンも
大好きでした。でも病気をきっかけ
にスポーツを止め、元気もなくなっ
てきたのです。成績も落ちる一方だ
し、食も細くなってしまいました。
そんな息子を励まそうと、私と夫は
おいしい食べ物を探し歩きます。そ
して最後に行き着いたのが自分で焼
いた手づくりパンだったのです。息
子が『おいしいね』と言って、パン
をわしづかみにして食べてくれた時
の感動は忘れられません。
このパンをきっかけに息子は元気を
取り戻しました。私も体にいいパン、
心を元気にするパンを焼くことを生
きがいに感じるようになりました。
そのうちパンづくりの仲間たちや、
材料を提供してくれる農家さんたち
の影響で、オーガニックパンにのめ
り込み、お店を開きました。そして、
もっとみんなにパンのすばらしさを
知ってほしい、健康について考え、
安心安全な食生活を送ってほしいと
いう思いを込めて、究極の食パン
「超ナチュラルオーガニック食パン
」を完成させました。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 3
食を楽しむを伝えるこを再認識
しかし元はと言えば、パンづくりは、パ
ン好きの息子を喜ばせるために始めたこ
とでした。まさに「食を楽しむ」です。
安心や安全は「食を楽しむ」ことの要素
の1つにすぎないはずでした。五十鈴さ
んは、オーガニックパンの勉強にのめり
込むうちに、それを忘れてしまっていた
ことに気付きました。そしてギャップは
ここにあるのではないかと思いました。
つまり課題は、「『超ナチュラルオーガニ
ック食パン』が『食を楽しむ』ものであ
ることを、お客さまに伝える」ではない
かと、五十鈴さんは結論づけました。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 連載 2
「仮説」を立て、ニーズと現実の
ギャップを見つける
次は課題の発見です。この仮説と「超
ナチュラルオーガニック食パン」のリ
ソースのギャップを見つけるのです。
「超ナチュラルオーガニック食パン」
はおいしさという点ではお客さまの楽
しみを満足させることができていると
考えました。息子にも同級生にも評判
だったからです。そのうえ、安心安全
もクリアしています。五十鈴さんは自
信がありました。その自信ゆえ、まじ
めなパンづくりのアピールに専念し、
包装や商品説明には気を配りませんで
した。それどころか、他社の商品を非
難するチラシを作成して「超ナチュラ
ルオーガニック食パン」に同封するな
ども実施していました。支持するお客
さまもいましたが「食を楽しむ」から
は程遠い状態でした。
(次回に続く)
Ⅰ斤3000円の食パン new
を売る方法 新連載 Ⅰ
一年前にパン屋を開業した日野五十鈴
さんは「超ナチュラルオーガニック食
パン」を一斤3000円で売り出しました。
折からの高級食パンブームに乗ろうと
いう目論見(もくろみ)です。でも売
れゆきが芳しくありません。売り上げ
を向上させるために、五十鈴さんは「
お客さまのニーズ」「超ナチュラルオー
ガニック食パンのリソース」を言語化
してきました。
まずは仮説の設定です。五十鈴さんは
「超ナチュラルオーガニック食パン」
の隠れたニーズ「もっと食を楽しみた
い」に注目しました。そこで「『超ナチ
ュラルオーガニック食パン』が、お客
さまの健康以外の楽しみにもつながれ
ば、売り上げは伸びる」と仮説を立て
ました。
日野眞明 ITmedia
(今回新連載です)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 最終回 9
国内シェア50%海外市場の開拓がカギ
キユーピーはマヨネーズの国内シェア
で約50%を占めている。同社が今後も
発展するためには、海外市場の開拓が
カギだ。海外展開となると、その国独
自の食文化があり嗜好も国によって異
なる。新しいブランディングによって、
さまざまな食の風味がある海外の顧客
を獲得できるかどうか。卵黄を生かし
たキユーピー マヨネーズの味を、それ
ぞれの国といかに調整できるかが今後
のポイントとなってくる。
(今回最終回です)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 8
多様化の中若い世代を取り込む
マヨネーズの主な原料は、卵、植
物性油、酢で、シンプルな成分か
ら作られている。その中で高宮社
長は「モノづくりの心を忘れずに
」、新しい分野にも挑戦しようとし
ている。確かにマヨネーズを使う
メニューは、単にサラダだけでな
