某ファンサイト管理人の音楽随想記

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「Cry」-James Blunt

2006年04月26日 | ♪海外 -男性


「Cry」-James Blunt
composed by.James Blunt

アルバム「back to bedlam」(2005年)9曲目

出逢って数秒で恋に落ちた・・・

いや私の恋愛の事ではなく、このJames Bluntの音楽との出逢いの事です(笑)。

私は今のチャートモノ(数が多く出ているもの)にはロクなものが無いのと信じているので、だから意識的に"ヒット物"は避ける基準にしているので、このCDがどんなものか数日前まで全く知りませんでした(^^;。それに、ジャケットは何度も見かけたけど、センスがイマイチと感じて(輸入盤は更に)、そういう意味でもずっと無視しておりました。でも、この前、某CDショップの試聴機にあったのでついでに聴いてみたと言うわけです・・・。そして・・・

出逢って数秒で恋に落ちました・・

いやぁ~一曲目(「High」)の歌に入っての4小節程度ではもうノックアウトでしたワ。どんどん曲を送って行っても全然「捨て曲」がないし、本当に完成度が高いアルバムです。一発でイギリスの人だとわかる音ですが、録音はロスだったのが意外でした(笑)。この感覚、エルトン・ジョンの持つ音世界とかなり通じるものを感じます。天才を感じました。で、ネットでこの人を検索してまたまたビックリ!全米チャートまで制していたんですね・・・。今来日公演中だし、今度の金曜日はTV出演らしい・・・。

私のようにン十年も音楽を聴き続けていると、残念なことに心から素晴らしいと思える若いミュージシャンに出逢う事はどんどん少なくなって来てしまいます。昔に比べてアーティストのレベルは確実に落ちているし、メディア・ミックッスの戦略で"とりあえず売れている人"が大半と言えるでしょう。でも彼はちょっと違う。久しぶりの、本物のホープだと思いました。

ただ、正直「F○○king」なんていうとんでもない言葉を歌詞に乗せたり、また歌詞の意味(真意)が良く理解できなかったりして、詞の世界からは、彼は今後どういう事になる人なのか正直不安もあります。歌詞世界的には、天才なのか、もしかしてまだまだ粗いだけなのか・・・???(はたまた、私の理解が足りないのか・・・?)

そう言えば、その昔、例えば、ギルバート・オサリバンの登場の時も音楽的にはセンセーショナルで期待の星だったように、結構一発とてつもなく完成度が高いアルバムを出してそのまましぼんでしまったアーティストを随分見てきました。

アーティストは、一枚目の完成度が高いほど2枚目が難しい・・・
2枚目がうまくいけば3枚目まではひとまず大丈夫。
でも4枚目以降は、それまでの「自叙伝的な作風」、つまり
それまでの自分の中のストックだけではもう音楽は創作できないもの・・・

枚数を重ねるごとにどんどん「創作」の真価が問われるフェーズに突入・・・といいうのが、彼のような音楽タイプのアーティストの、オーソドックスな流れと言えます。彼は、既に「元軍人」というキャッチーなプロフィールで、オリジナルの2枚目リリースを前に、緊急ライブアルバムやDVDが発売されてしまいました。買っちゃたけど(笑)。つまりそういう形で「James Blunt」に対する大量の「消費」が始まっているようです。

そんな世間のどん欲な消費にどれだけ抗い、自分を消費の対象から上手く逃れるかもしくは世間の注目をどれだけ上手く利用できるかで、今の時代の「アーティスト」としての生き残りが出来るのだと思います。そんな事も含めて今後ともがんばって欲しい新人アーティストです。


ライブCD+DVD(PV&Making/etc)
これも即買っちゃったぁ(笑)。

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