霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

争いの熾烈化(農業革命)

2019-10-01 14:09:09 | サピエンス全史
アフリカで誕生したホモ・サピエンスが世界中に拡がり南米チリの末端まで辿り着いたのは1万2千年前とのことなので農業革命以前です。この人類の旅(グレートジャーニー)を探検家関野吉晴氏は辿った結果、人類が冒険心旺盛だったからというより、縄張りから追われてやむなく新天地を目指したのではないかと語っています。

農業革命で食料供給量が増え人口増加をもたらした結果、生存のため土地や食糧も守らなくてはならず、既に狩猟生活には戻れず新天地へ逃げることも出来ず争いは熾烈を極めるようになりました。それは遺跡の人骨の傷痕から死因の多くは(場合により男性の半数近く)が争いによるものと判断できるそうです。

そして、狩猟民は自然に変化を与えることはほとんどなかったのに、農耕民は自然を人工的なものにどんどん変えていかなければならず、ホモ・サピエンスの心身は農業革命を境に大きく変化させられていくことになります。それが幸せへの道だったのか不幸への道だったのか、この書は何度も問いかけているようです。

さて農業革命後は人口増加による都市や王国の形成、貨幣の発明、宗教の発生に繋がっていきます。これらは歴史を動かす要因となるのですが、私には漠然としてよく理解できていなかったこれらの意味を、ハラリ氏はとても興味深く分かりやすく解説してくれます。

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