オジサマとミラノ中央駅で別れた私、手にはアルミホイルに包まれたサンドウィッチ。
どうしたもんか、一瞬悩みましたが。
ホテルは近いし、冷蔵庫に飲み物♪も冷えてるし。
と、一旦、ホテルの部屋に戻ることにしました。
で。
やっぱり、戻ると、まずはシャワー♪
…烏の行水、系なのですが。
シャワーを浴びる、お風呂に入る、ということが大~好きな私は、昼間にそれが出来るのが、また嬉しい。
休日気分をかみしめられますから、ね!
そして、サッパリしたところで。
全く意味のわからないイタリア語のテレビを見ながら、ベッドの上で、お昼ご飯♪
サンドウィッチは、まぁ普通に美味しかったけど。
思ったより、量が少ない、笑。
…ペロッ!と食べちゃって。
う~ん。。。物足りない。
しかし。
時計を見ると2:30だものねぇ。
それから何かまた食べに行ってたら、お夕飯が遅くなってしまう。
…今晩は一人ご飯だし、早めに食べて、たくさん寝よう!ということにしました。
それじゃ、観光に出かけましょ!
と思ったら、あれぇ~!
何も計画がなかったことに気がつきました。
そ。
オジサマと一緒の時のことまでは、計画していたんだけど。
その後のことは一切、検討もしてなかった…。
はてさて。
一人になって、何処行こうかしらん?
それから慌てて、地図を片手にガイドブックを再び読み直しました。
で。
30分後。用意万端、いざ出発~っ!
って。
勢いよく一人で歩き出したのは良かったんだけど。
…そう。お昼前からまた、その日も暑くなってきていたのでした。。。
あんまり、欲張って歩かないようにしよ、っと。
そして。
最初に向かった先は、ポルディ・ペッツォーリ美術館。
オジサマが、「ここも有名らしいよ。行ければ行こう。」と言ってたのを思い出したのです。
何が特に有名かって、15世紀の画家、アントニオ・ポライウォーロの描いた「若い貴婦人の肖像」。
その当時の流行り?写真の代わり?
全く無知ですが、汗っ。
左を向いた若い女性の真直横顔。
この顔の輪郭が、美術館のシンボルマークになっているようで。
なかなか、それも素敵。
でも。
個人的には、正直言って絵画より(15~18世紀のイタリア絵画)、時計のコレクションや、装飾・家具調度品の方に断然、興味が注がれました。
そもそもこの美術館は、ペッツォーリ家という貴族の邸宅とコレクションが寄贈されたものとのこと。
鑑賞するには、とても心地の良い空間でした。
結構、長居をしたようです。
再び外に出ると、とっくに5:00を回っていました。
う~ん、どうしよう。
その時間から、他の美術館などに行くのは勿体ないしねぇ。
ということで、当初の予定ではその日の朝、オジサマと行くはずだったヴェニスもどき?という、運河界隈に行くことにしました。
全然足を踏み入れていない、市内南西部。
地下鉄を乗り継いで、ガイドブック記載の最寄駅で降ります。
地上に出ると、何となく田舎っぽい、というか、下町っぽい。
しかし。
ふぇ~、暑い!
…その頃には、太陽がぎらぎら照りつけるいいお天気になっていました。
日陰を選んで、ブラブラと運河の畔を目指します。
そろそろ開店するカフェもありますが。
食事時間には未だ早く、人通りも少ない。
運河は、ヴェニスとは程遠く。
まぁ言ってみれば、パリのサン・マルタン運河沿いの雰囲気に似ているかなぁ。
それでも。
水辺の街並みを歩くのは、何とも気持ちがいいものです。
時間を考えずに、ゆったり散策。
そしてまた、地下鉄を乗り継いで、ホテルに戻りました。
お腹ペコペコ~!
ですが。
勿論飽きもせず、まずシャワー。
そして、レストラン探しに出かけました。
しかし。
この日は、日曜日。
ただでさえ、そんなにレストランがないエリアみたいなのに。
開いているお店がとても少ない。
しかも、当然のことながら、お値段が高いのは論外!
