僕の感性

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姓(名字)の話

2019-07-24 18:07:30 | ことば

 知り合いに寒河江さんという人がいる。「さがえ」と読むのだが、同じ寒河江さんでも上山市に

寒江(さがえ)さんもいる。最初の寒河江さんは、上山の寒江(さがえ)さんは変だと言い、

この字だと「さがえ」とは読めないだろうと主張する。(人によってプライドがあるのかしら。)

けれど馬鹿さんと書いて「ましかさん」と読むらしいし、四月一日さんは「わたぬき」さんだし、

名字のルールは無きに等しいのだ。

きっと寒江さんの「が」が抜けているのは、silent letterだと思えば良いのでは。

 

 ところで上小林と書いて、「かみこばやし」と読む姓の人に会ったことがあるが、

この人の弱点は、数が少なく珍しいので、すぐ名前を覚えられるという事らしい。

「かみこばやしさ~ん」と二度目に会って呼ばれても、相手の氏名がわからないので

「あ!〇〇さんじゃないですか、とすぐ応えられないということだ。とてももどかしくスッキリしないそうだ。

 上小林さんは岩手県の地名から出た姓で30名ぐらい存在するが、下小林と中小林はいないらしい。

その代わりに桐小林さんがいて、あとは小林のあとに一文字加わる名字ばかりだ。

広島に小林川さんがいて、埼玉に小林森さんもいる。茨城に小林木さんがいて、山口に小林内さんがいる。

そしてとどのつまりは福島県に小林古(こばやしふる)さんがいるのだ。

 名字というものは奥が深く楽しいものだ。