たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

百観音めぐり

2006-11-23 11:37:21 | Weblog
 西国三十三、坂東三十三、秩父三十四と計百観音を回り終えた。お寺も100箇所にもなると、何か特長があり印象に残ったお寺以外一つひとつのお寺を思い出すことはできない。境内に1000年を経た古木が生えていた寺、長い石段や山道をあえぎながら登りようやくたどりついた寺、境内からの眺めが素晴らしい寺などは直ぐに思い出すことができる。しかし多くは田んぼと隣り合わせにあるお寺、こんもりした山の中腹にあるひなびたお寺、町中の商店街のはずれにある寺であり、一つひとつを思い出すことは難しい。でも特徴はないがそのひなびた味わいのある寺はいいものである。
 なんのために観音めぐりをするのか。その理由はいろいろあるようだ。一般的にはいわゆる祈願成就である。病気や生活上の悩み苦しみを癒され、願いごとがかなえられるようお祈りする。しかしそればかりではない。
 お寺めぐりをしている年代層は60歳以上の人がほとんどだ。男女比率では女性の方が多い。目的も観光的意味が大きいようだ。だがお寺のあるところは決して観光地ばかりでない。むしろ何の変哲もない田舎のほうが多い。しかしそんな地方の風景を見る機会を持てるのもお寺めぐりをすればこそである。
 人生も晩年となり、心にたまった垢は積もり積もっている。この垢をきれいに洗い流し、清澄な心を取り戻したい。そんな気持ちでお寺をお参りすると気分がすがすがしくなる。気分がすがすがしくなると体調までよくなるから不思議だ。またお参りのために歩くことも体調を整えることに繋がっているのだろう。病は気からという諺があるが、明るく清澄な心は体内の免疫力を増す効果があるとも言われている。