Music Mania

No Music No Life

我が家の問題

2014年07月26日 | 読書
奥田英朗の新しい文庫本が発売されたので、早速買って読んだ。
「我が家の問題」という題名の短編集だ。



これは前の短編集「家日和」の続編のようなもので、どこにでもある平凡な家族の、ありがちな悩みをテーマにしている。
殺人もなければ、娘が突然行方をくらますことも、ヤクザにからまれることも、家族が自殺するわけでもない。
「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、これを読むと、「小説は事実より平凡なり」といえるくらい日常的である。

内容は以下の通り。

・妻が完璧すぎるあまり、帰宅拒否症になった夫の話「甘い生活?」。
・仕事ができないお荷物社員の夫をもつ妻の苦悩を描いた「ハズバンド」。
・離婚するかもしれない両親と暮らす娘の話「絵里のエイプリル」。
・突然「オレ、UFOと交信してるんだ」とか言い出す不思議な夫をもつ妻の悩み「夫とUFO」。
・結婚して初めてのお盆休み、北海道と名古屋、それぞれの実家へ顔出さなきゃいけない夫婦の気苦労を描いた「里帰り」。
・マラソンにはまる妻をもつ小説家の話「妻とマラソン」。

最後の「妻とマラソン」以外、問題をかかえる我が家は、皆中流の上くらいに属する人たちだ。
名の知れた大学を出て、都内の大企業の正社員、年収700万~1000万円くらいの、いわゆる勝ち組の人たちである。
しかし、勝ち組だからといって、毎日バラ色の人生なはずはなく、些細な、しかし当人にとっては深刻な「我が家の問題」が存在するのだ。

最近「無敵の人」といわれる人がいる。
仕事もなく、友達も恋人も家族もなく、家も土地もクルマも貯金もない、失うものが何もない人は、悪いことをして捕まっても、被害者以外困る人がいない人だ。
それに対してここに登場する人たちは、家族、地位、財産、家、親類縁者など、失うものが多い、だからといって問題をすべて金で解決できるほど富裕層でもない、「最弱の人」なのかもしれない。

最後の「妻とマラソン」だけ主人公がサラリーマンではなく小説家で、家をテーマにした短編集“家日和”の「妻とロハス」の続編だ。
おそらく、モデルとなってるのは奥田氏本人と思われる。
これによると、「1千万くらいならなんとかなる」ほどの収入があるようで、お金に困ることは皆無、しかしあくまでも庶民感覚で暮らしているのが面白い。

とっても軽く読める短編集なので、ちょっと時間が空いた時などにオススメ。
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3人組バンド

2014年07月20日 | 音楽
マイナビウーマンによるアンケート調査で次のようなものがあった。

バンドの構成人数はいくつかありますが、その中のひとつ「3人組」バンド(スリーピース)。
みなさんは、「3人組」のバンドと言われたら、どのバンドを思い浮かべますか? 
今回は、働く女子に聞いてみました。

Q.「3人組」バンドと言われたとき、真っ先に思い浮かべるバンドは?
●1位/いきものがかり……57.6%
○2位/レミオロメン……15.2%
●3位/ACIDMAN……2.5%
○3位/サンボマスター……2.5%
●5位/THE ALFEE……2.1%
●5位/GO!GO!7188……2.1%
○7位/凛として時雨……1.7%
●8位/TRICERATOPS……1.3%
○8位/ゆらゆら帝国……1.3%
●8位/Hi-STANDARD……1.3%
○8位/UNISON SQUARE GARDEN……1.3%


1位はいきものがかり。
うーん、僕の感覚からいくと、いきものがかりってバンドじゃなくてフォークトリオなのだが。
ボーカルの吉岡聖恵は自分たちのことをバンドだと言ってるので、彼女の定義によるとそうなんだろうけど、違和感がある。

厳しいことをいえば、本当の3人組バンドとは、ライブでも3人だけで演奏するバンドだ。
たとえ正規メンバーが3人であっても、ライブで何人ものサポートミュージシャンがいるのは、真のスリーピースではない。

海外のバンドでスリーピースといえば、クリーム、ELP、ポリス、モーターヘッド、ZZトップなどいくつもあるが、彼らは全てライブも3人だけで行う。
当然、一人当たりの役割が大きくなるので、演奏力はもちろん、アレンジ力や工夫も必要になり、実力派でないとライブがボロボロになる可能性がある。
そのかわり聴く側からすれば、「演奏を味わう」というロックな聴き方をじっくり楽しむことが出来るのが醍醐味だろう。


スリーピースバンドの大半はギター、ベース、ドラムの3人で、キーボードを中心としたトリオは何故か少ない。
ELP、後期UK、YMOあたりが有名所だが、やはりロックはギターというイメージが強いからだろうか?
可能性としてはキーボードトリオのほうが大きいと思うが。

スリーピースバンドはロックの基本でありながら、最終的に到達するのもここだという気がする。
多人数バンドだと埋もれがちなベースラインも、スリーピースだと存在感が増す。
そしてギターソロ時、バックを支えているのはリズム隊のみという空間。
イントロからエンディングまで音で埋め尽くされている音楽に慣れた耳だと、スカスカに聴こえるかもしれないが、その“間”や“空間”にロックを感じるようになれば、また音楽の聴き方も変わると思うのだが。

