花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

古い教科書

2017年03月03日 09時29分16秒 | 日記


先日のことです
父の実家から昭和20年当時の兄の教科書を見付けて送ってくださいました
当時は国民学校といっていました
「国民礼法」と「理科」の教科書でした
戦後70余年も経っていますのによくも廃棄をされないで健全な状態で保管されていたものと
有難くおもうのです
それは小学生の教科書といえども現代風のきれいな教科書ではなく大きさもA5サイズで小さなものです 
紙の素材も質素なもので戦争当時の物資の不足を反映しています

当時子供達はみな毎日のように
「欲しがりません 勝つまでは」とか「撃ちてし止まむ」といった言葉を
聞かされていたものです
「国内礼法」の教科書を開くと国会議事堂や皇室のことそして戦死者の多い時代を
反映してか焼香の仕方などが説明されていました
「理科」の教科書もスケッチはありますが写真等は掲載されていませんし彩色もなくて
片仮名で書かれています

私は届いてすぐにご仏前に報告してお供えしました
父や母そして兄がもしも生きていたら何を語ってくれるでしょう
懐かしさと同時に抱いたこの重いこころは表現しようもなくて
私はふと涙がでてきました
それは父が戦死したあと母は父の実家に生きるべきか独立すべきか母にとっては
岐路で悩んでいて私はそんな母の苦悩を知っているからです
そして兄も戦後の逆境のなかで希望とする学部で学び企業戦士のように人生を懸命に
急ぎ駆けて行った姿をみているからです

夢がかなうものならばこの豊かな平和な時代に
今は亡き父や母そして兄達一家でこころゆくまで語り合いたいです



柊南天これから沢山花開きます