遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

蟻地獄

2019-06-05 10:39:13 | 日記
令和元年6月5日(水)

蟻地獄 : 擂鉢虫、あとずさり


薄翅蜉蝣の幼虫で、乾いた土や砂にすり鉢状の
穴を掘り、その底に隠れて落ち込んだ蟻などを
捕食する。これが蟻地獄である。体長は1cm


木の下、縁の下などでよく見かける。
私が一番目にする所は寺の境内、本堂の縁の下。
土(砂)が乾いてさらさらして居り、目を凝らす
と、擂鉢状の窪みが所々にある。
じっと眺め待っていると、蟻などが迷い込み
一瞬の内に、音もなく砂が崩れ蟻が消える。


この幼虫は、地上では前に進めず、後退ばかり
するので、「あとずさり」とも言われる。
穴の形や生態が面白いので、好んで俳句の題材
にされる様である。
亦、いくらあがいても苦しみから逃れられない
事を例えて、「蟻地獄に落ちいる」という。

薄翅蜉蝣

蟻地獄の成虫で、体長3cm、暗褐色。
翅は透明だが、草蜻蛉の様に美しくはない。
蟻地獄は土の中で繭を作り、1カ月ほどで羽化
する。
夕方、ひらひらと舞い飛び灯火に集まる。
小昆虫を捕食し、その寿命は凡そ1年である。


今日の1句

蟻地獄砂崩れゆく静寂かな     ヤギ爺