安くて&イタリア料理、但し、ビュッフェ形式は避けたい…そんな願望に当てはまるお店がなかなかありません。
かといって。
一人だし、アテもないのに遠くまで行くのも気が向かず。
結局、駅の近くのあまりパッとしないレストランに入ることにしました。
…どうも、チェーン店だったようです。
お店の中は、そこそこ広くて、未だ8:00前にも関わらず、お客さんは結構入っていました。
そして、一人客が多い。
…駅の近くで、でもツーリストというより、仕事でこの近くのホテルに泊まって、一人、単にお腹を満たすために食事を取りに入った、という風情の人たち。
失敗だったかしらん?と思いつつも。
とにかく。
メニューを吟味します。
う~む。
一応、お店の外のメニューを見て入ったんだけど、イマイチ、ピンと来るものがない。
だって。
ミラノ風リゾットはないし。
ミラノ風カツレツは、意外に高い!
どうしても、またパスタは食べたいんだけど。
パスタ+カツレツ+ワイン、にすると、結構お値段がいってしまいます。
迷った末、とりあえず、パスタと白ワインに、別注文の付け合せ野菜を頼んで様子を見ることにしました。
で。
ワインがやってくる。
一人で、再び乾杯~!
程なくして、パスタが運ばれてきました。
むぅ…残念。
決してまずいわけでは、ないけれど。
でも。
美味しい!という感動が全くない。
それでも。
お腹が空いていたので、パクパク食べ進み。
ほぼ終わりそうな時に、付け合せの茹で野菜(さやいんげん、人参、ポテト)とほうれん草がやってきました。
スゴイ量だ…。
とりあえず、ほうれん草を一口食べてみる。
マズイ~っ!!!
そして。
どの野菜を少しずつ、食べてもみても…
ぐわっ、マズイっ!!!!!
とにかく。
味がない、旨みがない、新鮮さがない…。
多分、冷凍ものなんでしょうね。
仕方がないから、オリーブオイルと塩を振って食べてみる。
マズイっ!!!
パスタについてきたパルミジャーノをふりかけてみる。
マズイっ!!!
とてもこんな量、こんな不味くて、食べられないよ~、涙。
そう。
…基本的にオーダーしたものは、残さず食べる主義の私なのですが。
とてもこれらを食べきる気分にならない。
しかし。
考えてみれば、旅行中、お野菜をあまり食べていないんですよね。
このくらい食べることも必要なのかも…。
と思いなおし、半ば強制的に食べることにしました。
マズイ、まずい、不味い…。
お店でこんな不味いものを食べたのは初めてだ~っ、というくらいです。笑
それでも。
何とか、ほぼ完食。…涙が出そうでした。
とてもカツレツなんて、そのお店で頼む気にならず。
お会計をすませ、お腹をさすりながら外に出ました。
ん?!
私ったら、動物性たんぱく質を食べていないじゃないっ!!!
しかし。
あまりの満腹状態で、それから、また他のレストランに行く気にもならず。
がっかりしながら、ホテルに戻り。
まぁ、こんなこともあるかな、と買っておいたお飲み物♪とおつまみで、お口直しをし。(笑)
まったりと、一人ヴァカンスの夜は過ぎて行ったのでした。
で。翌朝。いよいよ、旅も最終日です!
雨戸を開けると、既に。
今日も一日暑くなりそうです…。
そして、習慣になった(?)時刻、8:30に食堂に下りて行き。
優雅にゆったり朝食。
…この日、宿泊客も少なかったのか、結局終始サロンには一人でした。
部屋に戻って、さて、と。
今日はどういう予定にしよう?
こういう何にも計画無しの旅行日程もいいもんです…。
とりあえず、自分の部屋と化して収納していたモノを再びキャリーバックに詰め。
あ、そうだ!
絵葉書を書くことにしました。
折角買ったのに、そういえば書いてなかった…。
特にもう、見たいものがあるわけでもなかったので、ホテルでの気持ちの自由な時間を味わうことに。
チェックアウトをしに、フロントに寄ったのは、既に10:30を回っていました。
3:00まで、キャリーバッグを預かってもらえるようにお願いし。
外に出ました。
あれぇ、既に暑い!
