去年に引き続き、春日部共栄高校吹奏楽部のオータムコンサートに伺わせて頂きました。
今回も春日部共栄高校吹奏楽部のサックスパートで頑張っている宮﨑麻帆さんのお母様から、共栄のオータムコンサートが行われることをお聞きし、チケットを手配して頂いた次第です。(余談ですが、本当は18日に開催された埼玉栄の“秋演”にも行きたかったのですが、仕事のため行けず、残念な思いをしました…。)
2017年9月23日、土曜日、サンシティ越谷市民ホール。
今回のゲストは、共栄と同じく全国大会の切符を手にしている川口市立青木中学校吹奏楽部の皆さんです。
共栄も青木中も来月に迫っている全国大会前の貴重な本番として全力を出して頂きたいものです。
さあ、始まるようですね…。
川口市立青木中学校吹奏楽部 指揮:中畑 裕太
2017年度全日本吹奏楽コンクール課題曲
西山 知宏/マーチ「春風の通り道」 西山 知宏
March “Path of the Winds in the Spring” NISHIYAMA, Tomohiro
ウインドオーケストラのためのバラッド 高 昌帥
Ballad for Wind Orchestra Chang Su Koh
男サー!ヒットパレード! 構成:川口市立青木中学校吹奏楽部
DANCER ! Hit Parade !
レッツ・スウィング! 山里 佐和子 編曲
Let’s Swing ! Arr. Sawako Yamazato
― 休 憩 ―
春日部共栄高等学校吹奏楽部 指揮:織戸祥子
春日部共栄中学校吹奏楽部 指揮:甲斐早矢花
交響曲「ワインダーク・シー」 J.マッキー
Wine-Dark Sea Symphony for Band John Mackey
148の瞳 酒井格
One Hundred forty eight Eyes Itaru Sakai
鳥之石楠船神~吹奏楽と打楽器群のための神話 片岡 寛晶
Tori no Iwa Kusu Fune no Kami – Myth for Wind Orchestra and Percussionists Hiroaki Kataoka
2017年度全日本吹奏楽コンクール課題曲
メタモルフォーゼ~吹奏楽のために~ 川合清裕
Metamorphosis for Wind Orchestra KAWAI, Kiyohiro
吹奏楽のための交響的断章 福島弘和
Symphonic Movement for Wind Orchestra Hirokazu Hukusima
両校3年生による合同演奏
マードックからの最後の手紙 樽屋雅徳
The last letter from Murdoch Masanori Taruya
宝島 和泉宏隆/真島 俊夫 編曲
Takarajima Hirotaka Izumi / Arr. Toshio Mashima
まずは、青木中から。
最初の曲は、課題曲Ⅳですね。
埼玉県の中学吹奏楽界のレベルの高さは、私もよく認識しております。(アンサンブルリベルテの定期演奏会と同時に行われる埼玉県中学校選抜吹奏楽団研修発表会などで確認済みです。)
だから、今までより見方が厳しくなる。
でも、いつも良い意味で期待を裏切ってくれるんですよね。
そして、今回もそうでした…。
出だしは、迫力が凄かった。
あのあどけない顔をした中学生の皆さんが出す音とは思えません…。
全体的には中学生らしいさわやかなサウンドでした!
次は、高昌帥先生の「バラッド」ですね。
重量感あふれるこの曲ですが、中学生のみなさんに“料理”できるのでしょうか?
冒頭のトランペットソロは素晴らしかった!
迫力がすごいです。
何よりも堂々としています。
音楽の流れが一体となっていて、全員の心がひとつになっているのがサウンドを聴いていればわかります。
欲を言えば、静かなところと激しいところの格差をもう少し表現できれば“完璧”でしたね!
名古屋での活躍を期待しています。(何と高先生が会場にいらしていました!)
本来ですとプログラムには、有名なミュージカル「ライオンキング」を演奏すると書いてありますが、演奏されませんでした。
理由は“第3回全日本ブラスシンフォニーコンクール 本選大会”に演奏するメンバーが参加しているためだそうです。(この日、世田谷の三軒茶屋にある昭和女子大学人見記念講堂で開催されていました。全日本ブラスシンフォニーコンクールって初めて聞いたのですが、詳しくはこちらから。http://ajbsc.jp/)
次は、「男サー!ヒットパレード!」と題して男子生徒5人が、舞台上や客席の通路をいろんな曲に合わせて縦横無尽に踊る、ステージでした…。
頑張ってましたね、“男サー(ダンサー)”の皆さん!
それにポップス系の曲だとより目立つのですが、金管の音に芯があって力強い…。
曲が終わると青木中の顧問である中畑先生のインタビューです。
楽しいお話でしたが、しっかりとご自分で出版された本やDVDの宣伝はされました。(笑)
青木中の最後の曲は、「レッツ・スウィング!」。
ビッグバンドの名曲を見事なテクニックで楽しませて頂きました!
