浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

グラールウインドオーケストラ 創立25周年記念第35回定期演奏会

2015-08-01 21:55:24 | 吹奏楽

休日の川崎駅前は、大勢の人であふれかえっていました。

川崎駅前も昔とは随分、印象が変わりました。

川崎と言えば、東口の商店街というか繁華街のことを思い出します。

ですが、西口方面となると…。

以前に何があったかと言われても、ハッキリ言って思い出せません。

その川崎駅西口の旧東芝川崎事業所跡地に2006年に開業したのが大型商業施設「ラゾーナ川崎」。

このあたりから、川崎駅の印象が変わり始めました。

工場の印象が強かった川崎がいっぺんに垢抜けたと言うか…。

 

そして、その「ラゾーナ川崎」に先駆けること2年前、2004年に開館したのが、今回の演奏会の会場、「ミューザ川崎シンフォニーホール」です。

2015年7月19日、日曜日。

連休の中日という事もあってか、かなりの人出です。

川崎駅の改札を抜け、左折。

まっすぐ行くと「ラゾーナ川崎」ですが、もう一回、左折して駅と結ばれたペデストリアンデッキを直進すると…、見えて来るのが「ミューザ川崎」。

オフィスビルや商業施設が併設されている、その外観は、それはそれは、とてもステキです。

 

その「ミューザ川崎シンフォニーホール」にこの日、やって来た理由は、全国的にも著名なアマチュア吹奏楽団「グラールウインドオーケストラ」の定期演奏会に伺うためです。

グラールの演奏会に来させて頂くのも、この日が3回目になりますか。

最初は、一昨年の昭和女子大人見記念講堂でのコンサートでした。

真島俊夫先生の委嘱作品“レント・ラメントーソ”が情感あふれる演奏で素晴らしかったのを昨日の事のように思い出します。

全国大会に何度も出場している「グラールウインドオーケストラ」、今年のコンクールを占う上でも外せない演奏会です…。

 

長いエスカレーターを登るとシンフォニーホールの入口にたどり着きます。

外観だけではなくて、ホワイエもステキです。

もちろん、ホールの中も美しい。

“響き”も申し分ない。

でも、個人的にあの渦巻き状の客席の配置は、どうも好きになれない。

ステージに向かって、客席にヘンな勾配が付いているので席によっては、余計な階段を上ったりしなければ、ならないのが難儀です。(わずか2、3段ですが…。)

デザイン的には斬新でカッコイイのでしょうが、決して年配者や身体の不自由な方々へは優しい設計と言えるのでしょうか?(もちろん、そういう方々のための“席”は、別に用意されているでしょうが…。)

余計なこと書いてスミマセン。

また、「ミューザ川崎」で開催されるコンサートを聴きに行くたびに、今までも同じようなことを書いているかも知れません。

くどいと感じる方がいらっしゃったら、お許し下さい。

さて、話はコンサートへ。

 

プログラムのイチバン最初にこう書いてあります。

「開演前にステージにてウェルカムコンサートがございます。」

ウェルカムコンサートの曲名は以下のとおりです。

 

トランペット十重奏

四季の奏鳴より Ⅰ.Summer Breeze/井澗 昌樹

ダブルリード四重奏

Quatuor d’anches/天野 正道[当団ダブルリードパート委嘱作品]

Ⅰ.Chant

Ⅱ.Danse

 

[演奏]グラールウインドオーケストラ

[指揮]佐川 聖二

[ユーフォニアムソリスト]外囿 祥一郎

 

◆第1部◆

コンサート・マーチ「テイク・オフⅡ」/建部 知弘

秘儀Ⅲ-旋回舞踏のためのヘテロフォニー/西村 朗

(2015年度全日本吹奏楽コンクール課題曲)

Cinéma Chimérique/天野 正道

 

― 休憩(15分)―

 

◆第2部◆

ユーフォニアム協奏曲「皇帝」/マルセル・ケンツビッチ

 

― 休憩(15分)―

 

◆第3部◆

世俗カンカータ「カルミナ・ブラーナ」より/C. オルフ:arr. J.P. クランス

おお、運命の女神よ

運命の女神に傷つけられて

はら、楽しい春が

ダンス

森は花いっぱい

たとえ世界が僕のものになっても

天使は気ままに飛び回る

俺は修道院長

酒場にいる時は

揺れる心

この世で一番愛するひとよ

ようこそ、最も美しいひとよ

おお、運命の女神よ

 

[司会]石尾 和子

 

今年のメイン曲は、「カルミナ・ブラーナ」ですね。

スケールの大きな曲なので、どのような“表現”で演奏して頂けるのか、考えるとワクワクします。

ただ、ひとつ残念なのが、おそらく、今年の自由曲になったであろう井澗昌樹氏の“委嘱作品”が“諸般の事情”で演奏されないのが心残りですね。

 

さあ、指揮の佐川聖二先生が登場しました!

