山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

◆うれしい報告(川西町育成会)

2012年07月05日 | 日記
川西町手をつなぐ育成会の事務局をしていただいている事業所
「たんぽぽ」の塩野さんから、うれしい連絡が来ました。

未就学児のお子さんを持つ親御さんが2名、川西町育成会に
新規入会してくれたとのことでした。

それで、全日本の機関紙「手をつなぐ」も読みたいからと、冊数追加の
連絡もかねて報告してくれたのでした。

どこの市町村育成会からも、「会員の高齢化で、退会者がいる」
「新規の会員がいない」というようなアンケートだけを多く見ていたので
私も、とっても嬉しくなりました。

私が「その年代の方は、その年代なりの悩みなども持っていますしね」
と言いましたら、塩野さんも、「そうなんです。やっぱり、その年代は
就学問題などで悩んでいるようでしたね。
私も若い年代の親御さんとは、これまで接した事がなかったので、
勉強しなくてはいけないと思っているんです」と
とっても嬉しそうに話してくれました。

どこの地区にも、未就学児の親御さんや学齢児の親御さんは
いらっしゃいますし、それぞれの悩み事も持っていらっしゃいます。
育成会の先輩親御さんたちの経験豊富な話を聞くだけでも
子どもの将来が少し見えてくる事もあります。

ぜひ、若い親御さんに一緒に手をつなぎましょう
声をかけてみてくだい(F)







合理的配慮による心のバリアフリー化

2012年07月05日 | 地域福祉

 「心のバリアフリー化」を図るための研究報告書が発行された。
 次のタイトル書である。

 心のバリアフリー化に関する促進・啓発事業企画実行委員会 委員長 坂巻 熙(さかまき ひろむ)編「平成22年度心のバリアフリー化に関する促進・啓発事業」平成24(2012)年2月29日刊(社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会)

 本誌の「第2章 座談会 心のバリアフリーに関するアンケート調査をめぐって」(p.63~p.107)から興味深い発言を引用する。
 その第10回目。
 細川瑞子氏(全日本手をつなぐ育成会中央相談室長)は、合理的配慮の配慮をケアととらえ、心のバリアフリー化につながるような考えを以下のように述べる。(p.92~p.93)
                 
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【引用始め】(p.92~p.93)

 細川:
 みんな同じでなきゃいけないって言いながら、能力だけはちゃんと序列をつけるというのが、今の世の中です。
 虐待防止法の考え方は、上下関係が虐待構造になるということからきています。
 差別禁止法が目指すのは、機会均等です。
 イコール・オポチュニティです。
 入り口での平等と言い換えてもいいかと思います。
 男女平等、人種平等等と同じです。
 「同じスタートラインにさえつかせてもらえば、その後は自分の能力で何でもできます。結果の不平等は問いません」というのが、今の流れの中にあります。
 これが果たして知的障害にとっては公平なのか。
 それでいいです、とは到底言えない。
 障害者の権利条約の中にもある、合理的配慮について、今後、どのように考えていくかが大きな問題になろう。
 合理的配慮とは、リーズナブル・アコモデーションの訳です。
 アコモデーションは、ハード的な面が中心です。
 でも、日本語で“配慮”と言うと、アコモデーションではなく、ケアなのではないかと思います。
 ケアだと、人間性とか、ソフト面、あるいは心のバリアフリーにもつながってきます。
 配慮とはケアの充実と考えるべきです。
 ケアは福祉の分野だけでなく、経済分野でも重視されるようになってきています。
 平成11年(1999)に、OECDは「21世紀はケアリング・ワールド」という報告書を出しています。
 これに関連して引っ掛かるのが、近年、当事者の主張を極端に重視する傾向です。
 知的障害の人も自己決定しろとか、意思決定支援だとか、といったことです。
 しかし、どんなに手を尽くしても自己主張ができない人は、必ず世の中にいます。
 そういう人たちを排除する、新たな線引きがされないか、気にしているところです。
 差別禁止にかかる条例が次々とできており、法律も近い将来できます。
 能力主義をどうするか、自己責任とのからみを考えざるをえない。
 いろいろな障害があること、障害者の特性についても、他障害の特性についてもお互いに学び合い、理解して、配慮していかなければならない。
                     
【引用終わり】

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 能力主義、機会均等主義、自己責任、自己決定、意思決定支援といった進歩主義的な考え方は、必ずしも知的障がい者にとっていいものでない。
 どんなに重い障がい者があっても、暮らしやすい考え方の構築が必要である。    
 (ケー)