Waraの『True Rise』

備忘録 ”鮎の友釣り”と”Flyfishing”と、時々、”映画”

手取川水系 初ライズ

2009年05月10日 22時41分04秒 | Fly fishing


昨夜は”じゃーま”が飲み会だった。GW期間中はずっと”田植え”で、どこにも行けなかったためストレス発散が目的らしい。それはある意味 仕方がないのだが、行きも帰りもタクシー奉公・・・普段の行いが悪いので当然のように要求されてしまう。おかげで就寝時間は午前2時(いつまで飲んどるがいや!)、起床は午前8時ときたもんだ。手取川水系への釣行が完全に出遅れてしまった。そのうえ川に行く途中にあるスーパーの朝市に寄って「○○と××を買ってこい!」との密命まで承る始末。
「まぁ今日は母の日やし、このぐらいで勘弁しといたるわ!」と心の中で思って川に向かった。





午前10時過ぎに手取川水系の某川に到着。餌師たちの狂想曲は終わった頃か・・・川は割りと静かだった。林道沿いの多くの車は山菜採りだろうか。生き物の息吹が感じられるこの季節、谷は短い春を終え一気に夏へと向かっているようだ。ついこの前まで、このあたりでも残雪があったのに。
車を降りて林道を下流側に入渓ポイントまで歩く。新緑のトンネルに川のせせらぎが心地いい、ちょっとした森林浴だ。ふと目の前を大きなカワゲラが横切り林道脇の立ち木に止まった。フックサイズにして#12ぐらいか。最初のフライはフラッタリング・ストーンに決まった。

川に降りるとせせらぎの音に混じって河鹿蛙(カジカガエル)の鳴き声が響いてきた。夕暮れ時なら寂寥感が漂う河鹿蛙の声だが、明るい日中ではそう感じないから不思議だ。そういえば、河鹿蛙は和歌では夏の季語だったか・・・。川通しに歩きながらストーン・フライのパターンで叩き上がる。流れに膝まで立ちこんだだけで、ウエイダー越しにひんやりとした気が体を包みこむ。林道を歩いて噴き出した汗が引いていくのが分かる。

瀬を二つ釣り上がるが反応がない。一応、丹念にフライをドリフトしているのだが、やる気のある魚は釣られてしまったか?少し上流に一抱えほどの石の後にある弛みに目が行った。イワナが居つきそうなポイントだ。一投目、フライが着水して少し流れたところでガバッっと出た。腹がオレンジ色した7寸ほどのイワナだ。写真を撮ろうとカメラを準備して、イワナをネットから取り出したら、スルリと手から抜け出て流れに帰っていった。残念!

さらに釣り上がると、落ち込みから瀬頭に続く浅いプールにライズしている魚を発見した。今年 最初に発見したライズだ。あまり大きな魚ではないが、クルージングしながら流下する餌を捕食しているようだ。小さなメイフライが時々ハッチしているのでドリフターはそれだろうか。ライズしている上手に回りこみ、フライをエアスルー・ダン#17に切り替えてダウン・クロスにキャスト開始。クルージングしているのでなかなか食わない。対岸近くの柳の木の下でライズしたところで、魚の位置を確認して再度キャスト。今度は食った。ランディングすると予想通り小さなイワナだった。

~ 初ライズのイワナくん ~


その後、岸よりのポイントばかりで小型のヤマメ、イワナを10尾ほどキャッチして終了とした。結局、写真を撮りのがしたイワナが一番大きかった。魚はコンディションが良く餌もよく食べているようで、どの魚も腹がパンパンに膨れていた。秋風が吹く頃にはもう少し大きくなっているだろうか。流れに戻した魚達との再会を願いつつ、この渓を後にした。

~ チビくんたち ~




ロッド:アーティスト LGF8034
リール:エーベル TR-1
ライン:WF3F
リーダ:12f 4X+5X(2f)+6X(2f) 全長16f
フライ:フラッタリング・ストーン#12、エアスルー・ダン#17、ソラックス・ダン#16、ライト・ケイヒル#14