そして。
まず向かったのは、1日目一人で行った公共公園?でした。
そう。
フランスのガイドブックに載っていたのですが、その公園の外れに、ムゼオ・デッロットットチェント(と読むのかしらん?)と言う美術館があるらしく。
説明を読むと結構面白そうだな、と思ったのです。
ところが。
基本的に「犬みたいに迷わず何処にでも行かれる」と誇るうさたろうなのですが。
書かれたアドレスが見つけられない…。
何度か地図の印がある周辺をグルグル歩き回りましたが。
結局、暑くて、気分もそがれて、断念。
公園の中のベンチで、作戦の練り直しをすることにしました。
広~い芝生の中に植わっている大きな木の陰のベンチに座って。
あ~、なんて気持ちがいいんでしょう♪
ヴァカンス気分にすっかり溶け込んで…。
ワンちゃんと一緒に散歩に来る人たちが、次から次へと訪れます。
広場の中で、チェーンを外すと、ワンちゃんたちは、時には他の仲間と走り回ったりしながら、本当に幸せそう。
そんな様を飽きずに、ボ~っと見ていたら。
どこからかサイレンの音?
あれぇ~、いつのまにやら1時間以上もそこにいたのでしょうか。
12:00になっていました。
これは大変、タイヘン!
だって。
昨日のお昼ご飯と、夕飯のリベンジのために、この日のランチは、ナンとしても!美味しいミラノ名物をタラフク食べねばなりませぬ!(笑)
レストランを探しながら、ホテルの方向へ向かいつつも、お店がある通りを選んで歩き始めました。
既にテラスで食べている人たちのお料理を盗み見しつつ、お店のメニューを検討。
しかし。
意外に、これは!と思うレストランに出合えません。
何しろ、高いのは駄目!
でも。
雰囲気とかも少しは選びたいし。
ピザとパニーニのように、軽食過ぎたり、パリでも食べられるのもイヤだしなぁ…。
結構探し回って、もう諦めようか。
一日目に2度も行ったレストラン、駅の近くのあそこで妥協するべきなのかしらん…と思い始めたときに。
ふと目についたメニューの看板。
1皿目のチョイスに、ミラノ風リゾットがある!
しかも。
2皿目のチョイスに、ミラノ風カツレツがある!
更に。
飲み物(ビールもワインも可♪)もついて、なんと10€という値段設定。
これは、すっごいお得じゃないですか。
だって。
ミラノ風カツレツは、どんなに安いとこでも12€くらいの相場の感じだったし。
何よりも食べたいものが、食べられて、飲み物つき~♪
でも、不味かったら?
しかし。
迷っている間にも、何組もの勤め人グループらしき人がお店に入っていきます。
よしっ!
この値段だったら、失敗して、他のレストランに行ってもいいじゃないか!
思い切って入ることにしました。
お店は縦長く、結構広い。
ウェイトレス・ウェイターさんは、しかし、皆アジア人(中国人?)で、ちょっと失敗したかなぁ感もありましたが。
お客さんは殆どイタリア人みたいで、それぞれ満足そうに、楽しそうに食べているし。
雰囲気もなかなかよくて、期待することにしました。
案内された席に座り、再びメニューに目を通す。
しかし、ホントこのレストラン、今まで見た中でとってもリーズナブル!
もし、1皿目だけだったら。
なんと5€なんです。
そして、2皿目からのチョイスだと。
7€。
ピザメニューは、6,5€。
それらが、お好きな飲み物つきなのですよ。
しかも、です。(バンバン!←力説して机を叩く音)
ワインだって、グラスワインじゃない。
小さなデキャンタ!であります。
ビールだって、吃驚り!
日本で言う中ジョッキサイズですよ~
喉がすっごく乾いていて、ビールに魅かれたのですが。
食事を楽しむ目的だったので、白ワインをオーダー。
そして。
勿論、初志貫徹。
フルコースメニュー(?)で、ミラノ風リゾットにミラノ風カツレツ、をお願いしました。
すぐに、小さなデキャンタに入った白ワインとパンが運ばれてきます。
再び、一人で、また乾杯~っ。
わぉっ、結構美味しいじゃん、この白ワイン。
微発泡で、キンキンに冷やしてあって、軽やかで。
…安いワインなんでしょうけど、十分だわ~、ウットリ。
地図を眺めたり、撮った写真を見ている間に、待望のリゾットが出来上がってきました。
「はい、どうぞ。」
置かれたお皿を見た途端に、内心吃驚り!!!!!
