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Music Mania

No Music No Life

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2022年03月19日 | 音楽
最近は映画をレンタルして見ることがなくなった。
多分最後にレンタルしたのは「ボヘミアンラプソディー」で、以降見たい映画はあるものの、面倒で借りに行っていない。
といって、サブスクで映画を見てるわけでもなく、もっぱらGYAOかYouTubeで面白そうなのがあったら見てるくらいだ。
それで、昨日は「ザ・ランナウェイズ」を見た。
題名からわかるように、伝説のガールズバンド、ザ・ランナウェイズを扱った映画である。

少し詰めが甘いのと、いろいろ中途半端で、まあまあの出来だと思う。
この手の映画の最高傑作はボヘミアンラプソディーだと思うけど、それには遠く及ばない。
内容はバンド結成からデビュー、そして日本ツアーで内部分裂して、その後解散に至る、というもの。
役者についていえば、ジョーン・ジョットとリタ・フォードはよく似ていて雰囲気も当時っぽくていい。
肝心のシェリー・カーリーは本人よりかわいくキツさがない。
ドラムのサンディーはぜんぜん似てない。
ベースのジャッキーは、おそらく本人の許可が降りなかったのだろう、全く違う人の設定になっている。
ジャッキーは現在弁護士らしいので、昔の不良ロックンローラー時代が暴かれたらマズイのだろう。

ストーリーについては、途中まではいいと思う。
日本ツアー中に内部分裂するのもその通りだけど、最初に脱退するのは、本当はベースのジャッキーである。
そのあとシェリーも抜けるけど、本当はバンドはまだ解散せずジョーンがメインボーカルを担当し、ベースには違う人を入れて活動を続けている。
この辺がとてもあいまいで、中途半端な感じになってしまったのは残念だ。

映画の元ネタとなったのはシェリーの自伝らしい。
僕はそれを読んでないのでわからないけど、制作にはジョーンも関わってるようなので、本人たちはこれでいいのだろう。
10代の女の子がサクッとデビューしてパッと咲いて散る、みたいな潔ぎ良さを出したかったのかもしれないし、ジョーンとしてはシェリー脱退時点で解散すべきだったと思ってたかもしれない。

カメラカメラ

2022年03月06日 | 音楽
最近になってようやくルネッサンスの82年のアルバム「カメラカメラ」を聴くことが出来た。
ずっと前から聴きたかったアルバムで、いかにも駄作名盤の匂いがプンプン漂う。

70年代にアート志向の強い作品を作っていたバンドは、いかにして80年代に対応しようとしたのか。
産業ロック的アプローチで対応しようとしたエイジア、イエス、ELパウエルに対し、ニューウェーブ的アプローチで対応したのはキングクリムゾン、そして今回紹介するルネッサンスだ。

新しい時代に対応すべくメンバーチェンジとレコード会社の移籍があり、それまで売りにしていたシンフォニックでクラシカルな要素は大きく後退した。
その代わり、華やかなでポップなシンセサウンド、それらを核にしたニューウェーブ路線で来たのである。
全体的にテンポが速く、リズムを前面に出してきている。 
おそらく従来のファンはこのアルバムに対してノーを突きつけたことだろう。
それまでの重厚感はなくなり、あまりにも軽いように聴こえる。
だからといって若いファンがついたわけでもなく、売り上げは芳しくなかったようだ。

しかし、よく聴くと意外にも重厚感以外のルネッサンスらしさは失っていないように思う。
アニーのボーカルは相変わらず声域の幅が広くのびのびと歌っているし、ジョンのベースはブリブリしてるし、何よりプログレ然とした複雑なインストパートは健在なのだ。
さすがに10分を超える長い曲はないけど、なかなかのニューウェーブプログレといった趣がある。
また6曲目にオキチサン」という日本を舞台にした曲があるが、おそらく80年代初頭のアジアブームに乗っかったものと思われる。
よくある「それ日本じゃなくて中国だよ」という勘違いはなく、いちおう日本を感じさせる雰囲気がある。
歌詞は、キモノを着たシモダのゲイシャ、オキチサンとキョーコサンの話。

Okichi-San


最後の「ウクライナへの道」は得意のロシア系で、曲調はこのアルバム中では最も従来型サウンドに近い。
間奏では12弦ギターのアルペジオが入り、ピアノソロ、シンセソロ、ギターソロと展開していく。
ちなみにUkrainaの英語発音は「ユークレイン」みたいな感じなのですね、勉強になりました。

Ukraine Ways


このアルバムはのちにアニー本人が否定しているようだ。
しかし、これを作った段階では相当意欲的だっただろうし、きちんと80年代にアップデートされたバンドをみんなに聴いて欲しいと思ってたはずだ。
しかし、リスナーの感覚はアップデートされていない人がほとんどだったようで、きちんと評価されずに終わったようだ。

