北京オリンピックの卓球女子シングルス決勝、張怡寧vs王楠の試合です。
張怡寧は、北京オリンピックで開会式で選手宣誓という大役を担い、団体とシングルの2冠を獲得しました。
けれど2009年世界選手権シングルス優勝を最後に卓球の表舞台から遠ざかっています。
どんな難しいボールもバックハンドでしのぎ、フォアハンドでの決定打を確実に決める・・・縦横無尽に繰り出される技術は観る者を魅了せずにはいられません。
とにかくバランスの良い選手でした。

彼女は、北京市内の貧しい家庭に生まれ、9歳で北京市チームに加入、11歳で中国ナショナルチームに抜擢されました。
全て順風満帆に推移したのではなく、王楠にまったく歯が立たない時期に、王楠が試合を決めるボールを放ったとき、それを素手で取ってしまったことがあるそうです。
コーチ陣から、そのふてくされた態度をひどく叱責されたようです。
2004年のアテネオリンピック前にはプレッシャーとストレスからほとんど神経症に近い状態だったそうです。
睡眠薬を服用しなければ眠れなくなり、自分で髪に毛を引っ張ったり、食事用のナイフ(先が尖っていないもの)で太ももを突いたこともあるそうです。
オリンピックや世界選手権でみせた不動心の強さが印象的な彼女ですが、その強さの裏には多くの苦しみとの闘いがあったようです。
まだ27歳ですので、モチベーションがあがれば、また世界の舞台に帰ってきてくれるのではないでしょうか。
