tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

DTPの下仕事

2005年06月15日 22時17分17秒 | DTP/Web
様々な仕事の中に、仕事の内容によって、グレードをつけてそれをアルバイト・派遣・契約・正社員というように割り振ることが多い。早い話が、簡単な仕事はアルバイトに、複雑で頭を使う仕事は正社員に、その中で年功序列的にも割り振ることがある。人はみなこの年功を「経験」というが・・・。どこでもそうだけど、人を取るときはやたら経験や実力を持った人間を優先する。そんな実力がある人間が、破格の人件費で取得できれば、これほど企業にとっていい話はない。しかし、デザインセンスが優れている、あるいはいい腕を持っている人間ほど、その実力を充分に活かしきれないのもDTPの世界の普通の姿で、あれほど優れたイラストを書く人が、スーパーのチラシを作っているの?という話も珍しくない。芸大を出た人にとっても、これほど活躍しにくい世界もそうないだろう。

さて、どんな人間でも最初のうちは下仕事を行わなければならなくて、そうした仕事の中でDTPの場合、トレースやパス抜きといった仕事が該当してくる。トレースは下絵を基にしてIllustratorで描いていく作業、パス抜きは写真などをPhotoshopなどで切り抜く作業を意味する。どちらも外注で出してもそれほど大きい単価ではない。トレースならば一番簡単なもので1000円らしい。

トレースは散々経験した。はじめは遅かったが、最後には時給3000円近くまで上げることが出来るようになった。すなわち、1時間に3枚の絵を書き上げることである。しかし、こうした作業も最初は形になっていくので面白いけど、だんだんつまらなくなるものである。ただ作っているだけの人になってくるのだ。それであって、デザインが出来る人なんてそうたくさんはいない。作る側の人間同士で閉鎖的なコミュニティーを作り上げて、よほど優秀な才能でもない限り、新しい人間など要らないのだ。またデザインを求める方も変わってきた。普通のデザインではインパクトがなくて、ココロを打たないのだ。そうだろうな。ヒロ・ヤマガタやラッセンの絵なんて美しいとも思えない。止まった絵を美しく見せることは、もはやほとんど不可能な状況にある。

美しいデザインって結局どんなものなのだろう?