人類みな平等とは福澤諭吉の言葉だが、実際のところ、親の七光りとか遺産が転がり込んだと聞くと他人のことでも内心面白くない、妬んだり羨ましく思ったりもした。だが、このダンデミスの言葉を読んでハッとした。
「他人の幸福を恨んではいけない。なぜなら彼の悲しみをあなたが知らないだけだから。」
社会的な地位と名誉、財を成した男が誰にも見せなかった心の叫び。梅雨の合間、彩られた紫陽花の側面を覗き彼の辛すぎる一面を垣間見ることとなった。いままでも気さくに付き合っていたが、うわべしか見ていなかった自分の未熟さが何とも情けなく感じた。