tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

最後の砦が堕ちる時(3)ー印刷業が印刷物で語れなくなるー

2009年05月27日 21時43分12秒 | DTP/Web
雑誌が不況である。一昔前は、本が売れなくとも雑誌は売れたものだったが・・・。

4月初旬、一つの雑誌がその幕を閉じた。以下は引用である。

ーーーーーーーーー以下、引用ーーーーーーーーー

DTPWORLD休刊のお知らせ  2009年3月10日

■読者の皆様へ

平素は弊社の雑誌『DTPWORLD』をご愛読いただきまして誠に有り難うございます。

1996年の創刊より、読者の皆様に親しまれておりました『DTPWORLD』ですが、 誠に勝手ながら、2009年4月13日発売131号(2009年5月号)をもちまして、 休刊することとなりました。
創刊から13年間、読者の皆様に支えていただき心より御礼申し上げます。

昨今、広告依存型のビジネスモデルの転換期に来ておりますが、 弊社としましてもメディアとしての長期的戦略の観点から、 他の媒体や事業に経営資源を集中することにより、更なる顧客価値の向上、経営効率の改善を図る所存でございます。

ご期待をしていただいた皆様には申し訳ございませんが、 制作スタッフ含め、社員一同、これからもDTP業界にとって発展的な役割を担えるよう、 兄弟誌であるCGWORLDでの記事展開をはじめ、 書籍を中心とするさまざまなメディア(出版事業・検定事業・新卒採用支援事業)で、良質な情報の発信に努めて参ります。

今後とも何卒、宜しくお願い申し上げます。

株式会社ワークスコーポレーション
DTPWORLD編集部

ーーーーーーーーー以上、引用ーーーーーーーーー

私がDTPの勉強をしていた2003年頃は、一つのピークであった。この前から話している、DTPエキスパートの新規受験者も2002年がピークである。専門学校でも、結構受講生が多かった。私が通ったヒューマンは16ページもののパンフレット(結構厚手の紙)を出しては、いろんなところにおいていた。今はぺらぺらの8ページである。

そんな時期に読んでいたのが、DTPWORLDである。表紙の処理が結構凝った雑誌だった。しかし、ほとんどが
カラーページであったから、結構高く1280円していた。当時はサブカルの雑誌で900円をだし、漫画雑誌で580円出していたから結構な出費を毎月行っていた。そのうち二つは今は買っていないが、買わなくなった雑誌に一冊がまぎれも無くDTPWORLDだった。面白くなかった訳ではない。ただ、買って読み続けるほども、のめり込んでいなかったのかも知れない。そしてまた、雑誌の企画は、毎年似たようなものであった。

去年、PDFについての特集があったが、これも図書館で借りて来た。PDFもまた、しょっちゅう特集の対象となったものだ。

先に引用した文章の中に、「広告依存型のビジネスモデルの転換期」「他の媒体や事業に経営資源を集中」という言葉が見つかるが、これはやはり、紙媒体をメインとした雑誌のあり方が、根底から問われている。それは紙媒体を作り出す技術を普及させることをメインとした雑誌で起こった一つの悲劇というべきか。

最後の砦が堕ちる時(2)ー立ち去る同期の桜ー

2009年05月26日 21時41分59秒 | Weblog
DTPエキスパート認証は2年ごとに「更新試験」を受けて、認証を更新しなければならない。
という事は、必ずその過程で脱落する・・・といえば、聞こえがわるいが、立ち去る人間がいるはずである。
すなわち、更新試験を受けない人々である。ただ、その数がどの程度なのかは全く把握していなかった。やろうと思えばなんぼでもできる。

まず、私は23期試験で受かった。この時は、1,522人が受験し、745人が合格。合格率は48.9%。

23期は過去に一度更新試験を受けている。このときに受験を取りやめた人間も居て、私のように落とした人間も居るはずだ。また今回の試験で、受験を取りやめた人間も居るはずだ。協会の公表値によると、対象者は590名で受験者は509名、実に81名が受験を放棄し、認証される事を放棄したのである。結果、745名から509名を引いた236名が、既に「同期の桜」から立ち去ったのである。これは、当初の合格者の3割に相当する。更に、今回の更新試験の合格者は488名

この後、どの程度まで減って行くのかは、上の期数(15期とか19期とか)が参考になる。

15期(H13.3)1,961人が受験し、842人が合格。今回の更新試験で459名が対象、405名が受験 (48%)  
19期(H15.3)1,903人が受験し、649人が合格。今回の更新試験で449名が対象、385名が受験 (59%)

すなわち、更新試験の度に、最初の合格者の1割ほどが、放棄を行うのである。

最後の砦が堕ちる時(1)

2009年05月24日 21時56分37秒 | DTP/Web
数年前、苦労して華々しく合格した(?)DTPエキスパート。

このたいそうな試験は2年ごとに「更新試験」がある。なぜ、こんな試験があるのか?
主催元の話では、技術や環境の革新に合わせて知識のアップグレードを図るためだとか。
私の場合、4年前に受かったから、過去に一回更新試験を受けて、これに合格している。
今年の3月も更新試験を受けておいた。

しかし、職業経験が浅いという表現がぴったり当てはまる私は、今年、今の職場で、本当に忙しい、
年度末を過ごした。時間的な制約も大きかったが、休みの日や、昼休みをつぶして、送られて来た
試験問題を解いた。在宅受験である。

ただ、DTPや印刷業一般に従事していない私は、解く問題それぞれが難しい。結果は合格基準に11点足らず、不合格。

この言葉を見た時は、さすがにショックではあったが、内心、もういいかなと考えた。
一応、次の回で再受験が可能なのだが、それで受験料を7000円払い、参考書やらなんやらで3000円以上飛ぶ
それで1万円以上。参考書も、主催元の周辺をハイエナのようにたかる人達が編集したものだ。

いや、彼らこそ、もうこの資格試験の価値を必要以上に宣伝することでしか、生活をしていけない人達なのかも知れない。

テストのありかたもすごく疑問であった。
更新試験は自分で調べるというプロセスが勉強であるなどというが、本当にわからなくて、本当に知りたい答えや知識を主催元が教えないのである。

たしかに回答者の誤答が多かった問題の解説についてA4ペラ一枚ものが送られてくる。それを抜粋すると

31期更新試験
1.クロスメディアと自動組版
新規問題ということにはなっているが、既出問題のリファインといえるべきものである。
エキスパート試験というより国語的なセンスのような気がする問題である。
「陳腐化を防ぐためにどのようなデータで残すべきか?」に対して「標準化された」を答えてしまいそうだが、
ISOのように「公的に公開された」データでなければ意味がない。「市場占有率が高い」いわゆるデフェクトスタンダード
も今風の答え方だが、メーカー側の意図で左右されるケースが少なくない事は、一度や二度誰でも経験しているのではないかと思う。

・・・・なんか解説になっていない。出題者の感想である。まあ、問題そのものが受験者の手元にないからこれでいいのかも知れないが、中途半端な仕事を提出して、それがクライアントに受け入れられた(うまく騙せた)ような感覚である。

これは本当に、勉強の機会なのだろうか。本当に受験者のことを考えるならば、貴方は、こことここの問題を間違えました。その部分の解説はこうです。といった個別的な対応が必要だし、払った受験料は、少なくともそのくらいのレスポンスを返すくらいの金額ではあると思う。「間違った問題はそのまま」では、次回受験してもまた同じ間違いを繰り返すだけである。学校教育や公文式では「学習者のフォロー」と言った、当たり前に行われている事が、この試験ではなされていない。

これにもう一度7000円払うの・・・・という感じである。