霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

阿蘇の放牧牛

2020-07-10 16:19:34 | 地磁気観測の思い出

岩石に記憶された地磁気は何億年も安定していると書きましたが、実は熱には弱くて400℃以上(キュリー点)以上になると磁気を失ってしまいます。

マグマが上昇すると岩石が熱せられて磁気を失うので火口周辺の磁場分布に変化が見られます。現在、主な火山では地磁気による火山活動の監視が行われています。


まだ調査研究段階だった頃、阿蘇山火口周辺の地磁気測量をしたことがありました。壮大な草原にはたくさんの放牧牛がのんびりと草を食んでいますが、磁力計を設置して観測していると近寄ってきて顔を並べて興味深そうに眺めます。


でもあまり近づいて来られると困るのです。と言うのは、牛の胃の中には釘等を取り除くための強力な磁石が入れられているため、正確な地磁気の測定ができなくなってしまうのです。せっかく興味を持ってくれたのに申し訳ないと思いつつも追い払ったことを思い出しました。

馬は賢く優しい顔立ちですが、それに比べて牛は何ともひょうきんな顔立ちしているなあと思ったものです。


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