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岸谷香とエピフォン

2014年07月19日 | 邦楽
昨日の夜、元プリンセス・プリンセスの岸谷(奥居)香が、イギリスを旅する番組をやっていた。
場所はビートルズの出身地として知られるリバプールで、ジョンやポールの生まれた家などを巡っていたのだが、番組の趣旨としては、それよりも別のことがメインだった気がする。
それは、岸谷香がリバプールの楽器屋でギターを買う、というドキュメントで、エピフォンのセミアコとベースを買っていた。
エピフォンといえば、ジョンもジョージもポールも愛用していたギターで、ビートルズ出身地でビートルズにゆかりのあるギターを買うというのは、なかなか趣のあることだと思う。

それにしても岸谷香はオバチャンになったなぁ、という印象だ。
「オバサン」でも「アラフィフ」でもなく、「オバチャン」という感じ。
今回、髪型もせいもあると思うが、ちょっと口のうるさい元気あり余るオバチャンなのだ。

ツイッターでは、今回の番組を見て、「岸谷香ってギター弾けるんだ」と驚いている人がけっこういた。
プリプリのライブでもテレビ出演でも、ギターを弾くことがあったと思うが、どうしてもマイクをもって踊り歌う姿が目立っていたのだろう。
僕が見る限り、弾ける弾けないというレベルではなく、同じプリプリのリードギター、中山加奈子よりも上手いんじゃないかと思う。
ギターだけでなく、ベースもキーボードも弾けるので、なんでも器用にこなすことが出来る人なのだ。

話をエピフォンに戻そう。
エピフォン社はギブソンに回収され、今では「ギブソンの廉価版」みたいなイメージがある。
生産国は英国ではなく韓国か中国で、値段もリーズナブルだ。
ツイッターでは「わざわざイギリスまでいって、アジア製ギターを買うなんてw」という声もあるが、それはちょっと違う。
岸谷香は言う。
「自分の子供を抱いたときちょうどデコとボコがピッタリ合う感じ、他所の子を抱いてもなんかピッタリこないんだよね。ギターも自分に合う合わないがあって、『これだ!』というのはデコとボコが合う感じ」と言っていた。
そして自分で弾いて音色を確かめる。
それで気に入れば、生産国がどうとか、値段がどうとか関係ないだろう。
ブランドではなく、ちゃんと自分の腕、身体、音色でギターを選ぶことが出来る人なのだ。

ちなみに僕のギターは、エレキ=日本製、アコギ=中国製、エレアコ=韓国製という、オールアジアだ。
買ったときの値段は、エレキ=35,000円(アウトレット品)、アコギ=22,000円、エレアコ=10,000円(ジャンク品)、全部足して67,000円という超安物だ。

岸谷香は子供も大きくなってきたので、本格的に音楽活動を再開するらしい。
曲が好みにあえば、ちょっとライブに行ってみたい気がする。
今後の動向に注目だ。
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パンがなければケーキを食べればいいじゃない

2014年07月12日 | 日常
朝はパン食だ。
別に特別なパンを食べているわけではなく、市販の食パンを食べている。
しかし、昨日の朝はパンを切らしており、仕方なくバームクーヘンがあったのでそれを食べた。
パンがなければケーキを食べればいいのだ。

ところで、かの有名な言葉である「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」は、ルイ王朝時代の王妃、マリー・アントワネットが言ったとされる。
真相は別にして、ユーモアとしてはなかなか面白い。

召使い「アントワネット様、国民は重税のため、パンが食べられないと、不満が爆発しそうです!」
アントワネット「ふーん、そうなんだ。でもさ、パンがなければケーキを食べればいいんじゃない?私ならそうするけどなー」

この「パンが食べられない」という意味をまるでわかっていないセリフは、アントワネットが言ったとした方が、ユーモアとしての完成度が増すと思う。

というわけで、こういうのはどうだろう。

召使い「非リア充のA君が、夏だというのに女友達がいないとボヤいてますが」
アントワネット「女友達と遊べないなら恋人と遊べばいいじゃない」

召使い「浪費癖の酷いB子さんが、借金で首が回らないと言ってます」
アントワネット「首が回らないのなら、身体を回せばいいじゃない」

召使い「売れないロックバンドが、ライブハウスのチケットがさばけないといってます」
アントワネット「ライブハウスがダメならドームでライブすればいいじゃない」

召使い「失恋したC君は、いくら酒を飲んでも酔えないといってます」
ア◯カ「酒に酔えないなら脱法ハーブを吸えばいいじゃない」

召使い「先生、会計がおかしいと問い詰められてます」
N議員「会計が合わなければ、泣き叫んでごまかせばいいじゃない」
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軍師官兵衛がわりと面白い

2014年07月06日 | 日常
今年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」だが、なかなか面白いと思う。

最初は、「また戦国、それも信長、秀吉関連か」と思ったものだが、見ていると引き込まれるものがある。
何より、なんの予習もなく普通に見ているだけでストーリーがよくわかるのがいい。
もちろん、この辺りの時代は、何度も何度もドラマ、映画などで扱われ、司馬遼太郎の歴史小説でも幾つもの作品があるので、戦国好きの人なら予備知識は万全だろう。
だが、それだけではないと思う。
今まであまりクローズアップされてこなかった小寺政職、荒木村重といった武将も、味のある演技とストーリー展開により、このドラマを面白くさせている。
このわかりやすさ、というのは、前回や前々回に欠けていたところで、とくに最低視聴率を記録した平清盛に決定的に欠けていたところだ。
事前にウィキなどで予習していれば、平清盛も充分面白かったが。

ドラマでは、来週あたり本能寺の変で織田信長が倒される。
ここから秀吉の快進撃に追い風が吹き、官兵衛は軍師としてそれを支えることになる。
このペースでいくと、8月末くらいに秀吉が天下をとり、10月死去、11月に関ヶ原の合戦か?
これからの展開が楽しみだ。

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