僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

ナメクジウオ

2008-06-20 00:35:28 | Weblog



 ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤ類ではなく、ナメクジウオ類であることが、ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)解読で分かりました。京都大、国立遺伝学研究所や英米などの国際研究チームが突き止めました。19日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載されました。



 ナメクジウオは脊椎動物の前段階で背骨に似た筋肉組織を持つ「脊索(せきさく)動物」の一種。大きさは3~5センチ。頭部はないが尾びれに似た器官があり、魚のように泳ぎます。ホヤも同じ仲間で、今から5億2000万年以上前に、ホヤ、ナメクジウオ、脊椎動物の順に進化したと考えられてきました。

 研究チームの解析の結果、ナメクジウオのゲノムの大きさはヒトの約6分の1で、約2万1600個の遺伝子を特定しました。このうち、1090個の遺伝子をホヤと比較し、ナメクジウオの方が早く現れ、原始的であることを確認しました。また、遺伝子の6割がヒトと共通しており、並び順も似ていました。一方、ホヤは独自の進化を遂げた傍流と分かりました。

 佐藤矩行・京都大教授(発生ゲノム科学)は「ナメクジウオが脊椎動物の祖先に最も近く、ナメクジウオから脊椎動物が直接的に進化したと考えられる」と話しています。

太宰治

2008-06-20 00:19:44 | 文学
6月19日は、太宰治の誕生日であります。好みの別れる作家ではありますが、妙に惹かれる魅力を持っています。
 邪知暴君の王を除かなければならぬと決意したメロスは正義感に溢れ、義侠心に厚い人間として、人口に膾炙していますが、太宰の作品としては奔流を為すものではありません。
 人間失格の中にこそ、太宰の真実があるのです。人間に対してどこまでも真実の愛と信頼を希求し、そのため人間社会から葬り去られ、敗北していく過程を描いているこの作品は、永遠に残る太宰の名著です。