く、お好み焼きや大ヒットとなっ
たコンビニおにぎりへの利用など、
多様化が急速に進んでいる。今後
は若い層をいかに取り込んでいく
かが重要だ。
(次回最終回です)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 7
失敗を恐れず常に挑戦
国内で進む人手不足については「IT
やテクノロジーの活用は絶対に必要
だ」と話す。「人がやる仕事と、ITや
ロボットに任せる仕事を使い分けら
れるようになると、(仕事の内容が)
大幅に変わる可能性がある。まだま
だこれからだが、積極的に進めてい
きたい」経営信条については「人は
誉められて伸びる。私が研究所にい
たころに、当時の社長に『これいい
ね』と本気で開発していた商品を誉
めてもらい、それ以来、仕事にやる
気が出た経験がある。なので、社員
に対しては、常に誉めるように心掛
けている」と述べた。マネジメント
については「失敗を恐れずに挑戦し
て、具体的に動くこと」をモットー
にしているという。
(次回最終回です)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 6
製品開発に磨きをかける
マヨネーズはカロリーが高いため、
糖尿病などカロリーが気になる人
にとっては多くを摂取できない。
このため、キユーピーではカロリ
ーを従来の半分にしたマヨネーズ
の「ハーフ」を販売してきた。20
11年には、カロリーを75%カット
した「ライト」を発売。2017年に
は80%カットした「ライト」も売
り出している。使用する植物油の
粒をこれまでの半分に細かくし、
少ない量でもコクを感じやすくす
るなど改良を加えたという。高宮
社長は「それぞれの消費者に対応
したものを出している」と話す。
引き続き製品開発に磨きをかける
決意を示した。
(次回に続く)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 5
マヨネーズ国内海外30年に半々に
鶏卵については、鳥インフルが広
がり始めた2023年ごろから調達ル
ートの分散化に取り組んでいる。
鶏卵加工商品のうち冷凍品の在庫
を増やすなどして、供給を維持で
きる体制も整えているという。キ
ユーピーの海外生産について高宮
社長は「現在7カ国で生産してい
るが、それぞれの国で需要が伸び
て、マヨネーズを作り切れない状
態になっています。このため、今
年はタイ、インドネシア、米国の
3カ所で一斉に新しい工場を稼働
させる」と話す。生産体制を拡充
する構えだ。市販用市場を統括す
る濱崎伸也常務によれば「現在、
キユーピーグループでは海外の売
り上げは 2 割ほど。マヨネーズだ
けでみると国内が600億円、海外
が500億円と年々海外が増えてき
ている。2030年代の半ばには国
内と海外の割合が半々になって
くるのではないかと予想してい
る」という。
(次回に続く)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 4
知恵を出し安定的な調達を目指す
メッセージの使い方については、ネ
ットを中心としたデジタル動画広告
などで使っていく計画で、14カ国で
順次流していくという。
(2)の社会課題への取り組みについ
ては、子どもの居場所づくり活動を
している団体への助成、学校菜園や
学校給食など子どもの笑顔づくりに
かかわる活動も継続して支援してい
く考えを示した。キユーピー マヨネ
ーズを安定的に生産販売するために、
より良い原材料の調達に努めてきた。
高宮社長は「地球温暖化の影響もあ
って植物油など原料の確保が難しく
なってきている。卵についても鳥イ
ンフルエンザの拡大により厳しい情
勢になってきており、今後は知恵を
出しながら安定的な調達を目指して
いきたい」と話す。
(次回に続く)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 3
世界統一「KEWPIE IT.」
キユーピー マヨネーズ発売100周
年に合わせ、同社が掲げたスロー
ガンは「still in progr始めとした製
品の改良を続けてきた。これから
の100年に向けての課題として高宮
社長は
(1)日本だけでなく世界の食卓に
必要な調味料として、食と健康
に貢献する、
(2)さまざまな社会課題に取り組
んでいく――の2点を挙げた。
「卵黄タイプのキユーピー マヨネー
ズは、世界の調味料とベストマッチ
が可能になった。世界でも親しみや
すい調味料を目指すため、この春か
ら世界統一ブランディングを実施す
