たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

宗教令

2006-03-07 20:26:51 | Weblog
 イラクで香田さんが殺害された事件で、実行犯が捕まり取調べが行われている。報道によれば、犯人は、殺害したのはイスラム教の宗教令に従ったものであり、それに従わなければ自分が殺されると供述しているという。イスラム社会では、その教義が法律と同等か、ことがらによってはそれ以上の強制力を有することもあるといわれる。
 これで思い出すのが、フランキー堺主演の「私は貝になりたい」という映画だ。先の大戦において日本軍の一兵卒が上官の命令で捕虜を殺害した件で、戦後、米軍により戦犯として逮捕され絞首刑となる話である。取調べで捕虜を殺した理由を問われ、上官の命令だと答えたところ、なぜ命令を拒否しなかったのかと再度問われた。そこで上官の命令は即ち天皇陛下の命令だから絶対で拒否など出来るものではないと答えたが、そんなことは理由にならないと処刑されてしまう物語だ。
 軍隊で徹底的に叩き込まれた特殊な思想を別の世界の人間に説明することは不可能であり、空しいだけである。いかなる戦争も人を狂気の沙汰にするだけだ。