黄金週間に架かる虹 - 庄川水系のレインボウ -

2009年05月08日 23時40分53秒 | Fly fishing


GWはじゃーまの実家で田植えのお手伝いが恒例?行事になっているが、今年は新しい機械の導入で思いのほか機械植えが捗ったため、5月3日からは”男集”はお役御免になった。もっとも苗運びぐらいしかできないので大した手伝いではないのだが。
じゃーま達”女衆”は機械が入らない田んぼの隅や歯抜けになった箇所に直接 苗を手で植える、”押し植え”いうヒンズー・スクワット並のハードな肉体労働にチャレンジしている。
エッツ、「お前はやらないのか?」って・・・「田んぼに大穴が開くから止めてくれ」と言われてます。
そんな訳でじゃーまの実家から40分ほどで行ける庄川水系の某河川へFFに行くことにした。

~ 庄川水系 某川上流域 ~


普通の土日でも結構な釣り人が入っているが、GWともなると管理釣り場並だ。(行ったことないけど。)取り合えず人のいないポイントを探して上流域へ向かうが、水量が多いのでドライ・フライでは難しそうだ。時期的に田んぼの取水が始まっているので、最下流部はイケるかも・・・
そこで、最下流部になるダム湖バック・ウォーターから300mほど上流にある、両岸が切り立った谷に下りることにした。

~ 下流域のスター 小虹鱒たち ~






どうやら先行者はなかったようで、ドライ・フライでもニンフでも次々に魚が出る。ただし、すべて16cm~20cmの小型のレインボウ=ニジマスだ。20尾ほどの鱒と遊んだころに、流れが大岩にぶつかる雰囲気がある落ち込みに遭遇した。ドライ・フライを流すも、浮いている小型魚しか出ない。底には間違いなく大物がいるはずなのだが・・・

~ 大物の香りが漂うポイント ~


ティペットを6Xから5Xに張り替えて、#10の大型のニンフを底に這わせてみることにした。
手前から探るが反応がないので、対岸の手前の弛みにニンフをキャストする。ニンフが底を流れ出すとラインが急に引き込まれた。ロッドを立てると大物の魚信。ロッドはすぐに満月になる。40cmオーバーは間違いないと感じたので、余分なラインはリールに巻き取り臨戦態勢を整える。ジャンプされないように注意をしながら寄せるが、首を振りながら下流に奔られる。ラインがジリジリと出てゆき、下流の瀬に入られる。自分も下流に下りながら必死にこらえるが、レインボウの奔りは止まらない。

二つの落ち込みと瀬を下り、2回のエラ洗いに耐えるとようやく弱ってきた様子。瀬脇の弛みに寄せて、渓流ではややオーバー・サイズの20インチのランディング・ネットを構える。竿を立てて魚を浮かせるが、なかなか浮かない。見ると3番ロッドが限界点まで曲がっている。ようやく顔を見せたレインボウ、ニンフは上顎の少し奥にガッチリ掛かってるので簡単には外れない。歯に当たってティペットが切れないか心配だが。

それにしてもデカイ!40cmアップどころか軽く50cmは超えている。これまで最大48cm、40cm台は何尾もキャッチしたことがあるネットが小さく感じる。一瞬「これは取れないかも知れない」の思いが脳裏をよぎる。そして、そんな考えを見透かしたように、再びレインボウは下流に奔りだす。愛用のエーベルTR-1のラチェット音が谷間に響き渡り、さらに二つの瀬を下る。自分も下流に走るがレインボウの奔走に追いつかない。「これはヤバイ!」と思ったその時・・・・・
両頬と体側を紅の婚姻色に染めた雄のレインボウは、無能な釣師を嘲笑うかのような鮮やかなジャンプで、張り替えたばかりのティペットを切って流れの中に消えた。

爽やかな敗北感とともに、この日の釣行を終えた。

ロッド:アーティスト LGF8034
リール:エーベル TR-1
ライン:WF3F
リーダ:12f 4X+5X(2f)+6X(2f) 全長16f
フライ:エルク・ヘアー・カディス#12、#14、パラダン各色#14、ゴールド・リブ・ド・ハーズ・イヤー#10