そ。
実は私、情けないことにあんなにこだわっていたくせに、ミラノ風リゾットがどんなものか、実質的にも視覚的にも知らなかったんですね。
要は、サフランでお米を炊いて、ペルミジャーノで味付けしたリゾットなわけですから。
真っ白のお皿には、真っ黄色のご飯粒のみ。
それが、かなりの量。
狼狽しながらも、食べてみることにしました。
ん?
なかなか、美味しいじゃありませんか。
熱々出来立てで、味付けも濃すぎず。
しかも。
白ワインと相性もバッチリで。
パクパク、食べ進めました。
が…。
半分も食べたら、実は飽きてきちゃった…。
というのも、感触も味もずっ~と一緒なわけです。
しかも。量が多いと来た…。
不安になってきました。
これ食べ終えちゃったら、2皿目が入らないかも。
いや、大丈夫、だいじょうぶ、もう2度とミラノに来ないかもしれないのだから食べなくっちゃ!と自分を説得しつつ、フォークを口に運び続ける…。
でも、結局、4分の1くらいは、申し訳ないけど残すことにしました。
忙しく働くウェイトレスさんを呼びとめ。
「申し訳ないけど、これ、ひいてもらえます?美味しいんですけど、2皿目頼んじゃっているので…ゴメンなさい!」
「それから。えっと。赤ワインを追加お願いできますか?」
…だって。
リゾットを食べるために、白ワインがどうしても必要で、全部、飲んじゃったんだもの。(笑)
ウェイトレスさんは、吃驚りして、
「別料金になりますけど、いいんですか?」と聞き返しましたが。
「えぇ、勿論。グラスじゃなくて、同じデキャンタで!」
それから暫くして、さっきのウェイトレスさんがお皿を運んできました。
「はい、ミラノ風カツレツです」
目にした瞬間、
「ええっ?!」思わず今度は声に出してしまいました。
「こ、これ、私のですか?」
そうなんです。
すごい量!
15cm×20cmくらいのお肉がお皿にデ~ン!
しかも、付け合せにフライドポテトがタップリ…。
ウェイトレスさんは、苦笑いしつつ
「そうですよ」と言って、お皿を置いて去りました。
むぅ…。
予想外過ぎます!
10€のセットメニューで、こんなのありですか?
そりゃあね、ミラノ風カツレツは確かに薄いです。
でも。
パン粉つきで、油で揚げてあるから、かなりのボリュームなはずです。
こんな肉の塊が来るなんて、ぼ、呆然…。
しかし。
眺めていたって、何も始まりません。
大きくカットされたレモンをキュッと絞り。
積極果敢にお肉を食べ始めます。
美味しい~♪
そ。
揚げたてで、シンプルなお肉はとっても美味しいのです。
これは、何としても全部食べるしかないでしょ!(笑)
ポテトも2~3本つまんでみました。
これも、揚げたてだから、美味しいんだけど。
そう、肉の制覇のために、アッサリ放棄することにしました。
…パンを食べるのも、即刻、中止であります!
お肉にはちゃんと少し骨もついていましたが、やっぱり食べられる部分の量もスゴかった…。
モグモグ、コクコク、もぐもぐ、コクコク…。
レモンの汁がいいアクセントになって、シンプルだけど飽きずに食べられます。
ワインも、食欲増進してくれるし、ね。
で、ちゃんと食べましたよ~、全部。
パチパチパチ!
…我ながら、感心です、ハイ。
しかし。
お腹苦しすぎ(笑)。
…暫く、動けないくらいの感じでした。
が。
時計を見ると、2:30じゃありませんか!
ホテルに戻って、空港に向かわないといけません。
重~い腰をヨッコイショと上げ、お会計に並び(珍しく、レジ支払い制。)、支払いを済ませて、外に出ました。
…容赦なく照りつける陽射しに、なめくじ気分を味わいながらも、満足してホテルへと向かったのでした、チャンチャン。
そ。
この後は、荷物を引き取り、また中央駅から空港行きのバスに乗り。
空港でチェックインをすませ。
流石にお腹が一杯過ぎて、ビールを飲む気にもならず。
免税品店内を彷徨い、待合ロビーで最後の旅の余韻を楽しみ。
時刻通り離陸した、パリ行き飛行機の機上の人、となったのでした。
で。
パリに着いたら、寒いっ!
