海の見える理髪店 荻原浩 著 集英社
図書館で借りた本。読もうと思った寸前にこの本が今度の直木賞の候補作になっていることを知りました。直木賞候補の作品を直木賞が発表される前に読むのは初めてでしたし、荻原さんの作品を読むのも今回が初めてでした。この本は、大切な家族を失った人たちの悲しさや寂しさが伝わってくる短編の家族小説集でした。独立した短編で全部で6編ありますが、この中で一番印象に残ったのは表題にもなっている海の見える理髪店でした。海が見える静かな街の一角にある理髪店のたたずまいや理髪店の内部の描写がとても文学的でした。理髪店での独特の匂いやハサミで髪を切る音や海と空の青い色が自然に想像できて、やっぱり直木賞候補になる作品は文学的な要素がいっぱい詰め込まれているんだなと思いました。それぞれの短編には最後にオチがあって、家族との思い出や繋がりを思い出しながら生きようとしている人々の姿が切なくもあり、ほろ苦くもありますが、その姿はたくましくもあり、読んでいて力をもらえたような気分になりました。
図書館で借りた本。読もうと思った寸前にこの本が今度の直木賞の候補作になっていることを知りました。直木賞候補の作品を直木賞が発表される前に読むのは初めてでしたし、荻原さんの作品を読むのも今回が初めてでした。この本は、大切な家族を失った人たちの悲しさや寂しさが伝わってくる短編の家族小説集でした。独立した短編で全部で6編ありますが、この中で一番印象に残ったのは表題にもなっている海の見える理髪店でした。海が見える静かな街の一角にある理髪店のたたずまいや理髪店の内部の描写がとても文学的でした。理髪店での独特の匂いやハサミで髪を切る音や海と空の青い色が自然に想像できて、やっぱり直木賞候補になる作品は文学的な要素がいっぱい詰め込まれているんだなと思いました。それぞれの短編には最後にオチがあって、家族との思い出や繋がりを思い出しながら生きようとしている人々の姿が切なくもあり、ほろ苦くもありますが、その姿はたくましくもあり、読んでいて力をもらえたような気分になりました。