背番号3・・・柏戦観戦記。

2011-08-09 | 横浜F・マリノス

柏戦のウォーミングアップ。
ピッチに姿を現した選手達は誰もが背番号3を身に纏っていた。
でも笑える。誰も「3」が似合わねぇの。
やっぱりあの人の背中が一番似合うだよね。
マリノスの背番号3はあの人そのものだから。


首位決戦。
勝ち点差は2。負けることがあれば、首位の座を渡すことになる。
負けられない。絶対に勝たなければならない一戦だった。

直樹コールと共にキックオフ。
立ち上がりから攻め上がる横浜。
だが、どこか心と身体がバラバラな感じが受け取れたのも事実。
気持ちを切り替える必要はない。
どうしたって気持ちを切り替えることができるわけないんだから。
だったら一層の事、悲しい現実への憤り、悔しさ、全ての感情をめちゃくちゃにぶつけて欲しいと思っていました。
でも現実はそんなに甘くない。
真剣勝負には気持ちだけじゃ勝てない。
勝ちたいなら前を向け。
勝ちたいなら自分のプレーで見せろ。
勝ちたいなら常に全力で闘え。
全ては、あの人が16年間のプレーの中で教えてくれたことだったんだけどね。

首位を争う柏を前に今の横浜には勝てる力がなかった。
それはマツの事があったからじゃなくて、まだまだ首位を守るだけの力がないだけだと思う。
失点はミスから。
故障で欠場したパンゾーに代わっての天野の起用。
天野は攻撃を得意とすることもあり、パンゾーとはタイプが異なる。
当然のことながら守備については注意しなければならなかった。
かなり狙われてたよね。
柏はサイドを起点に外国人選手がゲームを組み立てる。
それら全ての要素を分っていながら、横浜は柏に対し最善の策を講じていたとは言い難い。
ダイヤモンドを敷くことからサイド裏の対応は遅くなり、結果的に柏のキープレーヤーをフリーにする。
ノープレッシャーのところで、甘い判断からのパスミスの数々。
攻撃面ではスピードアップしなければならないところで、スローダウン。
それどころか判断の遅さで相手にボールを奪われた。
柏はサイドからのクロスには楽々対応していたけれど、スピードに乗った崩しには明らかに対応が遅れていたのに。
戦況を判断する力も柏の方が上手でした。

ただこれらのミスは柏戦に限ったことではない。
甘い判断からのパスミスはここ数試合頻発している。
そしてそれが失点に繋がっていることも少なくない。
失点とはならなくても、飯倉のファインセーブが無ければ・・・という場面は多い。
例えば小椋のダイレクトパス。
今季、小椋のパスが攻撃のアクセントになっているということは多い。
攻撃の起点ともなっている。
しかしそれと同時に大きなリスクにもなっている。
問題はその精度と、状況判断。
得点するにはリスクをかけていかなくてはならないのも当然だが、
最低限回避できるリスクは回避していかなくてはならない。
特に自陣でのプレー、相手を背負う味方選手に対してパスをするだとか、不用意な横パスだとか。
まさに柏戦ではそんなミスから失点を喫してしまった。

終始、柏の外国人選手への対応が甘かった。
これは横浜の戦術的ミスと言っていいと思う。
試合後、佑ニも言っていたように柏のコンセプトははっきりしている。
それなのに一番気をつけるべき外国人プレーヤーへの対応を疎かにしてしまった。
守備力の高いパンゾーの欠場も大きかったが。
今季の横浜は相手によって戦い方を変えることができていたはず。
それがいつからか一辺倒な戦いに終始している。
結果が伴っているから?
でも上位陣にはそれでは勝てない。
それは対戦結果にもはっきり出ているということを今一度考える必要があるように思う。

同対戦相手にまたしても完敗。
前対戦の反省を全く活かせない形で負けてしまった。
そこにどうのこうのという理由はない。
ただただ柏の方が強かったということだけ。
しっかりと反省しつつ、まだまだ闘いは続くので一歩ずつ勝利を積み上げていけたらと思う。


横浜は今、改めて今季「優勝」という想いを強めているといると思う。
一人一人が気持ちを合わせて、頂点へと挑み、闘っていこうと。
誰かのためとかそういうんじゃなくて、”闘う”とは頂点を目指すということだから。
それもあの人が教えてくれたこと。