勝負の世界は、勝つことにこしたことはない。しかし、負けて得することもあるのだ。負けるが勝ちということわざもある。純粋な青少年を率い、指導する立場の人間が、理由はどうあれ決して言ってはいけない言葉があるはずだ。広陵高校の中井監督はとんでもないことを口走ってしまった。
広島広陵高校の8回裏守備において確かに、佐賀北2番バッターへのボール判定は、2-3からだけに微妙なところである。この一球があの歴史的に残る逆転、満塁ホームランを生んだのだから。しかし、審判は塁の後ろで見ているのだ。ダッグアウトにいる監督がどうこう言う筋合いのものではない。判定は神聖なものであることを生徒に指導する立場にある人間だ。試合当事者である監督は、その判定について決して口にしてはいけない言葉をはいてしまった。。判定に不服というのだ。私も帝京戦において、スクイズ判定について大いに不満のブログを書いた。結果的に審判の判定は正しかったのだと思えてきた。何しろ対戦相手は優勝校になってしまったのだから。
決勝当日の甲子園観客席の人たちは、判官びいきではないが佐賀北に応援していた気配がある。私も嘗ての印象は、広島野球というか広陵高校の試合運びについて決して好ましい野球とは思えない点が過去の試合に幾つもあった記憶がある。それは強いチームだけに、試合巧者というか汚い試合運びみたいな点が、目に付きすぎることであった。爾来あまり応援したくないチームの一つになっている。要は、汚い野球をする最右翼にいるチームと思っている。
しかし、今回は伝統校にふさわしい堂々たる試合運びで、優勝間違いなしと思っていた。中盤はこれで優勝間違いなしとして、テレビ観戦をやめてしまっていた。しかし、あの劇的逆転劇は、しっかり見せてもらった。あんなことは普通の人間にできる事ではない。あの副島選手は幸運の星を持って生まれてきた人に違いない。天晴れ佐賀北高校!おみごと、最大限のほめ言葉を送りたい。