つぶやき、遊び・仕事・日常

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伝説となった「少年ジャンプ」

2020-02-10 07:34:12 | 日記
今日は昨日の続編です(脚色あり)。

1911年3月11日、東日本大地震が発生しました。
この時、仙台市ではライフラインが復旧したあとも、本や雑誌の流通は完全にストップしていました。
子供たちが毎週読むのを楽しみにしているマンガ雑誌も、本屋さんには届きません。
「おじさん、少年ジャンプやコロコロコミックは届いた?」
「ごめん、届かないんだ。」
そんな会話が、あちこちの本屋さんで交わされていたのです。
テレビを観ても、流れるのは恐ろしい映像ばかりです。
だからこそ、子供たちにマンガ本を読ませてあげたい。
本屋さんも、そう考えていたのです。

◆少年ジャンプが届いた
 そんなある日、一人の青年が少年ジャンプを持ってきて、ある本屋さんにこう言います。
 「これ、ボクはもう読んだので、良かったらみんなに読ませてあげてください。」
 聞けばそのお客さん自身も少年ジャンプが読みたくて、山形まで行って購入したものなんだそうです。
 
 本屋の店主さんは、さっそく店頭に貼り紙をします。
 少年ジャンプ3月19日号、読めます!!
 店主は、この少年ジャンプを立ち読み自由にしたのです。
 そう、「シェア」することを選んだのです。

 それを見た子供たちが次々と店にやってきます。
 ウワサはすぐに広がり、翌日にはお店には長い行列が・・・
 震災以降ずっと怖がっていた子供たちが、ようやく明るい顔になったのです。

 さらにこの本屋さんに、「この本も置いてあげて欲しい。」と、沢山の新刊マンガ本が集まりました。
 無料で読んだ子供たちは募金箱を設置し、津波被害を受けた地域に本を届けるプロジェクトに寄付しました。
 一冊の少年ジャンプは、何百人もの子供たちに読まれてボロボロになり、伝説となったのです。
 独り占めはつまらない。
 でも、シェアするとみんなが幸せになる。
 一番幸せだったのは、最初に寄贈した青年だったかもしれませんね。