5月22日、日本共産党市議団で、熊本城を国指定の特別史跡にふさわしい位置づけで、文化的価値を高めるような保存・復元・利活用するよう、熊本市長に申し入れました。
現在、熊本市がすすめている「熊本城第Ⅱ期復元整備計画」の「平左衛門丸塀」復元整備に、文化庁より改善を求める指導的文書
今年2月はじめ、①特別史跡の保存を前提とする調査研究組織を設置すること、②特別史跡としての調査研究を充実させること、③平左衛門丸塀復元の石垣整備は、遺構の破壊も含む側面もあるので、必要最小限の石垣整備を精緻な発掘調査のもとに行うこと、④復元整備の総括的な整備報告書を早急に刊行すること、⑤史跡の活用には、史跡の理解や保護に負の影響を与えかねないものも散見されるので、調和のとれた保存と活用の考え方を示すこと、の5点を指摘し、改善を求める、文化庁の諮問機関からの指導的文書が届きました。
これらの指摘は、本市の「熊本城」に関する「文化財」としての位置づけそのものが問われる問題です。今回の指導内容に対し、明確な回答が得られない場合は、今後の復元にあたっての審議をしないことも明記されており、重く受け止めなければなりません。
「熊本城」を観光文化局の所管とし、観光資源としての活用を重視しているところに問題があります。
「熊本城」は、国指定特別史跡の中でも価値の高いもの
全国に61件ある国指定・特別史跡のうち、近世の城郭で指定を受けているのは、九州に「熊本城跡」と唐津「名護屋城跡」の2ヵ所しかなく、この城址はいずれも、近世の城郭として史跡価値が高いものです。特に熊本城は、宇土櫓はじめ城門・櫓等がよく遺存し、石垣・掘等もよく旧観を保ち、近世城郭の典型として、文化価値がきわめて高いと評価されています。
日本共産党熊本市議団は、以前より「熊本城」を国指定の特別史跡にふさわしい保存・整備・活用の必要性を強調してきました
城域である「桜の馬場」への「城彩苑」整備が提案された時は、特別史跡の追加指定区域として文化庁への説明もされていた区域であることから、遺構の保存や景観への影響、また、そもそも史跡としての熊本城にそぐわない「城彩苑」整備には問題があると指摘し、「熊本城」の文化的価値を高める上でもマイナスであると、計画の中止を求めた経緯があります。
他の自治体では、専門的な組織をつくり、学術的な調査研究を実施
石川県には教育委員会の中に「金沢城調査研究所」(17人)、姫路市には「姫路市城郭研究センター」(5人)があり、それぞれに専門職員が配置され、学術的な見地での調査研究が行われています。
【市議団の要望・6項目】
1、 「熊本城」が国指定の特別史跡として、極めて文化価値の高いものであるという「文化財」としての位置づけを明確にし、それに見合った保存・復元整備・活用を行うこと。
2、 特別史跡としての充実した学術的調査研究がすすめられるよう、経験があり、また専門知識を有する職員を含む、調査研究プロジェクトチームを早急に設置すること
3、 熊本城の保存・復元整備に関する部門は「教育委員会」の所管とし、特別史跡にふさわしい専門的な調査研究を系統的に行っていくこと。
4、 整備にあたっては、遺構の保存に配慮した精緻な調査を行い、十分な調査を行った上での史実にもとづく系統的な復元をすすめていくこと。
5、 「熊本城」の活用については、文化庁との丁寧な協議を経たうえで理解を求めることは勿論のこと、提案にあたっては、「文化財」としての位置づけにふさわしく、特別史跡としての理解や保護が深まっていくような活用内容であることの検討を関係各部署で丁寧に行うこと。
6、 プロジェクトチーム設置や充実した調査研究、遺構に配慮した丁寧な保存・復元をすすめるに足る、十分な予算措置を行うこと。
現在、熊本市がすすめている「熊本城第Ⅱ期復元整備計画」の「平左衛門丸塀」復元整備に、文化庁より改善を求める指導的文書
今年2月はじめ、①特別史跡の保存を前提とする調査研究組織を設置すること、②特別史跡としての調査研究を充実させること、③平左衛門丸塀復元の石垣整備は、遺構の破壊も含む側面もあるので、必要最小限の石垣整備を精緻な発掘調査のもとに行うこと、④復元整備の総括的な整備報告書を早急に刊行すること、⑤史跡の活用には、史跡の理解や保護に負の影響を与えかねないものも散見されるので、調和のとれた保存と活用の考え方を示すこと、の5点を指摘し、改善を求める、文化庁の諮問機関からの指導的文書が届きました。
これらの指摘は、本市の「熊本城」に関する「文化財」としての位置づけそのものが問われる問題です。今回の指導内容に対し、明確な回答が得られない場合は、今後の復元にあたっての審議をしないことも明記されており、重く受け止めなければなりません。
「熊本城」を観光文化局の所管とし、観光資源としての活用を重視しているところに問題があります。
「熊本城」は、国指定特別史跡の中でも価値の高いもの
全国に61件ある国指定・特別史跡のうち、近世の城郭で指定を受けているのは、九州に「熊本城跡」と唐津「名護屋城跡」の2ヵ所しかなく、この城址はいずれも、近世の城郭として史跡価値が高いものです。特に熊本城は、宇土櫓はじめ城門・櫓等がよく遺存し、石垣・掘等もよく旧観を保ち、近世城郭の典型として、文化価値がきわめて高いと評価されています。
日本共産党熊本市議団は、以前より「熊本城」を国指定の特別史跡にふさわしい保存・整備・活用の必要性を強調してきました
城域である「桜の馬場」への「城彩苑」整備が提案された時は、特別史跡の追加指定区域として文化庁への説明もされていた区域であることから、遺構の保存や景観への影響、また、そもそも史跡としての熊本城にそぐわない「城彩苑」整備には問題があると指摘し、「熊本城」の文化的価値を高める上でもマイナスであると、計画の中止を求めた経緯があります。
他の自治体では、専門的な組織をつくり、学術的な調査研究を実施
石川県には教育委員会の中に「金沢城調査研究所」(17人)、姫路市には「姫路市城郭研究センター」(5人)があり、それぞれに専門職員が配置され、学術的な見地での調査研究が行われています。
【市議団の要望・6項目】
1、 「熊本城」が国指定の特別史跡として、極めて文化価値の高いものであるという「文化財」としての位置づけを明確にし、それに見合った保存・復元整備・活用を行うこと。
2、 特別史跡としての充実した学術的調査研究がすすめられるよう、経験があり、また専門知識を有する職員を含む、調査研究プロジェクトチームを早急に設置すること
3、 熊本城の保存・復元整備に関する部門は「教育委員会」の所管とし、特別史跡にふさわしい専門的な調査研究を系統的に行っていくこと。
4、 整備にあたっては、遺構の保存に配慮した精緻な調査を行い、十分な調査を行った上での史実にもとづく系統的な復元をすすめていくこと。
5、 「熊本城」の活用については、文化庁との丁寧な協議を経たうえで理解を求めることは勿論のこと、提案にあたっては、「文化財」としての位置づけにふさわしく、特別史跡としての理解や保護が深まっていくような活用内容であることの検討を関係各部署で丁寧に行うこと。
6、 プロジェクトチーム設置や充実した調査研究、遺構に配慮した丁寧な保存・復元をすすめるに足る、十分な予算措置を行うこと。