まず、1曲目。

“コンサート・マーチ「テイク・オフⅡ」”です。

もとの曲は、1986年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲ですね。

ただ、今回は、“Ⅱ”と曲名に付いているとおり、“改訂版”。

明るく、爽やかな印象のあった課題曲ですが、懐かしさもあって、楽しみな演奏です。

曲が始まりました。

親しみやすいメロディが会場を包み込みます…。

私のいた席が悪いのか、若干、クラリネットを中心とした木管楽器群が聴こえづらいような…。

テンポが速くなってから、軽快感が前面に出て来はじめて、曲の意図する雰囲気を観客に十分アピール出来てましたね。

ただ、最初の曲でもあり、楽器によっての“エンジンのかかり具合”にバラツキがあったような気がしました…。

 

続いては、今年の課題曲Ⅲ。

西村朗先生の傑作です。

課題曲の演奏は、この曲しかないようですから、Ⅲでコンクールを戦うのだと推察いたしますが、それにしても気合の入った演奏でした。

パンチが効いているから、インパクトがものすごくあります。

中間部のリズムの刻みが若干、乱れた感じがするところがありましたが、そんな事が気にならないくらい聴き応えのある演奏だったと思います。

 

第1部、最後の曲は、「シネマ・シメリック」。(それに先立って、司会の石尾和子さんから、事前の告知とは違う曲であることのお詫び(?)がありました。)

この曲は、文教大学の今年のコンクール自由曲で、天野正道先生の委嘱作品です。(後日、知ったのですがグラールでも“自由曲”なのだそうです。)

この曲は、映画音楽を手がけられている天野先生が作曲された『架空の映画の為のサウンドトラック』という位置付けの曲で、それであるが故に劇的で感情豊かに演奏しなければならないと思います。

いわゆる“表現力”を試される作品ですね。

迫力のある出だしでした。

エンジン全開で加速が増してきたような。

ホールの響きの良さと相まって、サウンドが艶っぽく聴こえました。

多少、金管にピッチやリズムに不安を感じる部分がありましたが、全体的にまとまった演奏で楽しませて頂きました。

木管は、最初の「テイク・オフ」と比較して、随分、響いていて好印象でした。

正直な話、この日の時点では文教大学の演奏の方が上かなぁと思いましたが、コンクールまでに必ずや完璧に近い演奏になるものと確信しております。

なお、演奏後、天野先生が舞台に上がられ、挨拶されました。

 

第2部は、マルセル・ケンツビッチこと津堅直弘東京音大教授の作品でこの日のユーフォニアム・ソリストの外囿祥一郎氏の委嘱で作曲された“ユーフォニアム協奏曲「皇帝」”。

私は、多分、東京音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルの演奏会で聴いた事があるなと思っていましたら、勘違いでした。(聴いた事あるのは、この曲以前に作曲された同じく、津堅先生の“ユーフォニアム協奏曲「レジェンド」”でした。)

外囿先生は、何度もその演奏を聴かせて頂いたことがありますが、いつ聴いても甘い音色ですね。

ユーフォニアムって低音楽器で楽器も大きいですから、割とリズムを刻むのが難しいと思うのですが、外囿先生の“それ”は、楽器の特性を生かしつつ、実にクリアに演奏していたのが印象的でした。

まさに“超絶技巧”です!

グラールも素晴らしいユーフォニアムの音色に負けない演奏をしていましたよ。

特に最初の方のtuttiが素晴らしかった!

うまく、ソリストを盛り立てて行くカンジは、さすが実力のあるバンドだと思った次第。

ただ、スローテンポで外囿先生がメロディを歌い上げている時に木管(クラ?)のリードミスがあったような。

少し、残念でした。(リードミスは、致し方ない部分もあるのですが、“やってはいけない場面”もあるのではないかと思います。)

ただ、これは私の耳が聞き違えたのかも知れません。

自身がないので、もし、間違いであった時は、ご容赦下さい!!

アンコールとして、外囿先生がこの曲の最後の部分を再度、演奏して下さいました。

また、会場にお見えになっていた津堅先生が舞台に上がられ観客からの拍手を受けられました。

それと、これは演奏とは関係ないんですが、カデンツァとかの割と“静寂”を必要とする場面で、モノを落としたり、荷物をガサガサとまさぐったりして、音をたてている客がいたのが非常に迷惑でした。

ルールは守って頂きたいと思います。

 

祝電紹介のあと、第3部、最後のステージは、オルフの「カルミナ・ブラーナ」です。(全24曲中、13曲の抜粋。)

『19世紀の初めにドイツの修道院にて発見された世俗的な詩歌集』にドイツの作曲家オルフが曲をつけたものです。

実際は、大規模な“合唱”“オーケストラ”によって演奏される曲なんですが、この日は、吹奏楽のみの演奏となりました。

スケールの大きなまとまった演奏でした。

長い演奏時間を飽きさせない展開力がありましたね。

メリハリがはっきりしていて、少し極端な感じもしましたが、これくらいオーバーにやった方が、この曲の雰囲気を表現できると思った次第。

トリに相応しい演奏でした。

 

アンコール曲は上記のとおり。

特にアンコールでも外囿先生の“超絶技巧”を見せて頂けたのが嬉しかった!(チャルダッシュ)

 

既に日本のアマチュア吹奏楽界では、コンクール真っ盛りです。

今年は、仕事の都合で“大学・職場一般の部”の神奈川県大会に行けません。(神奈川県大会って、ケッコウ面白いのです。)

ただ、東関東大会や全国大会に行く予定にしていますので、その時、「グラールウインドオーケストラ」&佐川先生を見たいものです。

 

明日は、コンクール埼玉県大会“大学・職場一般の部”に行くつもりです…。



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