って。大袈裟ですが、半袖一枚じゃ涼しすぎ…。
そんな夕方で。
旅の心地よい疲れと共に帰宅した途端、奈落の底につき落とされた気分になった話は、先日書いた通りであります。
どうしたもんか、一瞬悩みましたが。
ホテルは近いし、冷蔵庫に飲み物♪も冷えてるし。
と、一旦、ホテルの部屋に戻ることにしました。
で。
やっぱり、戻ると、まずはシャワー♪
…烏の行水、系なのですが。
シャワーを浴びる、お風呂に入る、ということが大~好きな私は、昼間にそれが出来るのが、また嬉しい。
休日気分をかみしめられますから、ね!
そして、サッパリしたところで。
全く意味のわからないイタリア語のテレビを見ながら、ベッドの上で、お昼ご飯♪
サンドウィッチは、まぁ普通に美味しかったけど。
思ったより、量が少ない、笑。
…ペロッ!と食べちゃって。
う~ん。。。物足りない。
しかし。
時計を見ると2:30だものねぇ。
それから何かまた食べに行ってたら、お夕飯が遅くなってしまう。
…今晩は一人ご飯だし、早めに食べて、たくさん寝よう!ということにしました。
それじゃ、観光に出かけましょ!
と思ったら、あれぇ~!
何も計画がなかったことに気がつきました。
そ。
オジサマと一緒の時のことまでは、計画していたんだけど。
その後のことは一切、検討もしてなかった…。
はてさて。
一人になって、何処行こうかしらん?
それから慌てて、地図を片手にガイドブックを再び読み直しました。
で。
30分後。用意万端、いざ出発~っ!
って。
勢いよく一人で歩き出したのは良かったんだけど。
…そう。お昼前からまた、その日も暑くなってきていたのでした。。。
あんまり、欲張って歩かないようにしよ、っと。
そして。
最初に向かった先は、ポルディ・ペッツォーリ美術館。
オジサマが、「ここも有名らしいよ。行ければ行こう。」と言ってたのを思い出したのです。
何が特に有名かって、15世紀の画家、アントニオ・ポライウォーロの描いた「若い貴婦人の肖像」。
その当時の流行り?写真の代わり?
全く無知ですが、汗っ。
左を向いた若い女性の真直横顔。
この顔の輪郭が、美術館のシンボルマークになっているようで。
なかなか、それも素敵。
でも。
個人的には、正直言って絵画より(15~18世紀のイタリア絵画)、時計のコレクションや、装飾・家具調度品の方に断然、興味が注がれました。
そもそもこの美術館は、ペッツォーリ家という貴族の邸宅とコレクションが寄贈されたものとのこと。
鑑賞するには、とても心地の良い空間でした。
結構、長居をしたようです。
再び外に出ると、とっくに5:00を回っていました。
う~ん、どうしよう。
その時間から、他の美術館などに行くのは勿体ないしねぇ。
ということで、当初の予定ではその日の朝、オジサマと行くはずだったヴェニスもどき?という、運河界隈に行くことにしました。
全然足を踏み入れていない、市内南西部。
地下鉄を乗り継いで、ガイドブック記載の最寄駅で降ります。
地上に出ると、何となく田舎っぽい、というか、下町っぽい。
しかし。
ふぇ~、暑い!
…その頃には、太陽がぎらぎら照りつけるいいお天気になっていました。
日陰を選んで、ブラブラと運河の畔を目指します。
そろそろ開店するカフェもありますが。
食事時間には未だ早く、人通りも少ない。
運河は、ヴェニスとは程遠く。
まぁ言ってみれば、パリのサン・マルタン運河沿いの雰囲気に似ているかなぁ。
それでも。
水辺の街並みを歩くのは、何とも気持ちがいいものです。
時間を考えずに、ゆったり散策。
そしてまた、地下鉄を乗り継いで、ホテルに戻りました。
お腹ペコペコ~!
ですが。
勿論飽きもせず、まずシャワー。
そして、レストラン探しに出かけました。
しかし。
この日は、日曜日。
ただでさえ、そんなにレストランがないエリアみたいなのに。
開いているお店がとても少ない。
しかも、当然のことながら、お値段が高いのは論外!
