某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「宙船(そらふね)」-TOKIO

2006年08月30日 | ♪国内 -グループ


「宙船(そらふね)」-TOKIO
作詞/作曲:中島みゆき
編曲:船山基紀

素晴らしい!

誰かが、この曲を聴いて「感動でうち震えた」と書いていましたが、まさにそんな感じ。昨日CD屋さんに行ったら(見本パッケージは沢山あったのに)全部売り切れていましたよっ!残念!どこでも同じような状態らしいです。すごいですね!

これだけ事前の売上予測を(良い意味で)大きく外した楽曲は、最近では珍しいのではないでしょうか?作者との組合せの意外性もあるし、多く世代の支持がある曲なんだと思います。この曲の魅力は、なんと言っても「中島みゆき」さん曲であることでしょう。ボーカルの長瀬さんの歌い方にも"みゆき節"が強く出ていますよね(笑)。ところでこの曲を、勝手ながら私なりにちょっと分析してみます・・・

<なぜ中島みゆきさんなのか?>
そもそも中島みゆきさんへ依頼は、Bank Bandの「糸」など、昨今中島みゆきさんがいろんな世代から再び支持を集めている事が大きな理由だったのでしょう。稚拙な言葉ばかりの今の音楽界において、"世代を超えて言葉を伝えることができるのは、やはり中島みゆきさん"という事なのかもしれません。また、もちろん組合せの意外性/話題性も狙いに入っているのかも・・・?

<曲のコンセプト>
曲のコンセプトは、明らかにみゆきさんの「ファイト!」路線ですね。福山雅治さんや槇原敬之さんなどのカバーで一気に若年層に浸透したこの曲、スタッフにはそれが念頭にあったと思います。もっともドラマのテーマ曲でもあるので、創作上の制限はあったと思いますが・・・。

自分を見失いがちな若者世代に向けて、
強く生き抜く事を訴えていますね

歌詞が素晴らしいです。文学でもあります。

<楽曲について>
サウンドは、いわゆる"ロック"に括られるでしょう・・・。でも、サウンドをはぎ取ってみると、その本質は"フォーク"であるとも感じます。人の心に寄り添う感じ。この曲は、下手にロックを標榜する薄っぺらな昨今のアーティストの楽曲より圧倒的に完成度は高いし、また説得力もありますす。

<アレンジ/演奏>
アレンジは"天才編曲家"船山基紀さんですね。この方は、70年代後半から日本の音楽界のレベルを飛躍的に引き上げた"天才編曲家3人組"の一人です。つまり、萩田光雄氏、大村雅朗氏、そしてこの船山基紀さんでした。3人ともYAMAHA合歓のご出身。
船山さんは、早くから自分のスタジオを持ち、いち早くデジタル制作の先駆者になられた方でもありますね。特に80年代、そのセンスの良いデジタルビートに私はいつも感動させらてきました。余談ですが、中島みゆきさんの大ヒット曲「悪女」は船山基紀氏です。また萩田氏には大ヒットした「ひとり上手」もあります。

今回のアレンジの肝は、太いベース音、それとやはり突き抜けるシンセ・ブラスだと思います。そのキレや、心や感情をコントロールさせられる音量・音圧の高揚感はこの人にしかできないでしょう!演奏は、実はどこまでTOKIOメンバーの演奏かはなんとも言えませんが(昔のC-C-Bの事があるので)でも素晴らしいです。音の微妙な「間(ま)」というかリズムの刻みがスリリングで、扇情的でさえあります。またわかりやすいコード感を活かした、心に突き刺さるような音の洪水ですね。

<ボーカル>
長瀬さんのボーカルも予想外に素晴らしい!語尾のシャウトがこの曲をメッセージを伝える"ロック"にしています。ただCDよりTVで歌ったライブの方が圧倒的に良かった。

<余談:中島みゆきさんについて>
みゆきさんは自作中心に語られる事が多いですが、でも意外にコンポーザー/職業作家の側面も多いですね。多分自分のキャラでは伝えきれない部分を誰かに託しているのかもしれません・・。ただ時々力が入りすぎるとちょっと狙いすぎてはずした作品もなきにしもあらずかなぁ・・・(^^;。フランスのパトリシア・カースに提供した「かもめの歌」、あれはちょっと"狙いすぎ"だったような・・・<おいおい(^^;

<みゆきさん自身>
謎が多いみゆきさんのプライベートですが、丹念に記事を拾っていくと、その人物像が透けて見えてきます。昔(デビュー時)からのみゆきフリークの私は折に触れていろんな記事をチェックしてきました。個人的に印象が深いのは、亡きYAMAHAの創始者、川上源一氏と合歓の事故犠牲者宅を一緒に回ったお話。
それと、実直で欲のない医者だったという父を早くに失った事。父の死後、父の通った居酒屋を探して歩いたという切ないお話・・・。きっと彼女は、永遠に父性を求めて彷徨う運命にある人なのかなぁ・・・なんて考えています。

※ちなみに過去のスキャンダルはここでは内緒です(笑)。

宙船/do!do!do!
TOKIO,中島みゆき,TAKESHI,HIKARI,船山基紀,3-5-2,山原一浩
Aniplex (music)

このアイテムの詳細を見る
ララバイSINGER
中島みゆき,瀬尾一三,中村哲,小林信吾,弦一徹
ヤマハミュージックコミュニケーションズ

このアイテムの詳細を見る
歌旅-中島みゆきコンサートツアー2007- [DVD]
YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS

このアイテムの詳細を見る

もしよろしければ↓画像のクリックをお願い致します
(Blogを続ける意欲の元になってます)

人気ブログランキングへ