浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

文教大学吹奏楽部 第35回定期演奏会

2012-12-29 01:38:07 | 吹奏楽

クリスマスイヴに続いて12月26日もリリア(川口市総合文化センター)にお邪魔しました。
目的は文教大学吹奏楽部の定期演奏会のためです。
それでは、なぜ文教大学のコンサートにお伺いしようと思ったか。
それは、吹奏楽界で全国大会金賞獲得常連校であることも、大きいですが、イチバンの理由は演奏会の選曲に惹かれたからです。(今年も「金賞」でしたね。)
まず第一は、「トリトン」。
2010年、第58回全日本吹奏楽コンクール高校の部で前半の2番目の演奏というハンデをモノともせず、「金賞」を獲得した千葉県の市立柏高校。
その時、演奏した自由曲が長生先生の「トリトン・デュアリティ」です。
そして、この曲にハマってしまった。
調べてみると「トリトン・デュアリティ」は、東邦音大創立70周年記念の委嘱作品として、長生先生が作曲された「トリトン 全3楽章」の一部を使って、新たに楽曲として再編成?されたのだと言うことを知りました。
これは、生で是非、聴きたいと思っておりましたが、なかなか機会にめぐまれず、この日に至った次第です。
第二は、「アルプスの詩」。
一時期、大阪市の橋下市長とのバトルで話題になった大阪市音楽団。
その“市音(しおん)”のCDで聴いたこの曲が、あまりにも素晴らしかったので、生演奏を聴きたいと強く念願しておりました。
この日のプログラムは私にとってワクワクするものでした…。

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さて、この日のプログラムをお知らせしましょう。

[演奏] 文教大学吹奏楽部
[指揮] 佐川 聖二
[学生指揮] 羽生田 知佳,中林 真紀
[トロンボーン独奏] 枡野 勝至

【第一部】

 

● イーグルクレスト序曲 (J.バーンズ)
● ノーブル・エレメント (T.マー)
● A Song For Japan (S.フェルヘルスト)

【第二部】

 

● ペルシス (J.L.ホゼイ)
● トリトン 全3楽章 (長生 淳)

【第三部】

 

● 交響詩「アルプスの詩」 (F.チェザリーニ)

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第一部の初っ端は「イーグルクレスト序曲」。
お馴染みバーンズの曲です。
指揮は3年生の学生指揮者、中林 真紀さんです。
明るく華やかなバーンズらしい曲でしたが、1曲目で緊張しているのかアンサンブルの乱れが所々あり、少しまとまりに欠けた印象を受けました。
2曲目は「ノーブル・エレメント」は初めて聴く曲です。
指揮は4年生の学生指揮者、羽生田 知佳さんに替わりました。
う~ん、まだ、何か乗り切れていない、手探りの演奏ように感じました。
そこが気になって、曲の印象があまり残ってない…。
第一部、最後の曲は「A Song For Japan」。(ここで指揮は佐川先生に交代。)
ベルギーのトロンボーン奏者フェルヘルストが東日本大震災の被災者への思いを込めて作った曲です。
トロンボーン協奏曲のような美しい楽曲でした。
中心になるソロ・トロンボーンを演奏するのは、部員の4年生、枡野 勝至さん。
下手(しもて)側より登場した彼は、ガチガチに緊張しているようにみえました。
しかし、演奏がはじまったとたん、ビックリしましたね。
細かいミスはあったものの、そのサウンドの美しいこと。
やわらかくて、温かみのある音色は、とても素敵です。
曲が終わったあとも枡野さんは演奏とは対称的な緊張感を身体から発散させながら、ステージから去っていきました。
実に初々しくていいですなあ、好感が持てます。

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休憩の後、第二部が開演しました。
最初は「ペルシス」。
次の「トリトン」が早く聴きたくて、うつろな心根で鑑賞しておりましたが、第一部とは違い躍動感あふれる良い演奏だと思いました。
そして、いよいよ「トリトン」です。
文教大学吹奏楽部の今年のコンクール自由曲が「トリトン・エムファシス」であったせいか、これまでの曲との完成度が違っていました。
1楽章の早いテンポはリズム感があって素晴らしかったですし、2楽章のスローテンポなアンサンブルは十分、歌ってました。
「トリトン・デュアリティ」が「トリトン」のどの部分を使っているかを私なりに思ったまま言わせてもらうと、(実におおまかですが)「トリトン・デュアリティ」の前半が「トリトン」の2楽章、後半が1楽章のように見受けられました。(3楽章には聴きなれた部分はないように思いました。今年のコンクールで文教大学が演奏した「トリトン・エムファシス」に取り入れられているのかもしれません。何せ、1回しか聴いてませんので、ナントモ…。)
それにしても、「トリトン・デュアリティ」と「トリトン・エムファシス」の関係性って、どんなもんなんでしょう?
わかりませんな…。
いずれにせよ、「トリトン」を堪能させて頂きました!

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今回は、気分を変えて2階席に座席を取りました。
高いところですので、当然、上から舞台をのぞき込むかたちになります。
それで気付いたことがあります。
曲ごとの楽器編成に合わせてイスを並び替えるためだと思いますが、目印にするためのテープを舞台上の床にベタベタと貼ってあるのが目立ってました。
しかも、数色のカラフルなテープが。
(いわゆる業界用語いうところの「バミる」ってやつですか。)
何か、あんまり見栄えのよいものではなかったので…。
(余計なこと言ってスミマセン。)

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そうこうしているうち、いよいよ最後のステージ、第三部です。
さあ、チェザリーニの壮大な曲をどう料理してくれるか興味津々ですね。
曲は静かに始まり、壮大なフィナーレへと突き進んでいきます。
素晴らしい曲ですよね。
文教大学は荒々しくもありましたが、若々しい躍動感に満ちた演奏でした。
細かいところなど気にならない格調高い演奏は見事です。
これからも、頑張って!と声をかけたくなる演奏でした。

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これで、プログラム上の楽曲は終了しました。
「アルプスの詩」への盛大な賛辞の拍手の中、佐川先生や司会の方に花束贈呈があったりして、会場は非常に盛り上がっています。
そして、アンコールです。
1曲目は、大人気の作曲家、フィリップ・スパークの「ハンティンドン・セレブレーション」。
2曲目は、佐川先生にかわり、本日の演奏会で吹奏楽部を引退する羽生田 知佳さんに指揮が替わります。
曲は、鈴木 英史先生の「吹奏楽のためのプレリュード~〈時計台の鐘〉の旋律による」です。
この4年間の思いが心に去来するのか、羽生田さんの“涙の”指揮には、感動いたしました。
青春ですなあ。
(私も、ん十年前に心だけがタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥りました。)

こうして盛大に演奏会が終了しましたが、どうも学校のある越谷で演奏会をするのが本意らしいようですね。
川口リリアは、とても良いホールだと思うのですが…。
いずれにせよ越谷で演奏会をやる節は、浦和のオヤジも遠征してみようと思った次第。
また、このところ全国大会で金賞ばかり獲得しているので、神奈川大学のような落ち着いた団体なのかなと思っていましたら、さにあらず。
エネルギッシュで若々しい演奏であったので、逆にうれしかった。
やっぱり、若者は元気がなくちゃあ!!

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さて、今回のコンサート観戦記?で今年のブログ更新、最後となります。
遅筆な上、仕事や体調のせいでブログ更新が遅れがちですが、できれば頑張らせて下さい。よろしくお願い申し上げます。
来年の口開けは、1月6日、横浜みなとみらいホール、神奈川大学吹奏楽部の予定です。
こうご期待!
それでは、良いお年を!