某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「昭和」を人々の唇に遺して、時代の語り部、逝く・・・

2007年08月04日 | 【徒然随想】

既に大きく報道されている通り、
阿久悠さんがご逝去されてしまいました・・

私の音楽生活は阿久悠さんの活動期と丁度重なります。なので、私の人生は阿久悠さん抜きで語ることは絶対できません。それどころか、阿久さんの歌を通じて教えて頂いた事が沢山ありました。それは意識・無意識を問わず、とても大きな影響を私の心に与えてくださいました・・・

阿久悠さんの歌詞に感動し、驚き、ワクワクし、時には涙し、あの「時代遅れ」のような男像に憧れました・・・。そう、時には人生の師であったと言っても過言ではありません。

私が思う阿久さんの歌詞の特徴は、例えば松本隆さんの歌詞は誰の歌詞であってもガラス細工のような繊細な松本隆さん自身の感性が一貫して貫かれているのに対し、阿久さんの場合は、シンガーによっていろんな世界が表現された事だと思っております。つまり、「歌手=クライアント」に対応して「引き出し」をがらっと変える事が出来る数え切れないほどの多重性と柔軟性が感じられました・・・。また阿久さんの歌詞は、歌い手自身にきちんとした人生の色(個性)がないとなかなか歌えないような、深みや重みがありました。

そして、どの曲にも、ささやかだけど懸命に生きている市井の名も無き庶民達への暖かくて優しい・・・そうまるで「慈悲」のような深遠な眼差しさえ感じられるのでした・・・

思えば数ヶ月前に聴いたニッポン放送の倉本聰さんのラジオ番組「富良野からの風を」(日曜早朝)でのお声があまりお元気でなかったのがとても気がかりでした。もちろんご病気あることは知っておりましたので理由はわかってはおりましたが、やはりとても気がかりでした・・・

今の私の思いは、阿久さんへの感謝の念だけ・・・

沢山の歌を通じて、一人ではとても経験できないいろいろな人生の物語と深遠さ、更には人の「業(ごう)」や人が生きているが故の悲哀みたいなものさえ教えてくださいました。もちろん、時に生きる希望まで私に与えて下さいました。

今まで本当にありがとうございました。

どうぞ安らかにお眠り下さい。
そして天国でも、その旺盛な創作意欲で沢山の人々を楽しませて下さい。

合掌


 

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