たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

景気動向不安

2006-11-21 18:15:19 | Weblog
 最近株価の動向が思わしくない。いざなぎ景気を超える長期の景気回復が続いているがいざなぎ景気の時とは中身が違う。経済の成長率は低く、企業の収益は伸びても賃金は横ばいで上がっていない。賃金が上がらないので消費は伸びない。国内需要は拡大せず、企業はもっぱら輸出に依存している。企業の収益は株主配当や役員報酬に手厚く従業員の賃金にはなかなか回ってこない。
 企業としては収益が上がってもそれを賃金に配分することにはためらいがある。人件費が上がると国際価格競争に勝てなくなるからだ。発展途上国の技術水準も飛躍的に高まり、同質の製品を安価に生産するようになって来た。これには日本の優秀な技術力をもってしてもなかなか太刀打ちできない。また賃金は一度上げるとなかなか下げにくい。そんな事情もあって企業は固定化する人件費を抑え、派遣社員やフリーターの割合を高め人件費の流動化を図るようになった。
 こうした傾向は企業全般に広がってきており、賃金に回るお金は横ばいが続いている。政府は世界的にも高いとされている日本企業の法人税を引き下げ、賃金への配分を増そうと考えているようだが、果たして思惑通り賃金に回るか疑問だ。
 国内消費が拡大していかないと景気の先行きは怪しくなる。こうした景気の先行き不安から株価も頭を抑えられることになる。年金資金も株価の上昇で運用益が出ているが、これが再び落ち込むようなことにならないように願いたい。