安くて&イタリア料理、但し、ビュッフェ形式は避けたい…そんな願望に当てはまるお店がなかなかありません。
かといって。
一人だし、アテもないのに遠くまで行くのも気が向かず。
結局、駅の近くのあまりパッとしないレストランに入ることにしました。
…どうも、チェーン店だったようです。
お店の中は、そこそこ広くて、未だ8:00前にも関わらず、お客さんは結構入っていました。
そして、一人客が多い。
…駅の近くで、でもツーリストというより、仕事でこの近くのホテルに泊まって、一人、単にお腹を満たすために食事を取りに入った、という風情の人たち。
失敗だったかしらん?と思いつつも。
とにかく。
メニューを吟味します。
う~む。
一応、お店の外のメニューを見て入ったんだけど、イマイチ、ピンと来るものがない。
だって。
ミラノ風リゾットはないし。
ミラノ風カツレツは、意外に高い!
どうしても、またパスタは食べたいんだけど。
パスタ+カツレツ+ワイン、にすると、結構お値段がいってしまいます。
迷った末、とりあえず、パスタと白ワインに、別注文の付け合せ野菜を頼んで様子を見ることにしました。
で。
ワインがやってくる。
一人で、再び乾杯~!
程なくして、パスタが運ばれてきました。
むぅ…残念。
決してまずいわけでは、ないけれど。
でも。
美味しい!という感動が全くない。
それでも。
お腹が空いていたので、パクパク食べ進み。
ほぼ終わりそうな時に、付け合せの茹で野菜(さやいんげん、人参、ポテト)とほうれん草がやってきました。
スゴイ量だ…。
とりあえず、ほうれん草を一口食べてみる。
マズイ~っ!!!
そして。
どの野菜を少しずつ、食べてもみても…
ぐわっ、マズイっ!!!!!
とにかく。
味がない、旨みがない、新鮮さがない…。
多分、冷凍ものなんでしょうね。
仕方がないから、オリーブオイルと塩を振って食べてみる。
マズイっ!!!
パスタについてきたパルミジャーノをふりかけてみる。
マズイっ!!!
とてもこんな量、こんな不味くて、食べられないよ~、涙。
そう。
…基本的にオーダーしたものは、残さず食べる主義の私なのですが。
とてもこれらを食べきる気分にならない。
しかし。
考えてみれば、旅行中、お野菜をあまり食べていないんですよね。
このくらい食べることも必要なのかも…。
と思いなおし、半ば強制的に食べることにしました。
マズイ、まずい、不味い…。
お店でこんな不味いものを食べたのは初めてだ~っ、というくらいです。笑
それでも。
何とか、ほぼ完食。…涙が出そうでした。
とてもカツレツなんて、そのお店で頼む気にならず。
お会計をすませ、お腹をさすりながら外に出ました。
ん?!
私ったら、動物性たんぱく質を食べていないじゃないっ!!!
しかし。
あまりの満腹状態で、それから、また他のレストランに行く気にもならず。
がっかりしながら、ホテルに戻り。
まぁ、こんなこともあるかな、と買っておいたお飲み物♪とおつまみで、お口直しをし。(笑)
まったりと、一人ヴァカンスの夜は過ぎて行ったのでした。
で。翌朝。いよいよ、旅も最終日です!
雨戸を開けると、既に。
今日も一日暑くなりそうです…。
そして、習慣になった(?)時刻、8:30に食堂に下りて行き。
優雅にゆったり朝食。
…この日、宿泊客も少なかったのか、結局終始サロンには一人でした。
部屋に戻って、さて、と。
今日はどういう予定にしよう?
こういう何にも計画無しの旅行日程もいいもんです…。
とりあえず、自分の部屋と化して収納していたモノを再びキャリーバックに詰め。
あ、そうだ!
絵葉書を書くことにしました。
折角買ったのに、そういえば書いてなかった…。
特にもう、見たいものがあるわけでもなかったので、ホテルでの気持ちの自由な時間を味わうことに。
チェックアウトをしに、フロントに寄ったのは、既に10:30を回っていました。
3:00まで、キャリーバッグを預かってもらえるようにお願いし。
外に出ました。
あれぇ、既に暑い!
