兵庫県の朝来市にある竹田城は「天空の城」、「日本のマチュピチュ」と言われて有名になった。
以前から気になっていて、いつか行こうと思っていた場所だったのだが、有名になった以降は、報道でも頻繁に取り上げたためか、多くの人が行くようになってしまった。
そうなったら、もともとあまのじゃくな性格なので、竹田城には興味がなくなってしまい、行きたいという気が失せてしまった。
それならばと、もう一つの「天空の城」に行ってみた。
それは「大野城」。
織田信長の家臣金森長近により、岐阜県と福井県の県境、越前大野市にある亀山に造られたお城。
天守閣は再建されたものでも、野面積み(のづらづみ)の石垣は当時のままになっていた。
この日は天気が良くて青空に映えていたが、ここも霧が出たりして、条件が揃うと幻想的な「天空の城」となるようだ。
10月20日、「天空の城」が見られたとニュースがあった。
秋の早朝が一番確率が高いとのことだった。
大野城から約1kmほど離れた標高324mの犬山(戌山城址)から見ると良いらしい。
(テレビニュースより)
越前大野はお城だけでなく、町全体が魅力あるところだった。
寺町通りには20ほどのお寺が並び、それぞれが宗派の違ったお寺となっていて、落ち着いた通りになっていた。
そこを散策したり、重要文化財の「旧橋本家住宅」を見学したりした。
「旧橋本家住宅」は江戸時代中期の建物で、庄屋や地区長をつとめた家柄の農家の家。
昭和になっても使用されていたが、現在は市に寄贈されている。
また、越前大野の町で一番気に入ったのが湧水だった。
ここは地下水が豊富で、町のあちこちに湧水がある。
特に、「御清水(おしょうず)」と呼ばれている湧水池はその昔、お殿様のご用水として使われていたことから、殿様清水とも呼ばれている。
飲んではみなかったが、さっぱりとした味の水だとか。
そこは今でも建ち並ぶ民家の人たちの憩いの場になっているようだ。
越前大野は旧城下町の風情も感じられ、山の上のお城を見ながらのんびりと歩いていると、あくせくした日常を忘れ、穏やかな気持ちになってくるような感じがする町だった。