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No Music No Life

キエフ

2022年02月27日 | 音楽
ルネッサンスの隠れた名曲「キエフ」を久しぶりに聴いた。
7分半ほどある長い曲だけど、ボーカルパートはAメロとサビだけで構成されたわりとシンプルな作りである。
その代わりインストパートは複雑でテクニカルで、クラシック曲からの引用もある。
美しいピアノのイントロの後バンド演奏が入り、普通にボーカルが入る。
この曲のリードボーカルはベースのジョン・キャンプで、淡々とした大人しい歌い方がいい。
サビになるとアニー・ハズラムのコーラスが加わるのだけど、主旋律がフレーズによってジョンだったりアニーだったり入れ替わるのが面白い。

この曲が発表された1970年代前半頃のキエフは、今のウクライナの首都キエフではなく、ソビエトの都市キエフである。
しかし、おそらく歌詞で歌われているキエフはそれよりもっと古い時代のような気がする。
詩を書いたのは、ルネッサンスの専属作詞家であるベデイ・サッチャーだ。
この人の詩にはよくロシアが登場する。
元々ロシア系の人なのか単なるロシア好きなのか、その辺はよくわからないのだけど、この曲で描かれるキエフは、とても寒くて厳しい。
そんなキエフの様子がもの悲しい旋律で表現されている。
一つ救いを感じるのは、エンディングがメジャーコードで終わってることだ。
寒い冬の終わりを感じさせるアレンジだと思う。

Renaissance - Kiev


この曲のライブバージョンをYouTubeで聴くことが出来る。
オリジナルよりテンポが遅く、よりヘヴィな現実を突きつけられるような雰囲気を醸し出している。
基本的にスタジオ版と同じアレンジだけど、少し生オーケストラが入ってる。
オーケストラとの共演はルネッサンスのライブではよくあることなので、おそらくそうだろうけど、かなり控えめではある。
中間のインストパートも原曲通りで、ラフマニロフからの引用もある。
違うのはエンディングで、コーラスワークでは少しメジャーキーになるものの、そこから再びインストパートに突入し激しくなるところだ。
ライブ映えするけど、ちょっと救いがないような気がするのだった。

Renaissance - Kiev - LIVE



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