そして。
まず向かったのは、1日目一人で行った公共公園?でした。
そう。
フランスのガイドブックに載っていたのですが、その公園の外れに、ムゼオ・デッロットットチェント(と読むのかしらん?)と言う美術館があるらしく。
説明を読むと結構面白そうだな、と思ったのです。
ところが。
基本的に「犬みたいに迷わず何処にでも行かれる」と誇るうさたろうなのですが。
書かれたアドレスが見つけられない…。
何度か地図の印がある周辺をグルグル歩き回りましたが。
結局、暑くて、気分もそがれて、断念。
公園の中のベンチで、作戦の練り直しをすることにしました。
広~い芝生の中に植わっている大きな木の陰のベンチに座って。
あ~、なんて気持ちがいいんでしょう♪
ヴァカンス気分にすっかり溶け込んで…。
ワンちゃんと一緒に散歩に来る人たちが、次から次へと訪れます。
広場の中で、チェーンを外すと、ワンちゃんたちは、時には他の仲間と走り回ったりしながら、本当に幸せそう。
そんな様を飽きずに、ボ~っと見ていたら。
どこからかサイレンの音?
あれぇ~、いつのまにやら1時間以上もそこにいたのでしょうか。
12:00になっていました。
これは大変、タイヘン!
だって。
昨日のお昼ご飯と、夕飯のリベンジのために、この日のランチは、ナンとしても!美味しいミラノ名物をタラフク食べねばなりませぬ!(笑)
レストランを探しながら、ホテルの方向へ向かいつつも、お店がある通りを選んで歩き始めました。
既にテラスで食べている人たちのお料理を盗み見しつつ、お店のメニューを検討。
しかし。
意外に、これは!と思うレストランに出合えません。
何しろ、高いのは駄目!
でも。
雰囲気とかも少しは選びたいし。
ピザとパニーニのように、軽食過ぎたり、パリでも食べられるのもイヤだしなぁ…。
結構探し回って、もう諦めようか。
一日目に2度も行ったレストラン、駅の近くのあそこで妥協するべきなのかしらん…と思い始めたときに。
ふと目についたメニューの看板。
1皿目のチョイスに、ミラノ風リゾットがある!
しかも。
2皿目のチョイスに、ミラノ風カツレツがある!
更に。
飲み物(ビールもワインも可♪)もついて、なんと10€という値段設定。
これは、すっごいお得じゃないですか。
だって。
ミラノ風カツレツは、どんなに安いとこでも12€くらいの相場の感じだったし。
何よりも食べたいものが、食べられて、飲み物つき~♪
でも、不味かったら?
しかし。
迷っている間にも、何組もの勤め人グループらしき人がお店に入っていきます。
よしっ!
この値段だったら、失敗して、他のレストランに行ってもいいじゃないか!
思い切って入ることにしました。
お店は縦長く、結構広い。
ウェイトレス・ウェイターさんは、しかし、皆アジア人(中国人?)で、ちょっと失敗したかなぁ感もありましたが。
お客さんは殆どイタリア人みたいで、それぞれ満足そうに、楽しそうに食べているし。
雰囲気もなかなかよくて、期待することにしました。
案内された席に座り、再びメニューに目を通す。
しかし、ホントこのレストラン、今まで見た中でとってもリーズナブル!
もし、1皿目だけだったら。
なんと5€なんです。
そして、2皿目からのチョイスだと。
7€。
ピザメニューは、6,5€。
それらが、お好きな飲み物つきなのですよ。
しかも、です。(バンバン!←力説して机を叩く音)
ワインだって、グラスワインじゃない。
小さなデキャンタ!であります。
ビールだって、吃驚り!
日本で言う中ジョッキサイズですよ~
喉がすっごく乾いていて、ビールに魅かれたのですが。
食事を楽しむ目的だったので、白ワインをオーダー。
そして。
勿論、初志貫徹。
フルコースメニュー(?)で、ミラノ風リゾットにミラノ風カツレツ、をお願いしました。
すぐに、小さなデキャンタに入った白ワインとパンが運ばれてきます。
再び、一人で、また乾杯~っ。
わぉっ、結構美味しいじゃん、この白ワイン。
微発泡で、キンキンに冷やしてあって、軽やかで。
…安いワインなんでしょうけど、十分だわ~、ウットリ。
地図を眺めたり、撮った写真を見ている間に、待望のリゾットが出来上がってきました。
「はい、どうぞ。」
置かれたお皿を見た途端に、内心吃驚り!!!!!
そ。
実は私、情けないことにあんなにこだわっていたくせに、ミラノ風リゾットがどんなものか、実質的にも視覚的にも知らなかったんですね。
要は、サフランでお米を炊いて、ペルミジャーノで味付けしたリゾットなわけですから。
真っ白のお皿には、真っ黄色のご飯粒のみ。
それが、かなりの量。
狼狽しながらも、食べてみることにしました。
ん?