る」と話す。そのブランディングの
メッセージは「KEWPIE IT.」に決め
た。キユーピー マヨネーズをかけ
ることで出会える新しい食体験を表
現したものだ。この統一ブランディ
ングの下で、アジアや欧米市場に積
極的にマヨネーズを中心に売り込ん
でいきたい方針だ。
(次回に続く)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 連載 2
各国の様々な料理と相性がいい
その上で「キユーピー マヨネーズは
日本の料理だけでなく、各国のさま
ざまな料理との相性が良く、名脇役
として認められてきている」と話す。
高宮社長に今後の展望をインタビュ
ーした。

高宮満(たかみや・みつる)1987年に東京水産大学(現、東京海
洋大学)院修了後、同年にキユーピーに入社。2012年に研究開発
本部長、15年にマーケティング本部長などを経て、19年に上席執
行役員、22年2月から社長。東京都出身。63歳
(次回に続く)
キューピーが「海外展開を new
加速した真意」 新連載 Ⅰ
キユーピーが、海外展開を加速さ
せる。2月28日に東京・六本木で
開いたキユーピー マヨネーズ100
周年の記念イベントで、高宮満社
長(高は、はしごだか)は「これ
までの100年はモノづくりの心を
大事にしてきた。今後はマヨネー
ズの活躍の場を日本からグローバ
ルに広げていきたい」と意気込み
を見せた。2024年11月時点で、7
9の国と地域にキユーピー マヨネ
ーズを届けていて、11カ国に販売
拠点を持つ。高宮社長は「生産拠
点も7カ国に広げていて、この生
産販売の動きを加速化させたい」
と述べ、海外展開を積極的に進め
る方針を表明。その理由として「
世界的な日本食ブームとインバウ
ンドの増加」を挙げた。
中西 享 ITmedia
(今回新連載です)
インドで日本小売業が成功 new
する条件 最終回 12
MINISOから学ぶ点は大きい
また、SKUを絞り込むことで管理
やコストを最適化しながら、定期
的に新商品を投入して集客力を高
めることができます。日本の小売
業がインド市場をはじめとする海
外で成功するためには、厳格な外
資規制の中でのフランチャイズモ
デル活用や商品ローカライズの徹
底など、複数の要素を組み合わせ
た戦略が欠かせません。国内市場
が縮小しつづける日本の小売業に
とって、海外進出は大きな課題で
す。MINISOの海外進出にも適応し
やすいビジネスモデルから日本企
業が学ぶ点は大きいと考えます。
(今回最終回です)
インドで日本小売業が成功 new
する条件 連載 11
MINISO手法規制柔軟展開可能か
また、現地パートナーはインド特
有の流通インフラや商慣習を熟知
しており、店舗開発や商品のロー
カライズにおいて大きなアドバン
テージを発揮します。こうしたMI
NISOの手法は、日本の製造小売企
業が従来から持つ「低コストと高
効率の追求」という強みにも通じ
るものがありますが、それを海外
規制下でも柔軟に展開できるかど
うかが成否を分けます。MINISOの
ように、店舗の運営リスクや在庫
リスクの配分を工夫すれば、投資
負担を抑えつつ短期間で多店舗展
開することが可能になります。
(次回最終回です)
インドで日本小売業が成功 new
する条件 連載 10
FCモデルで規制リスク軽減
このフランチャイズモデルは、現地
企業が店舗運営の当事者となるため、
インド政府から見ても外資企業では
なくローカル企業としての活動が評
価されやすく、規制リスクを軽減で
きる利点があります。とりわけ厳し
い外資出資比率や投資要件が課され
る場合でも、実質的には本部が在庫
や商品政策を統括しながら、運営面
では現地パートナーが主導する形を
とることで、外資規制を回避・緩和
しやすくなるわけです。
(次回に続く)
インドで日本小売業が成功 new
する条件 連載 9
MINISO(メイソウ)から学ぶ
前回のコラムで述べたとおり、現在
世界中に出店を進めている中国発の
生活雑貨チェーンMINISO(メイソ
ウ)は「フランチャイズモデルの進
化形」ともいえる投資パートナーシ
ップモデルを活用し、在庫リスクを
本部が負担することで、各地域の現
地法人パートナーが店舗運営に専念
できる体制を築いています。
さらにSKU(商品管理単位)を約30
00点に限定することでサプライチェ
ーンの効率を高め、常に新商品を投
入してリピーターを呼び込むサイク
ルを確立してきました。これは輸入
規制の厳しいインドであっても高速
に出店を続けられる背景の一つです。