令和2年12月8日(火)
有馬朗人さん逝去
元東大学長で、俳人の有馬朗人氏(90歳)が12月7日
にご自宅で亡くなられて居た。
中日新聞朝刊より
1953年、東京大学理学部卒業
1989年~93年まで 東大の学長を務められた。
1996年、中央教育審議会会長の時に、学校週五日制
の実施等「ゆとり教育」の導入を求める答申をまとめた。
1998年、参議院選挙で自民党の比例代表名簿一位で
当選し、小淵恵三内閣の文部大臣(科学技術庁長官兼務)
に就任。一期で引退される。
その一方で俳人としても活躍され俳誌「天為」を創刊、
国際俳句交流協会会長められ、俳句の国連教育科学文化
機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録を目指した。
ご専門である科学分野でも、原子核理論の研究で、仁科
記念賞、米国フランクリン協会賞などを受賞される。
その他、日本学士院賞を受賞され、文化功労者となる。
2010年には文化勲章を受賞し、フランスのレジオン
・ドヌール賞も受賞される。
有馬朗人さんは、旅先で外国の風土を読まれる俳人とし
て知られている。「俳句は自然と共生する文学、世界の
人々が意思を通い合える詞である」と、ユネスコ文化遺
産登録を目指す運動にも取り組まれて居た。
10年程前の平成24年の「NHK俳句全国大会」が催
された折り、NHKホールの檀上で有馬朗人氏が審査さ
れるのを拝見した。
(画像は第21回大会のもの)
その時の有馬朗人氏の特選句の選評が記憶にある。
手話の指雪の深さを語りけり 平井光江(愛媛県)
「大雪が降った朝の光景ではないだろうか、手話で盛ん
に話し合っている。一人が指で何か長さを示す様な素振
りをする。その指は雪の深さを語っているのだと思った
のである。大雪の深さを手話で伝える時、指が大働きを
しているところに着目した所が、この句の眼目である」
この俳句大会の日は、前日に降った雪解の道を渋谷の
NHKホールを目指したのが、今も記憶に残る、、、
謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。
今日の1句(俳人:有馬朗人)
ヴェニスにて死ぬべし夕日沈むとき
ニュートンも錬金術師冬籠
失ひしものを探しに冬帽子