こういう言い方をすると失礼かも知れませんが、生徒の皆さん“可愛かった”!
休憩に入りました。
それにしても、やっぱり響かないホールですね…。
乾いた音がします…。
個人的なお願いですが、立地的な事を考えて出来れば音響のいい“川口リリア”でやって頂ければと思います…。(個人の勝手な意見です…。)
さあ、いよいよ春日部共栄の登場です!
最初の曲は、「ワインダーク・シー」です。
2015年の職場一般の全国大会で名取交響吹奏楽団が金賞を獲得して以来、コンクール自由曲として大人気の曲です。(個人的にこの日、この曲を生で聴けるのを楽しみにしていました。)
冒頭のホルンのユニゾン、難しいですよねぇ。(笑)
正直、曲の前半は多少、落ち着かない感じがあって、バタバタしていたようにも思えましたが、曲が進んでいくにつれ立て直してきました。
それにしてもサウンドが厚くて洗練されています。
“空間の広がり”を感じる「ワインダーク・シー」でした!
続いては、今年の定期演奏会で委嘱・初演された酒井先生の「148の瞳」。(私も初演を聴かせて頂きました。)
有名な「二十四の瞳」をイメージした曲だとのことですが、本当に顧問の織戸先生と部員の皆さんとの“愛のあふれる関係”が音楽によって具現化されています。
会場にいらしていた酒井先生もおっしゃってましたが、初演の時より“進化”した演奏でした。
メルヘンチックなところもあり、すごく雰囲気を出しています。
個人技も冴えています。
いつもより、やわらかいサウンドのようにも思えます。
何よりも丁寧なアンサンブルで細部まで気を配った好演でした。
3曲目は、春日部共栄中学校吹奏楽部の登場です。
曲は「鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)」。
日本神話を題材にした曲です。(東部地区のBの部に出場したそうです。)
“吹奏楽と打楽器群のための神話”とサブタイトルがついているとおり、パーカッションが大活躍する曲でした。
打楽器の皆さんの演奏楽器が多いのでマルチに活躍するのがカッコ良かった。(特にメガネをかけたポニーテールのお嬢さんがステキでした!)
細かいミスも多かったですが、それを上回る“熱意”を感じる演奏が好印象でした!
そして、演奏は“高校”の方に戻ります。
今年の全国大会で演奏する課題曲と自由曲の演奏です。
課題曲Ⅴから。
難曲として話題ですが、共栄はどのような演奏をしてくれるのでしょう…。(コンクール、1ヶ月前の貴重な“仕上がり具合”を聴けるなんて何てステキな体験でしょうか!)
出だしは実に“デリケート”に入りました…。
ソロ楽器の“受け渡し”も絶妙です。
音楽に“流れ”があって完成されていますね。
このようなトップバンドには、当然の事なのでしょうが、サウンドの統一性を感じました。
いや、それ以上の“融和”があったでしょうか?
この曲には、「金賞」のイメージを持ちました…。
次は、“自由曲”です。
これは、文句ないパフォーマンスでした。
アンサンブルやバランスの面を考えても完璧な演奏です。
あとは、全国大会で全国から、“やってくる”強豪校と、どのように“差別化”を表現するか?
それが出来れば、金賞に、より近付けると思います…。
このあとは、共栄と青木中の3年生の合同演奏ですがステージ転換の間にこの日、来て頂いた作曲家の先生方のインタビューがありました。
まずは、織戸先生の主導で「バラッド」を演奏した青木中の中畑先生と作曲者の高先生のトークです。
中畑先生は、コンクール自由曲として、生徒からの人気が高かった「バラッド」を選んだ経緯や苦労、そして、そのような曲をチョイスできた感謝の気持ちを話されました。
それに対し、高先生は、大変、恐縮されていました…。
続いては、お馴染み酒井先生と今年の課題曲Ⅴを作曲された川合清裕先生の登場です。
酒井先生は、「148の瞳」を作曲したことの想いと共栄に対する感謝の気持ちを述べられました。
川合先生は共栄に限らず、色々な団体が四苦八苦して自分たちの“課題曲Ⅴ”を作り上げているのに驚きを感じていらっしゃるとのこと。
合同演奏は、青木中の中畑先生の指揮で名曲「マードックからの最後の手紙」からです。
私が知っている「マードック」よりもゆったりと入りました…。
それが、とても心地よい。
全体的に壮大な演奏になりました…。
そして、最後は、「宝島」。
これは、理屈は必要ありません。
楽しませて頂きました!(特にサックスパートのうまさが際立ちました!!)
楽しい時間はあっという間に過ぎました…。
ただ、言いたいのは共栄も青木中も全国大会に出るのであれば、『金賞』を!!
コンペティションである限りは、結果がすべてです。
“負けた”団体の想いも胸に頑張って下さい!!
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