花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

こころからの

2018年08月09日 09時42分07秒 | 日記

この頃になるといつも思い出すのです
先の戦争終盤でだれもが平穏なこころを持つことは困難な折の筈です
あの原爆の日のことです
私の母も被爆して家の下敷きになり見上げると微かな一条の光が見えたので
それをたよりに這い出して一目散に戦火の市内を逃げ惑い
とある静かな住宅地に辿り着き一軒の見知らぬ家の玄関に立ったそうです
夏の普段着の和服細帯一本で裸足そして逃げる途中で
黒い雨を頭から全身に被っていて
そんな汚い姿の見知らぬ女性を
その家のご婦人は招き入れてまずお風呂にはいらせて着替えを整えて
麦ごはんの食事を提供して
「これからいか程の金子があれば目的地に行けますか?
多くお渡ししても失礼にあたりますから」と

原爆投下の事は未だしられていない時刻だったでしょう
大変な事態が生じたことは母の姿から察し出来たかも
黙って玄関の戸を閉ざして追い払われても仕方のないものを
よくぞこころからの優しいご親切な対応をしていただいたものと
あの時の事をおもうといつも
手を合わせて拝みたい気持ちになるのです
そうなのです 母は地獄で仏をみたのです

そして思うのですいつか誰かが大変なことに遭遇した時
私が自分に出来る限りの最高の親切な対応をしなければと
そのことがあの時の母が受けたご親切へのご恩返しになるものと



今年も野牡丹のつぼみがふくらんできました