ディスカバークイーン その12

2022年03月05日 | 音楽
西脇さんのクイーンズクロニクル。
1986年6月発表のアルバム「カインド・オブ・マジック」から
「ワン・ビジョン」
クイーン名義の共作。
メイキングビデオを見ると、3段のキーボードスタンドが見れるが、これは全て日本製でアコースティックピアノも日本製。
3段キーボードの内訳は、一番上が8音ポリフォニックのシンセサイザー、中段はFM音源を使った最新のシンセサイザー、一番下はボコーダーとなっている。
最後のフレーズでタイトルを歌っているように聴こえるが、本当は「フライドチキン」と歌っている。

「愛ある日々」
作詞作曲はジョン。
いわゆるハチロクのバラード。
ジョージマイケルのバラード「ワン・モア・トライ」の影響を受けたのではないだろうか。
淡々としたバック演奏に対して、とてもエモーショナルなボーカルが乗っているが、これはとても歌が上手い人でないと成り立たないタイプの曲。
FMシンセのエレピが効果的に使われているが、これは80年代から90年代にかけてとても多くの楽曲に使われた。

「リヴ・フォーエバー」
作詞作曲はブライアン。
このアルバムは映画「ハイランダー」のサントラも兼ねていて、この曲も映画で使われている。
永遠に生き続けられる人の目線による歌詞だけど、映画「ボヘミアン・ラプソディ」では死を悟ったシーンで使われている。

「ドント・ルーズ・ユア・ヘッド」
作詞作曲はロジャー。
ロジャー流のファンク曲。
映画ではカーチェイスシーンで流れる。
ドラムにはゲートリバーヴがかかっている。
ここでもFMシンセが使われていて、ロジャーもしっかり最新のマシンを使っているのがわかる。

「プリンシス・オブ・ザ・ユニバース」
作詞作曲はフレディ。
クイーン2のサイドブラックを彷彿させる複雑な楽曲になっている。
場面が次々と変わっていき、最後は親しみやすいフレーズで終わっていて、クイーン2の頃より進化しているのがわかる。


1989年のアルバム「ザ・ミラクル」から
「ザ・ミラクル」
作詞作曲はクイーン名義だけどフレディとジョンが中心となっている。
アナログテープレコーダーを上手に使って効果音を出している。
シンセは日本製で、そのシンセの開発に西脇さんも関わっていて、クイーンのほかエンヤなども使っている。
歌が始まってからは3小節周期で進んでいく。
一番がとても長く38小節もある。

「アイ・ウォント・イット・オール」
作詞作曲はクイーン名義だけどブライアンが主体。
聴きどころはいかにシンプルな要素から全体像を広げていくか。
途中間奏のテンポが倍になっている。
このときのドラムはPVではツーバスだが、実際はワンバスではないだろうか。
理由はハイハットの開きが一定ではなくリズムに合わせて響きが違っている。
ツーバスだと両足がバスドラムにとられるので、ハイハットの調節が出来なくなるから。

「イン・ビジブルマン」
作詞作曲はクイーン名義だけどロジャーが主体。
ドラムが打ち込みと生ドラムがミックスされている。
違和感なく聴こえるのは、ロジャーのドラム音を一つづつサンプリングしたからと考えられる。
オーケストラの音のサンプリングしたオーケストラヒットも当時の流行で、この曲に使われている。

「素晴らしきロックンロールライフ」
作詞作曲はクイーン名義。
ここでもミラクルで使われた日本製のシンセが使われている。
当時いろいろな音楽で使われていた。
中間部分に入っている遊園地みたいな部分、ここではロジャーが生でいろいろなパーカッションを演奏している。

クイーンズコミュニティー
ゲストはクラシック歌手の錦織健。

年齢はサンプラザ中野くんと同じ。
コンサートのアンコールでクイーンを歌ったりしている。
クイーンとの出会いは、中学のとき深夜ラジオでキラークイーンを聴いてから。
ボーカルのパワーやコーラスに魅力を感じた。
とくに初期のプログレっぽいクイーンは難解で、逆にそれがよかった。
難解なものを歓迎して崇拝するのがかっこいいみたいな時代だった。
しかもボーカルが素晴らしい、コーラスがすごい、というところにひかれていった。
家にはピアノがあり、ギターでかぐや姫なども弾いていた。
実はクイーンのカバーCDを出していて、5〜6年前にライブもやっている。
バンドは同郷の人と一緒に島根健バンドという名で、錦織健ではなく「しまね けん」という名前でボーカルをしている。
クイーンとオペラの関係、フレディの幅広さはフレディのアンテナの広さによるもので、オペラもその一つ。
ボーかリストは自分の好きなキーで曲を作るが、オペラの世界でよくあるキーを使っている。
どこが一番いい声が出るかを探した結果、そうなったと思われる。
ロックの世界ではギタリストが曲を作ることが多く、そのせいでギタリストが弾きやすいキーEが多いがクイーンは違った。
ボヘミアン・ラプソディとオペラの関係について。
オペラの曲の中にボヘミアンのオペラパートの元ネタを発見した。
それは「ナクソス島のアリアドネ」という曲。
スカラムーシュが出てきて踊りましょうと歌う。
オペラ通の間では有名な曲だが、一般的にはあまり知られていない曲なので、フレディはそういうのを見に行ってたようだ。