なかなか、美味しいじゃありませんか。
熱々出来立てで、味付けも濃すぎず。
しかも。
白ワインと相性もバッチリで。
パクパク、食べ進めました。
が…。
半分も食べたら、実は飽きてきちゃった…。
というのも、感触も味もずっ~と一緒なわけです。
しかも。量が多いと来た…。
不安になってきました。
これ食べ終えちゃったら、2皿目が入らないかも。
いや、大丈夫、だいじょうぶ、もう2度とミラノに来ないかもしれないのだから食べなくっちゃ!と自分を説得しつつ、フォークを口に運び続ける…。
でも、結局、4分の1くらいは、申し訳ないけど残すことにしました。
忙しく働くウェイトレスさんを呼びとめ。
「申し訳ないけど、これ、ひいてもらえます?美味しいんですけど、2皿目頼んじゃっているので…ゴメンなさい!」
「それから。えっと。赤ワインを追加お願いできますか?」
…だって。
リゾットを食べるために、白ワインがどうしても必要で、全部、飲んじゃったんだもの。(笑)
ウェイトレスさんは、吃驚りして、
「別料金になりますけど、いいんですか?」と聞き返しましたが。
「えぇ、勿論。グラスじゃなくて、同じデキャンタで!」
それから暫くして、さっきのウェイトレスさんがお皿を運んできました。
「はい、ミラノ風カツレツです」
目にした瞬間、
「ええっ?!」思わず今度は声に出してしまいました。
「こ、これ、私のですか?」
そうなんです。
すごい量!
15cm×20cmくらいのお肉がお皿にデ~ン!
しかも、付け合せにフライドポテトがタップリ…。
ウェイトレスさんは、苦笑いしつつ
「そうですよ」と言って、お皿を置いて去りました。
むぅ…。
予想外過ぎます!
10€のセットメニューで、こんなのありですか?
そりゃあね、ミラノ風カツレツは確かに薄いです。
でも。
パン粉つきで、油で揚げてあるから、かなりのボリュームなはずです。
こんな肉の塊が来るなんて、ぼ、呆然…。
しかし。
眺めていたって、何も始まりません。
大きくカットされたレモンをキュッと絞り。
積極果敢にお肉を食べ始めます。
美味しい~♪
そ。
揚げたてで、シンプルなお肉はとっても美味しいのです。
これは、何としても全部食べるしかないでしょ!(笑)
ポテトも2~3本つまんでみました。
これも、揚げたてだから、美味しいんだけど。
そう、肉の制覇のために、アッサリ放棄することにしました。
…パンを食べるのも、即刻、中止であります!
お肉にはちゃんと少し骨もついていましたが、やっぱり食べられる部分の量もスゴかった…。
モグモグ、コクコク、もぐもぐ、コクコク…。
レモンの汁がいいアクセントになって、シンプルだけど飽きずに食べられます。
ワインも、食欲増進してくれるし、ね。
で、ちゃんと食べましたよ~、全部。
パチパチパチ!
…我ながら、感心です、ハイ。
しかし。
お腹苦しすぎ(笑)。
…暫く、動けないくらいの感じでした。
が。
時計を見ると、2:30じゃありませんか!
ホテルに戻って、空港に向かわないといけません。
重~い腰をヨッコイショと上げ、お会計に並び(珍しく、レジ支払い制。)、支払いを済ませて、外に出ました。
…容赦なく照りつける陽射しに、なめくじ気分を味わいながらも、満足してホテルへと向かったのでした、チャンチャン。
そ。
この後は、荷物を引き取り、また中央駅から空港行きのバスに乗り。
空港でチェックインをすませ。
流石にお腹が一杯過ぎて、ビールを飲む気にもならず。
免税品店内を彷徨い、待合ロビーで最後の旅の余韻を楽しみ。
時刻通り離陸した、パリ行き飛行機の機上の人、となったのでした。
で。
パリに着いたら、寒いっ!
って。大袈裟ですが、半袖一枚じゃ涼しすぎ…。
そんな夕方で。
旅の心地よい疲れと共に帰宅した途端、奈落の底につき落とされた気分になった話は、先日書いた通りであります。