日付を少し遡った8月23日(木)のこと。
前日(8月22日)の宮川釣行で、良型が連発だったそーさんにツナギを入れる・・・
Wara吉 「そーの親方、昨日は宮川の例のポイントで、ベストを忘れたにも関わらず、
結構な良型鮎を沢山釣ったらしいじゃねぇですかい。
流石ぁ そーの親方だと感心してたとこですぜ。」
そーさん 「なぁーに、Wara吉、先週末にそのポイントに入った 美濃は青空組の二人が
詳しく解説してくれたおかげでよう、何とか釣りになったってぇところでぇ。
しかし、明日(8月24日)の晩にはよう、宮川には刺し網が入るから、
今年の友釣りはもう終了だぁ。もう少し釣りたかったがな・・・・残念なこった。」
W 「親方ぁ、宮川のオロロにやられて頭に血が回らねぇんじゃ・・・
下流漁協はダメでも、宮川にぁ共有漁場があるじゃねぇですかい。
共有の網入れは9月1日、次の水曜日(8月29日)は釣りができますぜ!」
そ 「でかした、Wara吉!
それじゃ、次の水曜日までは時間があるから、”鬼怒川のケン吉”どんに
ツナギを入れて、共有の状況を聞いておくぜ。ケン吉どんの親父さんはな
70歳を過ぎた今でも、毎日 宮川に入ってオトリ屋に鮎を卸してるんでぇ。
とにかく、仙人みてぇな凄ぇG様でよ、オロロに噛まれても平気らしいぜ。
おめぇも、オロロに噛まれて悪い血を抜いてくりゃぁ、少しは痩せるぜ。
まぁ、共有の場合は、川に降りるだけでも痩せちまうかもな。」
W 「親方ぁ~ オイラは”いじられキャラ”じゃねぇんですぜぇ~、
いい加減にしてくだせぇよ。」
てな具合で、やって来ました 宮川共有漁場。
駐車場から斜面を下り、映画 スタンド・バイ・ミーのようにひたすら線路を歩き鉄橋を目指す。
故リバー・フェニックスの顔が頭をよぎり、どこからかベン・E・キングの歌声が聞こえてくる。
肩に食い込むオトリ缶の重みも、顔から噴出し滝のように流れる汗も、纏わりつく虻さえも
現在(いま)を生きている証と感じる瞬間だ。
ようやく鉄橋にたどり着くと、憧れの宮川共有漁場の川面が見えてくる。
同じ名前の宮川であっても、上流、下流そして共有とまったく別の顔を持つところがステキだ。
鉄橋横の落差30mほどの斜面をロープにつかまりながら降りると、そこには・・・・・。
車より大きな岩、家ほどもある巨岩、そして清冽な流れ、鮎師の浪漫を感じる強烈なインパクト。
夢に見た「遥かなる川」がそこにはあった。
同行のそーさんも同じ意見だったが、釣果は”二の次”だった。まずは、この地に立つこと。
立って、携帯電話の電波も届かない 世俗と隔絶されたようなこの世界を堪能する・・・・
現実世界からの一時的な逃避とも言える、擬似精神旅行が主な目的だ。
俗に言うところの「命の洗濯」であろうか。
時折、鉄橋を通過するJR高山線の電車が、現実に引き戻そうとするのが、玉に瑕だが・・・。
そして、この日は素晴らしい出会いもあった。
Team Jinzoo ケンチさんのお父さん(師匠)と弟さん(弟弟子ですな)だ。
共有漁場に不慣れな二人に、いろいろアドバイスをしていただいたしたうえに、
弟さんには上流の秘境ポイントまで案内していただいた。(Waraは途中で脱落したが。)
ケンチさんのお父さんは・・・
70歳を過ぎてなお 鮎釣りにかける情熱もさることながら、若者でも歩くことさえ容易ではない
巨岩だらけの共有漁場を颯爽と釣る姿、背中に満載した荷物を担いで矍鑠と崖を登る姿、
どれをとっても絵になるし、何よりオーラを感じる。
ケンチさんに良く似た風貌は、将来のケンチさんを想像してしまうのだが。(笑)
ケンチさんの弟さんは・・・
身長はケンチさんより高そうだが、やはりケンチさんに良く似ている。兄弟はお父さん似?
そして、上流の”引き回し”と呼ばれるポイントを案内してもらう際も、痩身の体躯からは
想像できないほどの胆力で、ぐいぐいと川原を歩く姿はカッコイイのだ。
もちろん、釣りの腕前も確かなもの。大岩の上に乗って段々瀬から鮎を抜きあげる姿は
これまたカッコイイ。ケンチさん早く帰ってこないと弟さんに負けちゃうぞ。
肝心の自分の釣りのほうだが、午前中は8尾と目標の”ツ抜け”には至らなかったが、
午後は16尾を追加して、24尾のメタボ鮎を釣り上げた。
Max23cmは、この時期の共有鮎にしては小さいらしいが、十分な引きを堪能できた。
帰路、来た道とは逆の”全てを登る行程”を青息吐息で終えたWaraに向かって、
そーさんが尋ねた 「Waraさん もう共有には来たくないやろ?」
「いや、今日はしんどかったけど凄く楽しかった!こんなに汗をかいたのは久しぶりやし、
気持ちよかったよ!来年もまた来たいよ!」
そう答えた言葉に嘘はない。来年は他のメンバーを誘って、再度 共有漁場を目指すこととしよう。
共有漁場に誘ってくれた そーさん、情報を提供してくれたケンチさん、
アドバイスをくれたケンチお父さん(バナナ美味しかったです)、
根掛かりを外しに行くWaraを心配して、外れるまで見守ってくれていた優しい弟さん、
川を降りる道案内をしてくれた地元の小父さん・・・みなさん、ありがとうございました!
ロッド メガトルクⅡ 早瀬 9m
天井糸 フロロ 0.8号
水中糸 ハイパー・エムステージ 0.1号
ツケ糸 フロロ 0.6号
中ハリス フロロ 1.5号
ハリ(4本イカリ) シフト 7.5号、球磨7.5号
ハリス フロロ 1.5号
釣果 16~23cm 24尾