第4回コピーバンド選手権
今回は46組のエントリー。
第一次審査を通過したのは10組、その中から優れたものを選ぶ。
今回もとても個性的な面々が並ぶ。
ギター歴1年の人から50年の人まで参加。

キエフ

2022年02月27日 | 音楽
ルネッサンスの隠れた名曲「キエフ」を久しぶりに聴いた。
7分半ほどある長い曲だけど、ボーカルパートはAメロとサビだけで構成されたわりとシンプルな作りである。
その代わりインストパートは複雑でテクニカルで、クラシック曲からの引用もある。
美しいピアノのイントロの後バンド演奏が入り、普通にボーカルが入る。
この曲のリードボーカルはベースのジョン・キャンプで、淡々とした大人しい歌い方がいい。
サビになるとアニー・ハズラムのコーラスが加わるのだけど、主旋律がフレーズによってジョンだったりアニーだったり入れ替わるのが面白い。

この曲が発表された1970年代前半頃のキエフは、今のウクライナの首都キエフではなく、ソビエトの都市キエフである。
しかし、おそらく歌詞で歌われているキエフはそれよりもっと古い時代のような気がする。
詩を書いたのは、ルネッサンスの専属作詞家であるベデイ・サッチャーだ。
この人の詩にはよくロシアが登場する。
元々ロシア系の人なのか単なるロシア好きなのか、その辺はよくわからないのだけど、この曲で描かれるキエフは、とても寒くて厳しい。
そんなキエフの様子がもの悲しい旋律で表現されている。
一つ救いを感じるのは、エンディングがメジャーコードで終わってることだ。
寒い冬の終わりを感じさせるアレンジだと思う。

Renaissance - Kiev


この曲のライブバージョンをYouTubeで聴くことが出来る。
オリジナルよりテンポが遅く、よりヘヴィな現実を突きつけられるような雰囲気を醸し出している。
基本的にスタジオ版と同じアレンジだけど、少し生オーケストラが入ってる。
オーケストラとの共演はルネッサンスのライブではよくあることなので、おそらくそうだろうけど、かなり控えめではある。
中間のインストパートも原曲通りで、ラフマニロフからの引用もある。
違うのはエンディングで、コーラスワークでは少しメジャーキーになるものの、そこから再びインストパートに突入し激しくなるところだ。
ライブ映えするけど、ちょっと救いがないような気がするのだった。

Renaissance - Kiev - LIVE




ドーンFM

2022年02月19日 | 音楽
ザ・ウィークエンドのニューアルバム「ドーンFM」がなかなか良い。
一昨年、全米シングルチャートの常連だったので何度も聴いていたけど、まあ普通にいいポップスだなくらいにしか思ってなかった。
とくに新しさを感じるわけでもないし、特別素晴らしいメロディラインとも思わなかった。
なので、このニューアルバムもそれほど期待してなかったけど、予想に反してスッと心に入ってきたのだ。

僕は思うんだけど、ここ2年くらいリアルタイムの音楽を聴き続けたことにより、ようやく自分の感性が時代に追いついたような気がする。
前はヒットチャートや話題の新作なんかを聴いてもなかなかピンと来なかったけど、いつのまにかスンナリ受け入れられるようになってきた。

で、この「ドーンFM」、その名の通りアルバム全体がFM仕立てになっている。
架空のラジオ局ドーンFMから流れるザ・ウィークエンドを聴く、という形で、わりと昔からある手法だ。
とくにクルマでドライブしながら聴くといいだろう。
内容は極上のシンセポップで、意外にオーソドックスな内容だと思う。
この人、黒人というだけでR&Bとかソウルにジャンル分けされてるけど、ぜんぜん違う。
知らない人に白人だといっても普通に通用するだろう。
とくに「サクリファイス」という曲、リズミカルなリフを中心としたポップロックで、とてもカッコいい。
アレンジを変えたらそのままハードロックになりそうな曲だ。
オススメです。

The Weeknd - Sacrifice (Official Music Video)