ロクイチが走るまで(上)

2015年06月17日 23時49分00秒 | 公開記事

EF5861+ゆとりの団体貸切列車の実施から今日で8年が経ちました。
毎年この時期になるとひたすら夢実現のために全力投球した青春時代が思い出されます。
さて、今回はレイルマガジン2007年10月号に寄稿した「ロクイチが走らせるまで」を加筆修正して3回に分けて掲載していきたいと思います。

・JRで団臨を走らせる!?
 法政大学小金井鉄道研究会(以降、「当会」と記載)は2008年度で創立55周年を迎えるにあたり、「55」と言ったらあれだよなということで、ある現役会員からJR線でEF55 1牽引お座敷客車ゆとりの団体臨時列車を走らせようという一見無謀な提案が飛び出したのは2006年5月のことでした。
 当時の鉄道趣味は本当に廃れていて、当会も解散寸前。そこで、OB会であるマイロネフクラブの幹事会に話を持ちかけたところ、創立55年で歴史に終止符を打つなんて有り得ない!と絶対実現させよう!と満場一致でGOサインが出たことで、いよいよスタートラインに立つこととなりました。とは言うものの、三セクならまだしも大手JRで列車を走らせた経験はなく、実現には金銭や参加者確保の問題、JRとの折衝など、多くの困難が懸念されたのも事実でした。
 そこで、法政大学市ヶ谷キャンパスの鉄道研究会にこの企画を相談することにしたのです。幸い、現役・OB会ともに、この企画には大賛成で全面協力の意向を示していただけました。ただし、市ヶ谷鉄道研究会は当時、創立37周年ということもあり、EF55は断念。それに代わる機関車はやっぱりロクイチ(EF5861)だよね、この機関車ならミステリーが良いよね、もちろんヘッドマークは付けるでしょと話はどんどん弾み、2006年11月に実行委員会が発足すると、ようやくこの企画は具体的に前進することになります。

・ロクイチとミステリー行路
 第1回目の実行委員会で、JRへの依頼要件をまとめます。実施日はまだ梅雨に入らないであろう6月上旬に決めると同時に、始発駅発車時刻や編成、ミステリーな行程など、より具体的な希望で可能な範囲に絞り込みます。こうして12月下旬、初めてこの企画実施について、事前にご紹介をいただいたJR東日本の担当者に相談しました。
 数日後、回答がありました。意外にもEF5861牽引とヘッドマーク掲出に関してはOK。行程は、品川-新宿-立川-大宮-高崎・高崎-大宮-田端操-松戸-上野、高崎にて撮影会ということでお願いしていたところ、新宿-立川間の中央線区間はEF58を運転できる人がもういない。また、高崎の撮影会も一般団体は不可とのことでした。しかも、ゆとりは6月の日曜日で空いているのは梅雨真最中と思われる17日だけ。さらに、1月上旬までに正式な依頼をもらわないと6月実施はできませんとまで言われ、どうすんだよ・・・と新年を迎えてしまいました。
 大学の諸行事を考慮すると、やはり6月が比較的余裕があるということもあり、運転日は6月17日で決定。その他、目的地は横川(到着後は碓氷峠鉄道文化むらに入園)に、行路も新鶴見信・武蔵野線経由に変更して、正月早々に押し掛け交渉の末、依頼を受け入れてもらうことができました。
 それから1ヶ月後、JRの担当者から電話がかかってきました。
「残念ですが、行路がダメなんです。」
どうやら武蔵野線(新鶴見信界隈)や田三線(田端操-三河島間)はポイントがEF58に非対応で通過できない可能性があるようなのです。しかも、4月頃に行われる入線検査で、一箇所でもNOが出たら企画自体白紙。実行委員長に究極の選択が迫られました。
 1. EF5861牽引のままで、行路を品川-横川-上野の直行直帰にする
 2. EF5861をやめてEF65やEF64牽引に変更する
 3. 一か八か入線検査の結果を待つ
実行委員長は、泣く泣く結論を出しました。ロクイチでの実現を優先すると…。

・参加者の募集
 お座敷客車ゆとり(2008年で引退)は、14系6両編成で定員は160名。責任人数は9割なので、最低でも144名は乗せなくてはなりません。両OB会の総会員数は約250人ですので、応募資格は会員とその家族・友人までに留めることにします。3月上旬に正式なパンフレットをOB会員宛に郵送し、「お座敷客車ゆとりで行く EF5861牽引ミステリー列車の旅」、参加費は弁当や記念品をつけて大人12,000円、小人8,000円とし、応募を開始しました。



 応募が始まっても比較的参加費が高めとあって、なかなか応募がありません。締切日1週間前でまだ50人程度しか集まっていない状況に実行委員やOB会の幹事は困惑の色を隠せない状態でしたが、その後一気に応募があり、満員御礼とあいなりました。

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今となってはEF55をやめてEF58でやろうなんて、なんとも贅沢な話です。
実は当初のミステリー行路は一旦はスジも確保できていたようです。しかしながら運転士がいない問題やポイントが通過できないという都合から、次第につまらないものとなってしまったことがわかっていただけると思います。確かにEF58が引退した直後、新宿駅のポイントが変更され、速度制限が45km/hから55km/hに変わったのも同機の特異な車軸配置が原因だったのかもしれません。
さて、次回は準備奮闘記~前夜祭までをUPしたいと思います。お楽しみに!


D51498が再び郡山へ

2015年06月17日 23時47分09秒 | JR 運転・車両

6月27、28日に福島~郡山間で運転されるSLふくしまDC号に向け、
4月に続き、再びD51498が郡山へ向け輸送されました。

配9551レ EF65501+D51498+12系 2015/06/17 5:29 東北本線東鷲宮~栗橋間 
(クリックすると拡大画像をご覧いただけます)

 
D51には副灯が設置されている 

前回のD51498郡山送り込みの記事はこちら