ある時、新興住宅地を車で通った時、その辺り一帯が何となく白っぽく霞がかかったように見えた。
住宅地の家々にシンボルツリーとしてシマトネリコが植えてあるのに加えて、通りにも植えてあったからだった。
ちょうど花の時期だったから全体が白っぽくなっていたのだった。
10年ほど前ごろからシンボルツリーという言葉が使われるようになって、最近では頻繁に耳にするようになった。
シンボルツリーとはその名の通り住宅や建築物を象徴する、背の高い樹木のことで、新築された植栽スペースのある家で良く見かける。
そしてその樹木にも人気度ランキングがあり、このシマトネリコも人気の上位に入っている。
他にはオリーブやソヨゴ、アオダモ、ヤマボウシなどがある。
自分も30年ほどに植栽関係の仕事に携わったことがあるが、その頃はまだシンボルツリーという言葉はなかった。
でも、「門かぶりの松」がある家や何かの記念日には庭に木を植えている家は多かった。
それがシンボルツリーと言うおしゃれな名前になったものだと勝手に思っている。
先ほどのランキングだが、その頃に庭木として使われていて人気のあった樹木とは全く違っているのが興味深い。
植木だけでなく、世の中すべてのことに当てはまるが、そういったブームや流行は、誰か仕掛け人がいて、作り出しているものだと思っている。
シマトネリコ
熱帯や亜熱帯の山間に自生するモクセイ科の常緑樹。
風にそよぐライトグリーンの葉が爽やかであり、その樹形の様子から「庭で育てる観葉植物」とも称される。
常緑樹特有の陰鬱な雰囲気がなく、落葉樹に近い感覚で楽しむことができる。
初夏に白い花が咲く。
新芽は淡い緑でのちに濃緑に変わる。
丈夫な樹木で、寒さにはやや弱い。
-------------------植木ペディアより----------------------------------