日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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学校という“フォーマル”な場で学ぶことが、性をポジティブに捉えることにつながる

2018-06-26 | 東京都政・都議会のこと

 共産党都議団は代表質問で、性教育について5つの質問を知事と教育長に行いました。

 性教育について、学校という場において行うことが重要だと思います。

 質問の中でも紹介している埼玉大学の田代美江子教授からお話を伺った時に「多くの大人が避ける話題で、エロいと思ってごまかしてきたことを、『科学的で大切なこと』だと教わることが、セクシャリティを変えていく。性をポジティブに捉えることにつながる」と述べられていたことは大変印象的でした。

 性教育については、陳情が提出されており第3回定例会(9月)に文教委員会で審査が行われる運びとなりそうです。保護者、教職員、医療関係者や専門家の方々との意見交換を行いながら、世界ではスタンダードとなっている包括的性教育を行うよう求めていきます。

■あぜ上都議の代表質問

 性教育について質問します。

Q1 足立区立中学校の3年生の総合学習の授業について、自民党都議の質問を受け都教委は、「性交」「避妊」など学習指導要領を超えた内容に課題があり、指導すると答弁しました。このことに、「教育への不当な介入だ」「性についての正しい知識は子どもに必要だ」と、抗議と批判の声が広がっています。
 東京の10代の人工妊娠中絶が毎年1000人前後という実態もある中で、足立区の中学校の性教育を支持する声が、圧倒的多数です。
 秋田県は、医師会の協力で「性教育講座」をすべての中学・高校で行い、妊娠・出産や避妊、性感染症について学んでいます。その結果、かつて全国平均以上だった10代の人工妊娠中絶の件数が3分の1に減少し、全国平均以下になる効果をあげています。
 知事は、子どもたちが科学的な性知識を学ぶ「性教育」の必要性について、どのように認識していますか。

Q2 4月の都教委の定例会で、教育庁指導部は、性教育について学習指導要領を超える内容を指導する場合は、「保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導することなどが考えられる」とする方針を示し、全区市町村教育委員会と都立学校に周知していくと報告しました。
 この方針に、教育長を除く委員5人が、「足立区の中学校を否定するべきでない」「性についての正確な情報が子どもを守る。柔軟に対応してほしい」「現場の先生が萎縮せず、積極的にやってほしい」という見解を表明したことを、教育長はどのように受け止めていますか。

Q3 今回の中学校の授業は、都教委による指導の対象とすべきものではないと考えますが、いかがですか。

Q4 そもそも学習指導要領の総則には、学習内容について指導要領の範囲を超えて教えることもできると書かれています。学習指導要領を超える内容は「個別指導」などという都教委独自の見解を、学校におしつけるべきではないと思いますが、いかがですか。

 足立区で中学校と一緒に性教育に取り組んできた田代美江子教授は、「学校というフォーマルな場で、みんなで性について学び、考え、表現し合い、意見交換することが、性をポジティブに捉えることにつながる」と述べています。学校で授業を受けた生徒は「今まで間違っていた知識や知らないことが一杯あった」「これから先の役に立つから、知ってよかった」と、前向きに受け止めています。

Q5 現在進めている「性教育の手引き」の改訂にあたっては、学校現場の意見をよく聞き、科学的な性教育ができるようにすることや、LGBTなど多様な性について学べるようにすることなどが求められていますが、いかがですか。

 改訂した手引きが、現場の実践などを委縮させるようなことにならないよう、強く求めておくものです。

■小池知事、中井教育長の答弁

(小池知事の答弁)

 性教育の必要性についてのご質問がございました。
 学校における性教育は、子供たちの人格の完成を目指す教育の一環でございます。そして、人間尊重の精神に基づいて行うとともに、子供たちが性に関する正しい知識を身につけて、適切な行動を選択できるよう指導していくことが大切でございます。
 性教育の具体的な取り組みに当たりましては、性情報の氾濫などの実情を踏まえる一方で、保護者の間にもさまざまな考えがあることなどにも配慮していく必要があると考えております。
 教育委員会や学校関係者におきましては、社会状況や子供の実情に応じた適切かつ丁寧な取り組みを行って、子供たちの健やかな成長を実現していってもらいたいと考えております。

(中井教育長の答弁)

 性教育に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず、性教育に関する見解についてでございますが、学校における性教育は、全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、児童生徒等の状況に応じ、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うことも必要であると考えております。
 こうした考え方については、本年四月二十六日開催の教育委員会定例会で、各教育委員のさまざまな発言を経た上で、全ての教育委員の了承が得られたものであり、足立区教育委員会に対しても、これらに基づき丁寧に対応してきております。
 次に、都教育委員会による指導についてでありますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条において、都道府県教育委員会は市町村に対し、都道府県または市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言または援助を行うことができるとされております。
 今回の足立区の事案については、学習指導要領の内容を超える部分があるため、事前に保護者に具体的な説明を行い、理解、了解を得るなど丁寧な取り組みが必要であったと考えられますが、十分に行われていなかったことに課題があったと捉えております。
 次に、学習指導要領を超える内容の指導についてでありますが、文部科学省の中学校保健教育の手引きでは、性に関する指導の留意点として、学校全体で共通理解を図ることや、家庭、地域との連携を推進することなどに配慮するとともに、子供たちの心身の成長、発達には個人差があることから、全てを集団指導で教えるのではなく、集団指導で教えるべき内容と個別指導で教えるべき内容を明確にし、それらを関連させて指導することが重要であると示されております。
 都教育委員会は、この手引の内容を踏まえるとともに、保護者等の考え方もさまざまであるといった実態等に鑑み、学習指導要領を超える内容を指導する場合は、児童生徒等の状況に応じ、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うことが必要であると考えております。
 最後に、性教育の手引の改定についてでありますが、都教育委員会は、昨年度から、手引の改定に当たって作成委員会を設置しており、その委員には、学識経験者、医師等の外部有識者のほかに、公立学校長、保健体育科の教諭や養護教諭など学校の代表者も多数含まれております。
 また、SNSに起因する性被害や性同一性障害、性的指向、性自認への配慮等、性教育を進める上での今日的課題についても、作成委員会の中で議論しております。

 (写真は、長島可純さん撮影。写真の無断転載、二次利用はご遠慮ください)

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